表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
青が読めなくなっても  作者: 綾沢 深乃
「第6章 本当の真実」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

48/59

「第6章 本当の真実」(1)

(1)


 月曜日。


 日曜日に解散してから、今日までずっと緊張していた。この緊張は、高校受験の合格発表とよく似ているが、似ているだけで度合いは違っている気がした。


 朝、教室に入るとそこに美結の姿はなかった。森谷、梅沢は来ているので彼女が教室にいないのは欠席か遅刻しかない。予鈴までまだ、十五分はある。可能性はゼロではないが、きっと限りなくゼロだ。


 直哉が席に座ると真島が「おはよう」と声を掛けてきた。


「ああ、おはよう」


「朝、凛からLINEで聞いたけど、新藤さんは発熱で休むらしい」


「そうか。ありがとう」


 微かに抱いていた可能性はこれで完璧にゼロになった。日曜日に森谷が話していた展開に移行される。通学カバンを横に掛ける直哉に真島が「どうする?」と聞いてきた。


「どうするって?」


「昨日言ってた通り、本人の所に行くのか?」


「勿論、行くよ」


 直哉は迷いなく答えた。彼が答えると、真島が言い辛そうに「あー」と言ってから、言葉を詰まらす。


「なに?」


「いや、あの後凛とも話したんだが直哉が良ければ、皆で行かないかって」


「……なるほど。それは心強い。でも、それは大丈夫」


 あくまで心強いのは直哉の方で美結の方は萎縮するだろう、“心読み”の話も出来ない。メリットよりもデメリットの方が多い。


「分かったよ。凛には俺から言っておく」


「悪い。そうしてくれ」


 美結が来ないと分かった以上、本格的に動けるのは放課後から。今日一日の授業はしっかり受けないと、あと数分で始まる学校生活に直哉は気を引き締めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ