ヤンキー集団じゃなかった
ヤンキー集団の正体が明らかに。
先程、キラキラヤンキーさんが復活しました。これはいいことだと思う。でも、私の状況には変化がなかった。と言うよりも、悪化していた。
「離してくだちゃい」
「断る」
このような押し問答がずっと続いている。状況を説明すると、私は今、キラキラヤンキーさんに捕まえられている。ついでに、撫で回されている。
(むむむ、中身も子どもというわけではないのでこの様なことは凄く恥ずかしいのですが……)
内心悶絶していると…
「あーっ!団長ずるいっすよ!俺にも撫でさせて欲しいっす!」
またしてもここには、「何言ってんの?」という感じのやつがいた。さっき私が転がってしまった原因であり、現在、撫で回されることになった原因であるちっちゃいお兄ちゃんだ。
(ちっちゃいお兄ちゃん、君なら良いですよ。代わりに尻尾を触らせてくれたら、いくらでも撫でて構いません。ついでに、耳も触らせて欲しいですね)
などと馬鹿げたことを考えつつ…
「だんちょーしゃんを離してくりぇたらいいでちゅよ」
と返してやった。すると今度は、キラキラヤンキーさん、もとい、団長さんが……
「ニコ、おめーに俺をこの天使ちゃんから離す勇気があんのか?ア?」
凄いメンチをきっていた。ちっちゃいお兄ちゃん(ニコさん)が、動揺している間、私はどうしたものかと考える。
(天使とか言っていますが、何のことでしょう。アーガスが、ここは森の奥にあるって言ってましたし、魔物もいるそうですから精神的にやられてしまったのでしょうか…。若いのに可哀想です……)
若干、哀れみの目を向けていると…
「はっはっはっ!俺はおめーなんかにゃ負けねーよ!ってことで、嬢ちゃんもらってくぜ?」
ヤクザにかっ攫われた。
「っえ?ぇぇえ?」
よく状況がつかめてないうちに、ヤンキー集団のところに着いた。
えぇ、ヤンキー集団のところに連れていかれたんですよ。右を見ても左を見ても前を見てもカラフルな頭がいっぱいだ。
(なんでしょう。驚きすぎて何も言えません)
私は黙っていることにした。
「 わー、副団長その子どうしたの? 」
初めに話しかけてきたのは、長い銀髪をした綺麗なおねー(?)さん、
「うおっ、すっげー何だこのガキ、えれー別嬪だな?」
次に話しかけてきたのは赤い髪のヤンキー臭がするイケメンさん、
「ふふっ、ダメですよ副団長。誘拐は犯罪です」
最後に話しかけてきたのは、落ち着いた雰囲気の緑の髪のイケメンさん、
(顔面偏差値が高いですね)
なんて的外れなことを考えていると……
「そこで拾った」
まるで犬や猫を拾ったかのような言い方で、ヤクザ…副団長が私を前に差し出した。
(拾ったというのは、語弊があると思うのですよ。正しくは、捕まっていた私を攫ってきたのです。言わば、誘拐です。しかし、助けてもらった節もあるので今回は流してあげます)
黙って行く末を見守っていると、
「可愛いー!君いくつ?」
銀髪のおねーさん(仮)に、抱き上げられながら質問をされた。
「たぶん、ごしゃいでちゅ」
とりあえず答えた。本当かどうかは分からないが…
「そうかー、5歳か……(年齢的には問題ないね)」
「?」
「いや、何も気にしなくていいよ?」
よく分からないが、流しておこう。すると今度は、赤髪のヤンキーさんに抱き上げられた。
「おい、ガキんちょ。親はどうした、親は」
「居ないでしゅ」
「そうか居ねーのか…(親の反対なし、最高)」
またもや小声で何か言っている。次は、緑の髪のイケメンさんに抱き上げられ…至近距離で質問された。鼻先が触れそうだ。
「では、貴女はなぜ、こんな森の奥の神聖の泉にいるのですか?ここにはドラゴンがいたと思うのですが…」
おぅ…、最後にどえらい質問がきた。
「森をしゃまよっていちゃらちゅきまちた。ジョラゴンしゃん……アーしゃんは、出かけちゃいまちた。今は、あっちのしょらを飛んで街に移動中でちゅ」
正直に質問に答えると、なぜか目を見張り、それから恐る恐る質問してきた。
「貴女は、ドラゴンの名前が分かるのですか…?」
「あいっ!」
何も考えず返事をすると、周りにいた全員の顔が驚愕に彩られた。
「大変っすよ!こんなに可愛い上にドラゴンの契約者とか……、優良物件として目をつけられるっすよ!」
ちっちゃいお兄ちゃん……ニコさんが、副団長の後ろから現れてそう叫んだ。その後に続いて他の人も「そうだな」「そうですね」と、その意見に賛同する。
(本当にこの人達は頭が可哀想ですね)
哀れんだ目で見ていると、またもや団長さんに捕まった。
「この子を騎士団で保護する」
何言ってんだよ。
(今度は厨二病でしょうか…)
と考えててふと思った。
(そうでした。ここは、ふぁんたじーの世界でした。ということは、この人達は本当に元からこのような髪で、本当に騎士団なのでしょう。少し、申し訳ないですね…)
私が心の中で反省している間、話が勝手に進んでいた。
「それはいいっすね」
「えぇ、確かにいい案だと思います」
「さっすが団長!いいこと言うねー」
誰一人として反対せず、私が騎士団に保護されることが決まった…
「って、ちょっと待っちぇくだちゃい!」
私は勿論制止したが、私が反対する声は誰一人として聞いていなかった。……悲しっ!
流される主人公、まだ、自分の魅力に気づいていない。
今度の話は、騎士団に連れてかれる主人公の話……の前に、団長さんsideにしようと思います。
まだ出てきてない、団長さんと副団長の名前も分かります。




