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第四十章 菊子に親友ができる

以前、菊子が通っていた学校では菊子が転校した為に虐めを止める者がいなくなり、皆虐めに遭い、特に良子は集中的に酷い虐めに遭っていた。

先生に相談すると良子のように仕返しの虐めが怖かった為に、菊子に助けを求めようと考えていた。

菊子が転校する前に、転校する学校や引っ越しする住所を皆に伝えようとしていたが、その頃は皆で菊子を無視していた為に誰も聞いてなかった。

良子の友達の真理子が、先生に菊子の転校した学校や連絡先を聞いた。

先生は、「悪いが、最近個人情報の取り扱いについて厳しくなって来ているので教えられない。」と断った。

良子も一緒に、以前菊子が住んでいたマンションに行き、そこの住人や管理人に確認したが、テレジア星人は地球人と可能な限り接触しないようにしていた為に誰も知りませんでした。

引越しのトラックから業者を特定して引越しセンターに確認したが、先生と同じ返答でした。

良子は、「菊子、どこへ行ったの?助けて~」と泣きながら、しばらく菊子が住んでいたマンションの部屋の前に座り込み離れようとしませんでした。

真理子は、「良子、私達も菊子を捜すから今日は諦めて帰ろう。」と泣いている良子を連れて帰った。

菊太郎が、郵便局に転送届を提出する事を忘れていた為に、菊子が郵便物を確認にマンションに来た。

良子たちは、菊子が集合ポストにいると気付かずに帰った。

小学校五年生になった菊子は、こんな状態になっているとも知らずに新しい学校に通学していた。

菊子は今度こそ、虐めっ子や不良達と関わらず、穏やかに学校生活を楽しもうと期待していた。そして親友もできて楽しく暮らしていた。

菊子は、医者の娘の芹沢陽子と、将来学校の先生になる事が夢の秋山幸枝と仲良し三人グループで、お互いの誕生パーティーに呼んだり呼ばれたり、一緒に勉強したり遊んだりしていた。

親友の二人が菊子のマンションに来た時に、菊子は母親がしばらく不在だと説明する為に海外旅行中にした。

同居しているヴィーナスとフジコの二人を、親戚の叔母さんとして紹介した。

幸枝が、「海外旅行ってリッチね。母親が家族を残してどこへ行っているの?」と母親が何をしているのか疑問に感じた。

菊子は海外旅行という事でさらりと流そうとしたので、後の事を考えていませんでした。

菊子は、“えっ?どうしよう。”と焦り、咄嗟に、「母の中学時代の親友が高校時代にアメリカ留学して、アメリカで知り合った彼氏と日本に帰ってからもメールなどで連絡をとっていました。その彼氏と結婚して今アメリカに住んでいます。昔だと文通だったから返事が来るまでに時間が掛かり、その間に熱も冷めてしまい結婚したかどうか解らないけれども、今は動画までメールの添付ファイルで送れるし、直ぐに届くけれども時差がある為に、相手が寝ていれば直ぐに返事は来ないかもしれませんが、翌日には返事が来る為に話も進んだようですよ。その親友が日本の何人かの親友をアメリカに招待して楽しんでいるようなので、しばらく帰って来ないようです。」と説明した。

幸枝は、「旅費だけではなく、宿泊費も馬鹿にならないのではないの?それにビザの関係上、三ケ月までしか滞在できないのではないの?」と菊子の母親の考えが理解できない様子でした。

菊子は、“えっ?宿泊費?そんな事は考えてなかったわ。それにビザって何かしら。”と困っていた。

その様子をフジコが察知して、「姉から聞いた話によると、アメリカは日本と違って土地が広く、自宅の他にホテルのような、お客様専用の別館もあり、庭にはプール等もあるそうよ。だから、宿泊費は只同然らしいわよ。」と説明した。

その後フジコが意思波で、「お母さんは、まだ出所できないわよ。何年も海外旅行していると不自然ね。ヴィーナス小母様を母親だと紹介すればよかったのにね。今度聞かれた時の為に、海外で怪我したとか病気になったとかプールで溺れたとか、それはないか。兎に角、何か考えておかないと咄嗟に考えていると話が可笑しくなり、そのうちばれるわよ。」と忠告した。

菊子は、「解ったわ。考えておくけれども、今、幸枝が聞いていたビザの事は本当?だったら三ケ月以内に何か考えないといけないわね。所でビザって何?」と聞いた。

フジコは、「ビザは入国許可証の事で、同一国には連続三ケ月までしか滞在できないわね。でもその後、カナダに滞在してから、再びアメリカで滞在する事も可能ですけれども、友達の所に遊びに行くにしては、その方法は不自然かもしれませんね。」と二人で意思波を使い相談していた。

誕生パーティーでは、肉食のフジコやヴィーナスは飾り付けなどは空を飛べる為に力になれますが、料理はあまり力になれませんでした。

しかし勉強会ではフジコが地球の事も色々と調べていた為に力になってくれました。

勉強会で幸枝は、「戦国時代、武田軍は強かったらしいですが、鉄砲で負けたらしいですね。刀や槍では鉄砲に勝てる訳がないのに何故戦ったのでしょうね?それに何故武田軍も鉄砲を使わなかったのでしょうね?」と疑問でした。

皆、解らないようでしたのでフジコが、「当時の鉄砲は火縄銃といって、一発撃てば、火薬を込めて弾を込めなければ次の一発が撃てなかったのよ。そんな事を戦場で行っていると敵に殺される為に、隠れて敵を暗殺するには使えても、戦場では役に立たないと全ての武将は判断したのよ。しかし、織田信長が鉄砲隊を三列に並べて交代しながら撃てば、他の列が撃っている間に火薬を込めて、弾を込める事が可能で、連続で撃つ事が可能だと判断したのよ。これが天下無敵と言われていた風林火山の兵法で有名な武田の騎馬隊が織田信長に破れた敗因よ。織田信長は、勢力的には大きくなかったけれども、その他にも色々と工夫して、敵を次々と倒して行ったのよ。だから皆さんも色々な工夫は大切よ。」と説明した。

陽子が、「“”風林火山”て聞いた事あるけれども、これって武田軍の兵法だったの?どんな兵法なの?」と聞いた。

フジコは、「風林火山とは、“移動する事、風の如し。静かざる事、林の如し。攻める事、火の如し。動かざる事、山の如し。”という意味があるのよ。武田の騎馬隊が天下無敵だった一つの理由は、この兵法により音もなく忍び寄ってきて神出鬼没だったからなのよ。」と返答した。

夏休みには三人で旅行に出掛ける計画を立てたが、泊まりだと小学生だけでは予約できませんでした。

フジコかヴィーナスが同行する事で予約できたが、菊子は旅行の時まで一緒だと、あまり意味がないので自分達だけで行きたいとヴィーナスに伝えると考えておくと返事が返ってきた。

ヴィーナスは定期的に刑務所のアヤメに面会いに行っていた為に、その時にこの件を説明して、アヤメが菊子を説得する様子を撮影して、その立体映像を菊子に見せて説得しようと考えていた。

しかしアヤメは、「過保護ね。別に旅行ぐらい子供達だけでも大丈夫よ。予約が取れないのだったら、世話役のお姉様として、旅行慣れしている私の知り合いで、テレジア星人のマーガレットに頼んでおくわね。」と返答した。

旅行に出掛ける時にヴィーナスが、「旅行慣れしている、お母さんの知り合いに頼んでいますからね。」と説明した。

ヴィーナスは説明後、「アヤメは刑務所に服役中なのに、どうやって連絡したのかしら?私みたいに、定期的に面会しているのかしら?そんな親友が居ただなんて聞いてないわ。スケバングループの幹部かしら。それだったら定期連絡として刑務所に面会に来ていても可笑しくないわね。箱入り娘じゃないから、何かトラブルがあっても何とかしてくれそうね。」と安心して任せる事にした。

ヴィーナスや菊子やフジコも、モミジに娘がいる事は知らなかった為に、まさかアヤメが秘密調査官の任務中に連絡した、モミジの娘だとも知らずに、アヤメの知り合いだという、女子大生に化けたマーガレットと旅行に出掛けた。

旅行も夏休みも終わり、再び学校生活が始まったある日、親友で医者の娘の芹沢陽子が不良に絡まれていた。

以前の学校での事があった為に、ある程度の虐めは見て見ぬ振りをしていましたが、陽子が真っ青になり困っていた為に見ていられなくなり、あまり気が進みませんでしたが陽子を助ける為に、また不良を撃退する事にした。

陽子が、「放課後人気のない空地に呼び出された。」と真っ青になりガタガタ震えていた。

菊子は優しく陽子の肩に手を添えて、「大丈夫、替わりに私が行って話を着けて来てあげるから、陽子は家に帰って待っていてね。」と言い残して、陽子から聞いた不良との待合わせ場所へと向かった。

菊子は陽子に、“一緒に行ってあげる。”と言いたかったのですが、陽子に菊子が不良を撃退する様子を見られると、以前の学校のように陽子も菊子から離れて行くかも知れないと思い、菊子一人で行く事にした。

菊子が行った後も震えが止まらずに、しばらく教室から動けずにいた。

他の生徒から教室にいる芹沢さんの様子が可笑しいと聞いて、担任の先生が教室に様子を見に来た。

「どうした芹沢、震えているじゃないか。顔も真っ青だし、どこか具合でも悪いのか?」と心配していた。

陽子は、「いいえ、大丈夫です。」と返答して先生に事情を説明した。

先生は、「馬鹿!何故もっと早く相談してくれなかったのだ!猪熊にもしもの事があったらどうするのだ!」と陽子が案内して、先生の車で一緒に待合せ場所まで急いで行った。

先生と陽子が待合せ場所に到着すると、不良の殆どが倒れて気絶していた。

残るのは番長一人だけで、丁度番長が鉄パイプで菊子に殴り掛かる所でした。

先生と陽子が、「あっ!」と思った瞬間、菊子は難なく片手で鉄パイプを受け止めて、番長に膝蹴りすると、番長は前かがみになり、そこを菊子が首の後に空手チョップを一発!番長はあえなく気絶して倒れた。

それを目の当たりに見た陽子は、「菊子凄い!」と拍手した。

菊子は、「あら!見られちゃった?まいったな・・・。」と困った表情をした。

陽子は不信に感じて、「何故隠すの?」と確認した。

菊子は、「実は、私が転校した原因はこれなのよ。以前の学校で、私が虐めっ子達を撃退した所、皆、私を怖がって近寄らなくなり、居辛くなっちゃったのよね。陽子も私が怖い?」と陽子の反応を確認した。

陽子は、「そんな事はないわ。助けてくれて有難う。こういう時は頼りになりそうなので、これからも親友でいてね。」と力強い親友ができて喜んでいた。

菊子はホッとして、今度は転校しなくても済みそうだと安心していた。

その後、菊子は、親友の中でも特に芹沢陽子と仲良くなっていった。


次回投稿要諦日は8月30日です。

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