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団長さんside

団長さんsideです。

俺の名前は、マティアス・レイヴン。騎士団の団長をしている。


大きな事件が立て続けに起きてやっと解決して、一息ついたら王城に呼ばれた。

王に、王命を下され俺は神聖の泉がある魔の森に来ていた。

王命の内容は、ここに住んでいるドラゴンを従わせろというものだった。


(しかし…、あの王も何を考えているのだか…。自分の利益しか考えていない。これからの王国の未来が、心配される)


俺の心は、今日は特にブルーだった。しかしここに、呑気な奴がいた。


「ガハハハッ、どうしたどうした!くれー顔ばっかすんじゃねーよ」


笑いながら俺の背中を叩いてくるコイツは、俺と同じ“王国”騎士団の仲間だ。

名前をガイ・アルフォンスといい、副団長であり、俺が背中を唯一任せることが出来る男でもある。また、子どもに泣かれるという苦い思いをする仲間だ。悪人面で、言動も荒っぽいが根は優しい。俺は意外とこいつが好きだ。


「何だ、こんな面倒なのに他にどんな顔をしたらいいんだ」


「そりゃ、そうだけどよ……」


何だ、文句がいいたそうな顔だな。


「まったく…、ガイといい後ろの奴らといい、何がいったい面白いんだ」


騒がしい後ろを振り返り俺はボソリと呟いた。


「皆、久しぶりの…でもないが、大仕事で張りきってんじゃねーのか?」


「さすが、体力バカは言うことが違うな。俺は今すぐ帰りたい」


「いやいや、団長さんがいねーとダメだろ」


「はっ、そんなもん副団長のお前が居れば十分だろ」


「あー言えばこー言う…」


ブツブツと俺の横で、ガイが文句を言っている。勿論スルーだ。


ガサガサ……


目の前の茂みが揺れたかと思うと、魔物が出てきた。


「チッ……」


俺は慌てることもなく淡々と魔物を切り捨てる。


「ヒューッ、カッコいいねー!」


「うるさい」


その後、しばらく進み魔物の気配も少なくなってきた頃……。


「あわわー、もうやめてくだちゃい!」


(なんだ?子どもの声?)


森の奥にそろそろつくかと思ったら、子どもの声が聞こえてきた。鈴のような綺麗な声だ。聞くもの皆の心を癒しそうなほど、その声は耳に残る。


「なぁ、なにか聞こえねーか?」


「ああ、ガイも気がついたか」


俺は、騎士団全員にすぐさま静かにするよう命令をかけた。

そして、茂みをわけるようにして前に進むと…


予想通り、子どもがいた。予想通りだったためか、思わず


「子ども……」


と呟いてしまった。

俺の声に反応して、その子どもは振り返ると驚きで目を丸めていた。

俺自身かなり動揺していた。


(なんだ、あの子どもは…。疲れきった俺の前に現れた天使だろうか…)


普段の俺では想像もつかないことを思ってしまうほどだ。理由は二つほどある。

まず一つ目は、この森に子どもがいたという事に対して驚いた。

二つ目は、その子供の見た目だ。流れるように綺麗な白髪、ウサギのように丸く赤い大きな瞳、着ているものが大きすぎて、その子どもがよけいに華奢に見え、また、黒い服は白い綺麗な肌をさらに白く見せている。周りには数えきれないほどの妖精がいて、さらにその子どもを現実離れしていた。


その子どもは、俺の所に近づいてきたと思うと、


「はじめまちて!」


笑顔で挨拶してくれた。


(なんなんだ、この可愛い生き物は……)


おかげで俺の頭はフリーズした。ガイとニコ、天使が何か話しているが俺にはよく聞こえていなかった。


「お前何やってんだよ!」


「ぴゃっ、ご、ごめんにゃ……」


「こんなに可愛い、天使のような嬢ちゃんに傷が出来たらどうすんだよ」


「すいませんって!君も、ついやり過ぎちゃってゴメンな?怪我してないっすか?」



ガイの怒鳴り声とニコの謝る声で意識が戻った。そこには、怒るガイ、謝るニコ、冷めたような困ったような顔をした天使ちゃんの三つ巴ができていた。

状況はなんとなく理解したが、天使ちゃんが困っているのは見過ごせない。


「おい、何やってんだよ。困ってんだろ?分かんねーのか?」


そして俺は、天使ちゃんを捕まえた。


もう少し、団長さんsideが続きます。

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