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Requiem of The TAMASYI!! ~転生双子の大冒険~  作者: 平行線R
第1章 requiem of the priest
15/22

15.賊の行方は?

あまりにも読者数が増えないので『~転生双子の大冒険~』っていうサブタイっぽいのを付けました。


これでアルファベットだけのタイトルよりは多少クリックしやすくなったかな……?


もしかしたら変えるかもしれませんが、メインのタイトルは変える気はないので、検索をかけるときはアルファベットのタイトルの方で……それかブックマークしてくださると、とてもとても嬉しいです。

 正午、誰かに担ぎ上げられる感覚で目覚めたルナは、ウグッと呻きながら目を開ける。


「あ、悪い。起こしちまったか」

「えっと……ミョーンさん?」

「朝早くから悪いけど、移動だ。追手が来てるらしい」

「は、はあ……」


 追手が来ている。そういう言い方になるということは、個人ではなく組織単位での動きと見てよさそうだ。

 つまり、家族だけでなく、村も動いてくれている。


「えっと……」

「悪いけど、また担いでいくことになりそうだ。見つかったら大変だから、声は出さないでくれよ」

「は、はい……」

(大変なのは私じゃないんだけどね。どうしようか……と、子供っぽく子供っぽく……)


 状況を把握しないといけない。

 ただし、怪しまれないように。


「えっと、ミョーンさん、追手って、なんなの?すぐ近くにいるの?」

「すぐ近くにはいないよ。ただ、俺の仲間が遠くで俺たちを探しているのを見かけたんだ。見つかったらすっごく怖いことをされちゃうから、絶対に見つからないようにするんだぞ?」

「え、すっごく怖いの!?やだ!!絶対見つかりたくないよ!」

(お願い早く見つけて!)

「うん。じゃあ、少しの間、隠しておくから、絶対に声を出しちゃだめだぞ」


 そう言うと、ミョーンは担ぎ上げたルナに布を被せて、荷物を担いでいるように見せかける。


「あ、あと、辛いかもしれないけど、動かないようにな?」

「はぁい……」


 一応は従う意思を見せるために小声で返事をし、黙り込む。

 外を確認できなくなってしまったが、こればっかりはしょうがない。

 こうして、ルナは再びどこともわからぬ所へと移動することになった。



 数時間後。



「ん、あんた、そんな軽装でどこに行くんだい?」

「んぁ?ああ。小便だよ。一人旅なもんで、荷物はちゃんと隠してるから。貴重品だけこうやって持ち歩いてんだぁ」

「……?……ああ、なんだそういうことか。まさかキルノト村からこっちに歩いてくるのにその荷物じゃあ、おかしいもんなぁ」

「ああ。そういうことさ。あんた、俺の荷物を探そうなんて気を起こすなよ?」

「ハハハ、そんなことはしませんよ。そんじゃあ、さようなら」


 どうやら誰かとすれ違ったらしい。

 少し無理がある言い訳で乗り切ったようだが……


(今の会話から推測するに、1人……)


 てっきり仲間と一緒に進んでいるのかと思ったのだが、1人だったようだ。

 しかも、少なくとも今は街道を通っていることになる。

 いや、今の会話に違和感を持たせないように森の中へ向かうはずだから、進路に変更がないということはもともと横切っただけか……


(どうしよう……でも、話を聞いたところただの旅人みたいだし、叫んだところで首を絞められて人質にされればどうしようもないだろうし、後でどんな仕打ちが待っているかと思うと……)


 結局、逃げ出すには絶好の機会だとわかっていながらも、躊躇してしまう。

 視界が塞がれているせいで外がどうなっているかわからない。

 ちょっと無理がある想像かもしれないが、ルナが逃げないかどうかを確かめるためにカマをかけた可能性だってあるのだ。

 迂闊に行動すれば信用を失ってしまう。今は従順にならなければならないのだ。


 そうこうしているうちに、ルナはどんどん運ばれて行き……


 さらに数時間後、地面に降ろされ、新しい賊の拠点を目にすることになる。


   ♪


「……連絡が、来ました」


 ソルの話を聞き、ひとまずエリスと合流しようと部屋を出ようとしていたカロンは、外からやってきた人と話をしていたバラノ村長の一言で引き留められる。


「どうだったんです!?」

「待ってください。ただの定時連絡ですので、成果があるかどうかは……なんですって?」


 隣からの報告を聞きながら器用にカロンとの受け答えをするバラノ村長の顔が、引き締まる。


「どうやら、大規模な野営の跡が見つかったようです。街道から離れた森の中、ソル君の絞った範囲内ですな」

「本当ですか!?」

「ええ。ですが、肝心の足取りが掴めていません……申し訳ない」


 バラノ村長は本当に申し訳なさそうに肩を落とす。


「おそらく、捜索隊を発見して急いで引き払ったんでしょう。よく調べたら、数時間前まではその場所にいたような痕跡がありました。」


 バラノ村長に報告をしていた男も、カロンとソルの状況をわかっているようで、気の毒そうにそう言った。

 カロンは内心落ち込むが、息子に不甲斐ない姿を見せるわけにはいかない。

 そうやって強がっていると、バラノ村長が「ゴホン」とわざとらしく咳ばらいをした。

 カロンがそちらを見ると、バラノ村長はまた「ゴホン」と咳ばらいをし、言葉を選びながら口を開く。


「カロンさん、確かに、娘さんは見つかっていないかもしれない。けれど、無事でいる可能性も高いのです。野営の跡からは、血痕も見つかっていないらしいですし、死体も見つかっていない。わざわざ連れて行ったということは、すぐに殺される心配はないということです」


 そう言われ、カロンの中に漠然と存在していた、『死』というものが、遠ざかっていく。

 意識しないようにしていたことだったが、逆に意識したうえで可能性を否定することによって、不安を払拭できたのだ。


「……ありがとうございます。少し、不安が薄れました」

「ええ。そうでしょう」

「けど、ソルの前で、そういう……死、とかの話をしないでいただきたかったですね……」


 となりで立っている5歳の息子、その息子が、今の話を聞いて、どう理解したか。

 5歳の息子が『死』なんてものを想定できていたはずがない。そういう可能性もあると知って、ショックを受けているのではないか……


「おや、てっきり、そういう話はされているのかと思っていましたが……」

「……?どういうことです?」

「ソル君は、私との面会を取り付けるとき、姉が死んでしまうかもしれない、と言って強引にこの部屋に入ってきたんですよ」


 思わず、カロンは息子の顔を見る。

 ソルは明後日の方向を向いて、ヒューヒューと口笛を吹くふりをしながら「いや、そういうのは、少し誇張してインパクトを持たせないとさ……」と言う。

 ついでに「あ、そういえば、地図とか買う時にシィナさんに借金しちゃったから、よろしく」と付け足す。

 カロンは、とりあえず借金のことだけ頭に入れて、他のことは考えても無駄だと諦めることにした。

 そして、色々と言いたいことはあったが、混乱していたため話がまとまらず、結局「ありがとうございました。一度、宿屋に戻りますね」とだけ断り、野営の跡があった場所だけ教えてもらって村長宅を後にした。

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