見失った未来
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カンカンカンカンカン
ああ、私がいるから……
皆幸せになれないんだ……
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『先程人身事故がありましたので、電車はしばらく運休となります……』
「えー人身事故だって」
「最悪ー」
「あー今から取引先と」
「何で死のうとするんだろうな」
「本当に迷惑だよな」
(人身事故か……)
学校に着くのは何時頃になるだろうか。
心配だけれど、学校を"休めない"私からしたらとても嬉しい。
(とりあえず駅を出よう)
駅の中は予定が狂ってしまった人達の声で五月蝿い。
一刻も早くここを出たかった。
(夜天は何してるんだろう?)
私はメールを送ってみたが既読はつかなかった。
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学校に着いたのはお昼だった。
「おはよう」
教室のドアを開けると、クラスメイトは皆気まずそうな顔で私を見た。
「どうしたの?」
あまりにも重い空気に息を呑む。
「朝の人身事故、知ってるでしょ?」
「うん」
「あれ夜天かもしれない……」
「え……」
言ってる意味が理解できなかった。
私は鞄を落としたことにも、瞳から涙が流れていることにも気が付かなかった。
「雫、夜天と親友だったから……」
こんなの嘘に決まっている。そうだ、嘘だ。
だって"かも"だもんね……?
私は信じることが出来ず、席に着こうとした。
そのとき見えてしまった。
夜天の机に花の入った花瓶が置いてあることに。
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次回、夜天視点です。




