ヤンキー集団登場
何やら騒がしい人達との出会いです。
目が覚めたらもう朝だった。周りにアーガスの姿はない。
(どこに行ってしまったのでしょう)
しばらくの間途方に暮れ、気がつくと妖精にぐるっと囲まれていた。
(こんなに沢山いるとある意味ホラーですね)
なんてことを考えていると、
『おはよう!』
『よく眠れた?』
『顔を洗ってから遊ぼう!』
妖精が一気に話しかけてきた。最初は驚いたが、何回か聞いてるうちに慣れてきた。
「おはようございまちゅ。はい、ぐっしゅり眠れまちた。アーしゃんもいないので、しょの間あしょびまちょう」
そう言ってから、顔を洗いに泉の方に行こうとすると…
『待って待って!』
『そうそう、そんな事しなくても大丈夫!』
妖精が止めてきた。
「何ででちゅか?」
疑問に思っていると、
『そんな事しなくても、両手を出してごらん』
水色の妖精に言われたとおりに私が手を出すと、
『えーい!』
なんとも可愛い掛け声とともに、私が差し出した手に水が現れた。
「しゅごいでちゅねー」
私が感心していると、周りにいた様々な妖精達も
『俺もできるぞ!』
『僕もー』
『私もー』
木の実や果物やら色々なものをぽんぽん私に渡してくる。
(何でしょう。転生したらモテ期に入るのでしょうか…)
なんて馬鹿なことを考えていると、徐々に私の周りに足場がなくなってきた。流石に止めないと大変なことになってしまう。
「あわわー、もうやめてくだちゃい!」
つい怒鳴ってしまった。
『なんで?』
『迷惑だった?』
「違いまちゅ。嬉しいでちゅけど、やりすぎでちゅ。食べもにょはもういいのでちょっとまっててくだちゃい」
そう言って私は、妖精が用意してくれた果物を食べた。食べ終わったら、手や顔がベトベトになってしまったので、また水色の妖精に水を用意してもらうことにした。
「ようしぇいしゃん、おみじゅくだちゃい」
『はいはーい』
手を妖精に差し出したところ……
「子供……」
低い、だがまだ若い男の人の声がした。
私は驚いて、せっかくの水を零してしまったが仕方がない。声のした方を見ることにした。
(だ、誰ですか。あのヤンキー集団は……)
思わずそう考えてしまうほど、そこに居た男の人の頭はキラキラしていた。後ろの方にいた男の人たちも全員髪がカラフルだった。
(赤、青、金、紫、銀……)
若干、色の多様さに引きつつも、ドラゴンの時のように挨拶をすることにした。
(笑顔が肝心です)
「はじめまちて!」
挨拶をしたものの、目の前のキラキラヤンキーさんは固まってしまった。
(なんか、アーさんを思い出しますね)
昨日のことを振り返っていると……
「ガハハハっ!」
騒音がした。間違った、騒音のような笑い声がした。
「すまねーな、嬢ちゃん。コイツちっちぇー子どもには大抵泣かれっからよ。ビックリしてんだわ」
(ああ、なんとなく分かります。でも、貴方の方が怖いです。キラキラヤンキーさんは、金髪でイケメンさんではありますが、若干眼光が鋭いです。簡単に言えば、目付きが怖いです。でも、貴方の場合はそれ以上です。細マッチョなヤンキーさんに比べ、ゴリゴリのマッチョさんです。体格も大きく、目元にある傷痕が痛そうです。ワイルドなタイプのイケメンではありますが、例えるならば、ヤクザです)
なんて失礼なことを考えつつ、当たり障りのない答えを言った。
「大変でちゅねー(ヤンキーさんも、ヤクザさんも)」
「ああ、苦労してんだよ(コイツも)」
私は、ヤンキーさんとヤクザさんを、ヤクザさんは、ヤンキーさんを思って労わった。
「ってか、副団長!なに和んでんすか!」
「いや、別に和んじゃいねーが…」
「そういう事じゃないっすよ!」
オレンジ頭のちょっとちっちゃいお兄さんが、犬みたいに尻尾を振ってキャンキャン吠えている。
……尻尾?
「わーっ!」
「うおっ、なんだなんだ?」
驚かれたが、それどころではない。
(ワンちゃんです。ワンちゃんがここに居ます!)
犬好きの私からしたら、大事件が頭の中で起きていた。
「ちっちゃいお兄ちゃん!尻尾、しゃわらしぇてくだちゃい」
「誰がちっちゃい兄ちゃんだと!おいこらガキンチョふざけたこと言ってっと……」
そこまで言って、私を見た途端動きを止めた。
(人をみて固まるなんて酷いですね)
なんと思いつつ、しれっと後ろに回り込み尻尾を堪能した。
もふもふ、もふ、もふもふ……
しばらく触っていると、
「おわっ!何しやがる!」
やっと反応した。けどやっぱり、止められない止まらない魅惑の尻尾なのですよ。そう簡単に手放せません。
「いいから、離しやがれっ!」
突き飛ばされてしまった。5歳の身体ではコロコロと転がってしまうわけで……
コロコロ……、ゴチっ!
転がった先にあった、もとい、居たヤンキーさん……ではなく、ヤクザさんにぶつかってしまった。
(どうしましょう。殺されますかね)
なんて物騒なことを考えていると、怒鳴られた。
「お前何やってんだよ!」
「ぴゃっ、ご、ごめんにゃ……」
さいと続けようとしたが、遮られた。
「こんなに可愛い、天使のような嬢ちゃんに傷が出来たらどうすんだよ」
(このヤクザは何を言っているんでしょう)
思わず冷めた目で見てしまったが、仕方が無いだろう。しかも…
「すいませんって!君も、ついやり過ぎちゃってゴメンな?怪我してないっすか?」
「だいじょうぶでちゅ」
ちっちゃいお兄ちゃんも、なぜ私に謝る。元はと言えば、私が悪いんだろうが。申し訳なさそうな顔をするな。私が悪いのだ。
私も対応に困っていると……。
「おい、何やってんだよ。困ってんだろ?分かんねーのか?」
キラキラヤンキーさんが復活した。
次も、ヤンキー集団との会話が続きます。正体も明らかになります。
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