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第三十五章 菊太郎、アヤメの正体に気付く

丸西組の組員である佐々木の親父が他の組員と歩いていると、ノーパンで走っている我が子に気付いた。

親父は何事かと思い息子を呼び止めて、パンツとズボンを買って息子に履かせて事情を聞いた。

年下の女の子にやられてパンツを脱がされたと知ると、他の組員に大笑いされて、組事務所で言いふらされた。

佐々木兄弟は、家に帰った親父に、「お前ら、それでも男か!年下の女にやられるような、情けない育て方をした覚えはないぞ!その上パンツまで脱がされやがって!この大馬鹿者が。おかげで俺まで組事務所で、“さすが、子供の躾は良く行き届いていますね。”と嫌味を言われたではないか!落とし前着けるまで、お前ら小遣いなしだ!」と、殴られた上、どやされた。

佐々木兄弟は、「畜生!菊子のおかげで親父に何発も殴られたじゃないか!まだ顔が痛いぜ。覚えていろよ、このままでは済ませないぞ!」と腹立たしく感じていた。

佐々木兄弟は不良仲間を集めて、数人で菊子を襲おうとして不良仲間に連絡して準備していた。

佐々木の兄は、翌日学校で菊子の教室に来て、「おい菊子、明日から夏休みだ。明日朝九時に学校裏の空き地に来い!」と呼び出した。

菊子に、「夏休みは旅行で初日からいないから、また帰って来たら遊んであげるわね。」と断られた。

こんな断られ方をしたので益々頭に来て、佐々木の兄と菊子が押し問答していると授業開始のベルが鳴り、やがて教室に先生が来た。

佐々木の兄は、「くそっ!」と怒りながら机を叩いて、止むを得ず自分の教室に戻った。

佐々木の兄は帰宅後、「何が“遊んであげる”だ!旅行前にケリを着けるぞ!」と不良仲間に予定変更して旅行に出かける前の朝一番に菊子のマンションに押し掛ける事を連絡した。

菊子達テレジア星人は、UFOに透明シールドを張り、窓から直接乗り込もうとしたが、菊太郎の目がある為に、地球人のように、マンションのエレベーターで下りる事にした。

佐々木兄弟が不良仲間と菊子のマンションに押し掛けると、丁度菊子はテレジア星人と一緒に、テレジア星に向かう為に、マンションのエレベーターで下りて来た所でした。

佐々木の兄は、「菊子、今から俺達と付き合え。お前に用がある。」と菊子の腕を掴んだ。

最初フジコから優しく笑顔で、「私達は、これから旅行に行きます。話は帰って来てからゆっくりと聞きますから、菊子ちゃんの腕を離してね。」と説得された。

佐々木の兄は、“このまま行かせると、また親父に殴られるじゃないか。”と思い、「駄目だ!菊子、俺達と一緒に来い!」と菊子の腕を引っ張った。

菊子は佐々木の兄が強引なので、その腕を捩じ上げて、「何?また遊んで欲しいの?それとも、先日の黄色い染みの付いた汚いパンツを返してほしいの?だったら諦めて。もう捨てたから。」と突き飛ばした。

フジコが「先日、菊子ちゃんが捨てていたパンツはこの子のなの?女の子の前でパンツを脱ぐような変態と付き合わないでね。」と指示した。

佐々木の兄は不良仲間から、「お前、こんな小さな女の子にパンツ脱がされたのか?それとも態とか?お前にそんな変態趣味があっただなんて初めて知ったよ。今日も女の子の前でパンツ脱いで見せてやれよ。」と笑われた。

佐々木の兄は頭にきて、「何!このガキ!恥掻かせやがって、ぶっ殺してやる!」とナイフを取り出した。

不良仲間は、“佐々木をからかい過ぎた。佐々木が刃物でこの女子児童を刺せば警察ざたになり俺達もただでは済まない。“と後悔していた。

不良の扱いに慣れているアヤメは、“興奮しているこの子達の様子からして、何を言っても無駄ね。話合いでは無理だわ。刃物で子供が怪我する可能性があるので、電撃で気絶させて頭を冷やすしかないわね。後は博士が何とかするだろう。”と考えて、「旅行から帰って来てからと言っているだろうが!」と電撃で全員気絶させた。

フジコは、「女神ちゃん!子供に何するのよ。」と子供相手に電撃を使ったので驚いていた。

フジコはマンション一階出入り口付近にあるソファーに子供達を寝かせていると、アヤメは子供達が早く発見されるように、「そのまま転がしておけば良いじゃないか!」とフジコをとめた。

フジコは、「あのね女神ちゃん、そのままにしておくと風邪を引くでしょう。それにマンションの住人が気付いて大騒ぎになり、警察に通報したらどうするのよ!ここなら風邪も引かないと思いますし、マンションの住人が気付いても、ソファーで寝ていると思うでしょう。この子達の様子からして、しばらくすれば気付いて元に戻ると思いますので、これで大丈夫でしょう。菊子ちゃん、お母さんの、こんな所は見習ったら駄目ですよ。」と子供達の対応した上で出掛けた。

アヤメは、“冬じゃあるまいし、夏に通路で寝ても風邪は引かないだろう。それにソファーだと、長時間子供を放置する事になる可能性があり、子供と連絡が取れないと騒ぎ出す親もいるのだろうにな・・・”と思ったが、フジコが、“しばらくすれば気付く”と言った為に、ソファーに寝かせた状態にしておいた。

アヤメは最初ワープエンジンの事故で地球まで飛ばされた時には、地球人に対してどの程度の電撃が適当なのか解りませんでしたが、今はどの程度の電撃なら死なずに気絶させる事ができるのかは把握できていた為に、気絶だけさせた。

佐々木達が気付いた時には菊子達の姿はどこにもなく、一瞬閃光が走った記憶があるだけで、どのようにして気絶させられたのかも全然見当がつかず、急に怖くなり、「な、な、何だ!あの菊子って子の家族は?ば、化け物だ!今度はパンツだけではなく、臍を取られるぞ!」と怯えていた。

佐々木の兄の不良仲間が、「あの家族はカミナリ様か!」等と、口々に叫びながら逃げた。

家に逃げ帰った佐々木兄弟は親父から、「お前ら、またやられたのか!情けないな!やられたという事は、またパンツ脱がされたのか!」と怒った。

佐々木兄弟は、「今度はパンツを脱がされなかったが、母親に、あっという間にやられて気絶させられた。」と怯えている様子でした。

親父は、「今度はパンツを脱がされなかったのか。しかし母親にやられたのか?夏休みは旅行に出掛けたのだな。帰って来たら俺に知らせろ。相手も親が出て来たのだから、今度は俺が落とし前を着けてやる。もうこれ以上、組事務所に女性が来れば、“親父は女性にパンツ脱いで見せないのか?“などと馬鹿にされるのは御免だからな。」と二人共数発殴られた。

この旅行についてアヤメは菊太郎に、「友達の一家が旅行に出掛けます。丁度菊子が夏休みの時なので、菊子の見聞を広める為に一緒に連れて行って貰う事にしました。あなたは仕事があるので残念ですけれども、その間、一人で大丈夫ですよね?」と説明した。

連絡用の長距離用通信機を、「通話先を固定した特殊な携帯電話で、番号やメルアドを指定しなくても直通です。」と説明して準備万端整えて出掛けた。

菊太郎は、「それって、子供用の携帯電話じゃないのか?」と不機嫌そうでした。

アヤメ達が出掛けた直後に、菊子が旅行に持って行くと言っていた玩具を忘れている事に気付いた菊太郎は、それを持って、“今なら走れば間に合う。”と後を追った。

アヤメ達は、佐々木達の相手をしていた為に出発が遅れて、その結果、菊太郎はアヤメ達がUFOに乗って飛び去って行く様子を目撃した。

菊太郎は最初訳が解らず、宇宙人に誘拐されたと勘違いして、警察にも信用されないと判断して通報もできず、どうして良いのか解らずに困っていた。

しばらく考えて、アヤメが置いて行った直通の通信機で連絡した。

拉致した宇宙人が電話に出ると思っているとアヤメが出たので、菊太郎は予想外の出来事に言葉を失った。

アヤメは菊太郎が何も喋らなかった為に、「菊太郎さん、どうしたの?」と呼びかけた。

菊太郎はアヤメの呼び掛けで我に戻り、恐る恐る、「アヤメ、無事か?大丈夫か?」とアヤメの事を心配していた。

アヤメは、「菊太郎さんどうしたの?声が震えているわよ。何かあったの?」と菊太郎の様子が可笑しいので心配していた。

菊太郎は、「アヤメは大丈夫か?皆無事か?何もないという事は、旅行は予定通りなのか?」とアヤメに何が起こっているのか理解できませんでした。

アヤメは、「どうしたのよ、何もないわよ。予定通り順調よ。」と菊太郎が何を心配しているのか理解できなかった。

菊太郎は、「UFOに乗って、宇宙に飛び出すのも予定なのか?悪いが見てしまった!」と予定通りなら、UFOに乗って飛び去って行ったのは何だったのか、アヤメを追求した。

アヤメは、「あ~あ、ばれちゃったわね。確かに私は宇宙人です。詳しい事は、地球に帰ってから説明します。今迄黙っていて御免ね。今後あなたの気の済むようにすれば良いですから・・・」といずればれる事なので、仕方ないかと諦めた。

菊太郎は、「アヤメ、お前は宇宙から来た侵略者で、地球を攻める為に仲間を集めに行ったのだな!どうも可笑しいと思ったよ、こんな顔の俺が、お前みたいな美人と結婚できるなんて。」とアヤメに騙されていたと思いこんでしまった。

アヤメは、「菊太郎さん、SF映画の見過ぎですよ。そんな事はないので心配しないでね。」と宥めた。

菊太郎は、「そんな言葉に騙されないぞ!今迄だって、宇宙人だという事を隠して俺を騙していたじゃないか!俺の気の済むようにしろと言ったよな!さようなら、もう二度と戻って来るな!」と怒って通信を切った。

その通信を聞いていたフジコ達が、「女神ちゃんも色々とやってくれるわね。」と呆れていた。

ヴィーナスが、「警察に通報されると厄介な事になるので、取り敢えず私が地球へ戻ります。」とヴィーナスだけが地球へ引き返す事になった。

ヴィツール号で太陽系の近くまで戻り、ヴィーナスは、「アヤメはいつ迄も手が掛かるのね。フジコさん、御免なさいね。アヤメと菊子の事をお願いします。」と言い残して、戦闘艦で地球へ戻った。

戦闘艦で火星に着陸して小型UFOで菊太郎のマンションに戻ると、菊太郎はどこにもいなかった為に、透視力を駆使して、透明シールドを張って小型UFOで上空から捜していた。

その頃、菊太郎は菊子が自分の子供ではなく、宇宙人の子供だと思いましたが、小学生の菊子は可愛く情が移っていた為に、どうすれば良いのか解らずに、ぼんやりと海を見ながら悩んでいた。

しばらく考えていると、今迄も顔の事で色々とあり、暴走族や不良などに、「化け物だ、退治しろ!」とサバイバル銃の標的にされた事もあり、今後益々酷くなり、“宇宙人のスパイだ、逃がすな!足を狙え!”とサバイバル銃で拉致されて、“宇宙人なのか調べる。素っ裸にさせろ。血は赤いのか調べる”と体中針で刺されたりカッターで切られたりして拷問されたりしないかと考えると、急に将来の事が不安になり、生きていくのが嫌になり発作的に断崖絶壁から飛び降り自殺した。

ヴィーナスが自殺しようとしている菊太郎に気付き、断崖絶壁から飛び降りた菊太郎を、“何で死ぬのよ!”と牽引光線でUFOにピックアップした。

菊太郎は飛び降りた後、途中まで落ちて空中で止まり、ゆっくりと上昇していった為に、 “えっ?”と何が起こっているのか解りませんでした。

上から何かで引っ張られているようでしたので、上を見ると、UFOに吸い込まれている事に気付いた。

ヴィーナスは菊太郎を救出後、UFOは目立つ為に、大気圏を離脱したと同時に菊太郎の体が宙に浮いた。

取り敢えず、UFOを火星に着陸させていた戦闘艦に着艦させて話をしようとした。

菊太郎は、「秘密を知っている俺を宇宙へ連れ出し、人知れず殺すつもりか!」と取り乱していた。

ヴィーナスは、「菊太郎さんを人知れず殺すつもりだったら、態々助けないわよ。そのまま自殺させるわよ。」と支離滅裂だと呆れていた。

菊太郎は、「そう言えば、アヤメが生の野菜や果物を食べているのを見た事がない。先日、隠れて生肉を食べているのを見た。アヤメは犬の口に腕を入れて声を出せないようにして、生きている犬を食べていた。その時は恐くて声も掛けられなかったが、お前達は肉食か!地球を侵略して、人間を食料にするつもりか!俺を助けたのも食料にするつもりか!俺と結婚して地球に潜入して、その機会を窺っていたのだな!」と暴れた。

ヴィーナスは、アヤメが生きている犬を食べている様子を見られていた為に、肉食につては否定せずに、「菊太郎さん、落ち着いて下さい。確かに私達テレジア星人は肉食です。しかし地球人を食料にするとは考えていません。」と根気よく説得したが、菊太郎は取り乱して話になりませんでした。


次回投稿予定日は8月14日です。

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