大騒動 2
平和的な騒動です。
私は今、先程からずっと機嫌がいい団長の顔を正面から見ている。
そう、正面から見てるのだ。向かい側に座っているならまだしも、膝の上に座っているから距離も近く、満面の笑顔なため無駄な破壊力がある。
……美形、怖い。
馬鹿なことを考えつつ、方向転換しようとするがマティーさんが邪魔をする。なんなんだ、あなたは一体何がしたいんだ。マティーさんの行動に納得しないものの、仕方がないのでそのままでいることにした。
しばらくマティーさんの膝の上にいたが、お腹がすいてきたので食べ物がないか聞いてみた。
「マティーさん、お腹がしゅきました。なにか食べ物ないでしゅか?」
最初は少し驚いていたが、近くにいた団員にご飯を頼んでくれた。
そして、運んでくれたご飯を見てみると…
「綺麗…」
おもわずそう呟いていまうほど、それは綺麗で美味しそうだった。
きれいに焼き色がついたパンに、サラダ、コーンポタージュのようなものと何やらケーキのようなものまでついている。
すると、私のご飯にケーキが供えているのに気づいた団員が、
「えー?料理長!贔屓っすよ贔屓!」
何やら料理長らしいその人に抗議していた。マティーさんに理由を聞いてみると、苦笑して説明してくれた。
普段のご飯にはデザートなんかつかなくて、パンとスープだけらしい。それを聞いて私は申し訳なくなった。
マティーさんにお願いして下に降ろしてもらい、トコトコと料理長のもとに近寄って、
「料理長しゃん、なんでわたしだけ特別なんでしゅか?」
ケーキがついている理由を聞いてみた。すると、驚いたことに私が話しかけたのに気づいた料理長は泣いていた。
(え!?なんでですか、なにか悪いこと言ってしまいましたか?)
私が1人オロオロしていると、料理長は床に膝をついて私と目線を合わせ、恐る恐る私の頭に手を伸ばしながら、
「その、撫でてもいいか?」
そう聞いてきた。勿論、断る理由もなく了承した。
大きく角張った手は、ゆっくりと壊れ物を扱うかのように優しく私の頭に触れ、遠慮がちに撫でてきた。私は、その手に頭を擦りつけ普通に撫でていいアピールをした。すると、さっきのようにまた泣きだした。
(本当に何があったんでしょうか)
理由が気になってきた頃、料理長も落ち着いたのか泣き止んでいた。そして、理由を教えてくれた。
曰く、今までこの外見でちっちゃい子には泣かれてきたらしい。
曰く、目を合わせただけで女性は悲鳴をあげるらしい。
まぁ、確かにその気持ちはわかる。料理長は、スキンヘッドに三白眼と若干というかすごく厳つい顔をしている。また、それに比例して、身体の方も大きくしたから見上げると迫力があって怖い。でも私は、怖くないので気にしない。
だから、泣きも怯えもしない私が料理長にとって嬉しい、貴重な存在だったらしい。
ケーキを出した理由は、ここに子どもが来ることは滅多にないから張り切って作ったらしい。ありがとうと伝えるとまた泣いていた。うん、いつか素敵な人が現れるといいね。内心思っていると、
「なぁ。そんな事よりも大事な話があるだろ?」
なんだ、マティーさん大事な話とは。ドキドキしていると、
「これからハクは誰の部屋で寝泊まりするんだ?」
思わずズッコケそうになった。
てか、え?一人部屋じゃないの?
私の頭が混乱しているなか、話はどんどん進んでいく…
「はいはーい、俺様の部屋!」
「いえいえ、ダメですよ。私の部屋で寝るんです」
「えー?僕の部屋でもかまわないよね?」
ヤンキーさん、インテリさん、おねーさん(?)の順に名乗りを上げた。
だがそこに、
「はっはっはっ、それなら俺も構わねーよな?副団長のほうが安心だろ?」
高笑いをしながら副団長のガイさんと
「それを言うなら、団長である俺の方が適任だ」
団長のマティーさんが加わった。
このままでは話がヒートアップしてしまうと感じた私は安心できそうな人と寝ることにした。
遅くなってすいません。なるべく頻度をあげるようにします。




