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第五十七章 敵の反撃

モミジに助けられた陽子は直ぐに元気になったので、ひき逃げは信じて貰えないと判断して、警察には届けずに菊子はタイムマシンを使い独自に調査していた。

その結果、陽子に絡んでいたスケバン達だと気付いた。

スケバン達だけでこんな事ができるとは思えずに、バックで何者かが糸を引いている可能性があると思った菊子は、しばらく様子をみていた。

その後バックにやくざがいる事を菊子は掴んだ。

やくざは以前、スケバン達の体が目的で菊子を襲ったが、敵わなかった為に、菊子が恐竜に変身して対抗してくる事を恐れてスケバン達の体だけ要求した。

やくざに絡まれて困ったスケバン達は、「どうするのよ。このままだと拉致されて、海外に売り飛ばされるわよ。」と相談していた。

相談した結果、やくざに、「今度は菊子ではなく、私達が陽子を襲うので、死んだ事を確認できれば、私達の体を自由にさせてあげる。」と菊子の事は諦めて、陽子を襲う条件を出したのでした。

やくざとスケバン達が、「何故、陽子は元気にしているのか?」と話をしている所へ菊子が現れた。

菊子は、「確かに陽子は死んだわ。でも私達が生き返らせました。」と睨んだ。

スケバン達は驚いて、「そんな事ができるのか!」と自分の耳を疑った。

菊子は、「これが私達の力よ!陽子に手出しすると只では済ませないと言った筈だよね!」とやくざ達に迫った。

やくざは菊子の体が徐々に大きくなってきて、目も赤く変化して、牙も生えてきた為に、「待て!彼女を襲ったのは、この女達で俺達じゃない!怪物になるな!」と慌てた。

しかし菊子は頭に血が昇っていて、「同罪よ!怪物にならなければ良いのか!」と怒りながら、構わず母譲りの電撃を力一杯出して、全員感電死させた。

テレビニュースで、スケバンやヤクザ数人が、丸でカミナリの直撃を受けたかのように死んでいました。近くにはカミナリが落ちた形跡もなく、高電圧も通ってない為に、原因不明の怪現象として報道された。

モミジから連絡があり、「菊子ちゃん、気持ちは良く解るけれども、やり過ぎよ。彼らにも親がいて、愛する恋人や可愛い子供がいたかもしれない事を忘れないでね。済んでしまった事は仕方ないけれども、今後は相手の事も考えるのよ。」と説教された。

菊子は、「御免なさい。最初から殺すつもりじゃなかったんだけれども、話を聞いていると、頭に血が昇って来て、思わず電撃を力一杯出しちゃったのよ。」と謝った。

菊子はいつものように会社に出勤して仕事をしていると、アヤメから菊子の通信機に連絡があった。

菊子は、トイレに行くと他の女子社員が化粧中だった為に、手を洗い厨房に行き通信機で母と話をした。

菊子は、「何故今日に限って、意思波でなく通信機なのよ。同僚に気付かれたらどうするのよ。」と怒りながらアヤメの話を聞いた。

アヤメは、「たまには通信機も使っておかないと、意思波が使えない緊急時に故障で使えなかったら困るでしょう。実は数年前に地球を攻めようとしていた宇宙人は、X星に住んでいるX星人だったんだけれども、秘密調査官からの報告では、最近不穏な動きがあり、連盟を組んでいる星とX連合なる組織を作り、現在地球にリベンジすべく準備していました。その先遣隊が、そろそろ地球に到着するか、もう到着している頃です。先日菊子達を襲ったUFOは、その偵察隊の可能性があるらしいです。今度は連合が総力を挙げているので、菊子の戦闘艦だけではどうにもならないどころかヴィツール号一隻でも危ないので、宇宙戦艦数隻を銀河系に待機させています。私達が応援するので大丈夫よ。安心して。私も今からヴィツール号で出撃します。メモは置いていますが、お父さんが帰って来たら、菊子からも伝えておいてね。心配しなくても念の為に、私のスケバングループの艦隊を、いつでも発進できるように準備しておくようにと指示しておいたので大丈夫よ。安心してね。」と伝えた。

菊子は、「X星って以前テレジア星で聞いた事があります。物凄く野蛮な宇宙人なのでしょう?心配だな。先日母ちゃんが言ったように、私に実戦は無理なのかしら。」と弱音を吐いた。

アヤメが、「何が心配よ!最初は誰でも無理よ。経験を積んで、一人で実戦も可能になっていくのでしょう!あなた戦闘艦の艦長でしょう!もっと確りしなさい!」と菊子を励ました。

その時、菊子の同僚が近くを通り、「何?戦闘艦の艦長って?」と聞いた。

菊子は慌てて通信を切り、「何でもない。ラジオよ。」と誤魔化した。

仕事に戻った菊子に同僚が、「今度私達の課内で親睦旅行に行く事になりました。菊子の都合はどう?」と聞いた。

菊子が多忙を理由に断ると、その同僚は、「ハイハイ戦闘艦の艦長は多忙ですよね~。」と嫌味を言われたり、「付き合い悪いな。」と文句を言われたりした。

同僚達は、「携帯はアンテナが立たないと繋がりませんが、戦闘艦では、受信可能ですか?」とからかっていた。

菊子は信じて貰えないと思いつつも、X連合が地球まで来ているので今後の事を考慮して、「ええ、アンテナが立っていなくても戦闘艦からは受信可能です。何かあったら連絡頂戴ね。」と敵に襲われた緊急時にこの事を思い出してくれる事を期待して返答した。

同僚達は、「おい、本当に戦闘艦の艦長になったつもりだぞ。」と笑っていた。

会社から帰宅した菊子は菊太郎にアヤメのメモを見せながら、“下手な日本語やな。それに字も下手糞で誤字脱字もあり読めないわ。母ちゃんは私と違って、日本の学校に通ってないから無理ないか。”と思いながら説明した。

その後菊子は、「私もこれから出掛けます。」と実戦に参加する事を父に伝えた。

菊太郎は、「今度の宇宙人の敵はそんなに手強いのか?」と心配そうに確認した。

菊子は、「母ちゃんの説明によるとそうですが、私は敵の全容を掴んでないので解らないわ。」と返答して出掛けた。

一人残された菊太郎は、子供の頃にアヤメと遊んだ玩具を出してきて、「お姉ちゃん!死なないで。無事に帰ってきて!」と、その玩具を抱きしめて、子供の頃を思い出して泣いていた。

会社では、菊子以外のメンバーで親睦旅行に出掛け、船で離れ小島に行った。丁度その時に、X連合の先遣隊のUFOが出現して、乗って来た船を破壊された。

全員咄嗟に隠れたので無事でしたが、無人島に孤立した。

携帯も繋がらず万事休すの時に、菊子が戦闘艦の艦長だという事を思い出した。

確か菊子は、“アンテナが立たなくても、その距離だと戦闘艦から携帯の電波は確認可能です。”と言っていた事を思い出して、藁をも掴む思いで菊子に連絡すると繋がったので、「まさか!何で繋がるの?冗談ではなかったのか。」と驚いて、現状を説明して助けを求めた。

菊子は、「解りました、数秒で行きます。」と返答した。

同僚達は、「何が数秒だ!警察に連絡させろ!」と怒っていた。

携帯の電波をキャッチした、X連合の先遣隊のUFOが、再び出現した。

“ヤバイ”と皆が思った瞬間、そのUFOに一筋の光が当たり、爆発した。

女子社員達は悲鳴を上げて手で耳を塞ぎ、その場にしゃがみ込み男子社員達は、「おっ!カッコイイ、光線砲や!宇宙戦争や!」とその様子を見ていた。

その直後、菊子の戦闘艦が出現したが、同僚達は先程の敵UFOの仲間か、その敵を撃墜したUFOか解らない為に、慌てて逃げようとした。

その時、全員の体が宙に浮き、菊子の戦闘艦に吸い込まれた。

菊子は戦闘艦のコックピットにいた為に、転送室にはテレジア星の肉食ペットしかいませんでした。

そのペットは、「私達は自動翻訳機を携帯している為に会話可能です。あなた方は地球人ですね?何故同じ地球人同士でも、体の形が異なるのですか?数人は胸が膨らんでいますね。」と女子社員を捕まえて、腕を刃物に変化させて、女子社員の胸を切り開こうとしていた。

そこへ別のペットが来て、「そんな事をしたら艦長に殺されるぞ!この艦の艦長は地球人だって事を知らないのか?おまえ、宇宙戦艦ハリアット号のモミジ艦長に殺されそうになった時に助けて貰っただろう!普通宇宙戦艦の艦長といったら雲の上の人物だから、宇宙戦艦の艦長と真面に話ができるほど、この戦闘艦の艦長は権威がある。嫌われない方が長生きできるぞ!そうだ先程そこに居られたので挨拶に行こう。」とペット達はどこかへ行った。

菊子の同僚達は、艦長が権威のある地球人だと聞いて希望を持ち、なんとかコンタクトできないかと考えていた。

そこへ菊子が現れて、「皆、大丈夫?」と聞いた。

同僚達は、何故菊子がここにいるのか解らず、自分達と同じように、このUFOに吸い込まれたのだと思った。

菊子は、「いつまでそんな所に入っているのよ!こっちへおいでよ。」と皆を転送機から引っ張り出した。

課長は責任がある為に、「おい待て!勝手に出ると不味いのではないか?」と心配そうに聞いた。

菊子は、「何を心配しているの?大丈夫よ。」と先程ペットに捕まって腰が抜けた女子社員を助けていると、先程のペットが戻って来た。

「おい、こら!手前等!勝手に何してやがる!ぶっ殺してやる!」と腕を刃物にして、近付いて来た。

課長は菊子に、「それ見ろ!どうするんや!艦長が権威のある地球人だと聞いて期待していたのに!」と怒った。

菊子は、「何!なんか文句ある?」と何で課長が怒っているのか理解できませんでした。

課長は、「文句?あのなあ、」と何か言おうとしていると、そのペットが急に直立不動になりました。

「失礼しました!艦長!何も文句ありません。所で、いつ迄ここに留まるのですか?」と聞いた。

菊子は、「直ぐに発進します。直ちに配置に着きなさい。」と指示した。

そのペットは、「了解しました!艦長!」と立ち去った。

菊子の同僚達は驚いて、「えっ!?菊子が艦長?」と聞いた。

菊子は、「だから、私は戦闘艦の艦長だって言ったでしょう!このUFOが、その戦闘艦よ。皆!こっちへ来て。」と皆をコックピットへ連れて行った。

「兎に角ここは目立つので、ここから離れるわよ!捕まって!」と伝えて土星の衛星タイタンに行った。

同僚達は、「ここどこ?重力が小さいので月?にしては地球が見えないわね。」と聞いた。

菊子は、「ここはタイタンです。」と返答した。

同僚達は、「タイタン?そんな惑星は太陽系になかったわよね?太陽系の外へ飛び出したの?」と驚いていた。

菊子は、「違うわよ。ここは土星の衛星タイタンよ。」と戦闘艦の方向を変えて、「ほら、土星が見えるでしょう?」と土星を指差した。

同僚達は、「あっ、本当だ。初めて土星を見たよ。土星の環って神秘的だな。」と驚いていた。

菊子は、「土星の環は、この争いが落着いたらゆっくりと見せてあげるわ。御免!皆驚いた?実は、数年前、テレジア星人と地球人とのハーフの女子高生が、UFOで地球に攻めて来た宇宙人を追い払ったというニュースを聞いた事があると思うけれども、あれは私です。あの時の宇宙人が他の惑星と連合を組んで今、地球に向かって来ているのよ。今度は私の戦闘艦一隻ではどうにもならず、宇宙戦艦でも数隻いないと太刀打ちできないのよ。今銀河系に、テレジア星から応援に来た宇宙戦艦が四隻待機しています。そのうち、一隻だけは地球に近付けないので、一番遠くで宇宙戦艦四隻の指揮を取っています。一番頼りになるのでね。その他、テレジア星でも艦隊の出撃準備をしていて、必要であれば宇宙戦艦の艦隊も応援に来る事になっています。」と説明して安心させた。


次回投稿予定日は11月6日です。

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