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第三十三章 アヤメ、菊太郎に会う

アヤメが菊太郎を捜していると、鶴岡警視総監に声を掛けられた。

アヤメは事故でしばらく地球に滞在していた頃の関係者から声を掛けられるとは思ってなかった為に、驚いて当時の事を思い出し、懐かしくてしばらく当時の思い出話などしていた。

鶴岡警視総監は、アヤメが地球に来た目的を確認して、菊太郎のリベンジで、やくざや暴走族を襲った事を知った。

一刻もはやく菊太郎を捜し出して守らないと、また被害者が出る可能性があり、アヤメの力には世界中の軍隊も敵わない為に、部下に指示して菊太郎捜しに協力した。

アヤメは、鶴岡警視総監の協力で、菊太郎をやっと見付けましたが、顔の怪我が原因で結婚もできずにいた。

アヤメは自分が油断した為に責任を感じ、一緒に遊んで大好きだった菊太郎が可哀想で、呪縛ではなかった為にサクラと約束した事も忘れて、“励ますだけなら良いでしょう。”と菊太郎の力になろうとした。

鶴岡警視総監は、猪熊刑事の孫の変わり果てた姿に驚いたが、アヤメがマンツーマンでサポートすると聞き、今後怪事件が発生する事もないだろうと安心してアヤメに任せてその場を去った。

アヤメはワンルームマンションに住んでいる菊太郎の隣の部屋が空いてなかった為に、隣の独身住人が勤める会社の書類を改竄して転勤させ、引っ越しをしなければならない状況を作り出した。

アヤメは隣の部屋が空室になった事を確認すると、不動産屋に依頼して早速引っ越した。

アヤメは透視力で、菊太郎の様子を確認して、菊太郎が玄関から出ようとしているタイミングで、アヤメも玄関から出た。

アヤメは部屋から出て来た菊太郎に、偶然を装い声掛けした。

「猪熊さん、私は隣に引っ越して来たアヤメです。宜しくお願いします。このマンションの事は未だよく解りませんので、色々と教えて下さいね。」と挨拶した。

菊太郎は母の旧姓に戻っていて、マンションの管理事務所には届けていましたが、表札はまだ変えていませんでした。

顔の怪我が原因で、学生の頃から虐めのターゲットにされ、社会人になってからも人に騙されたり、からかわれたりと色々あった為に、初対面の人には特に注意深くなっていた。

菊太郎は、自分が母の旧姓に戻っている事を、アヤメが何故知っているのか不信に感じて、「私が母の旧姓に戻っている事をよくご存知でしたね。母の知合いですか?」とアヤメの正体を知ろうとした。

人を疑う事を知らないアヤメは、菊太郎が不信に感じている事に気付かずに、「はい、よく知っています。あなたの事は頼まれていたので。」と返答した。

菊太郎は、「そうですか。」とだけ返答して、会話を終了させた。

“アヤメはどう見ても二十歳ぐらいにしか見えず、母から頼まれたのは何年前だ?幼い少女に僕の事を頼むだなんてどう考えても不自然だ。それに頼まれたのであれば、部屋を訪ねて挨拶するだろう。偶然合った時に言うだなんて嘘くさいな。アヤメには気を付けないと何を考えているのか解らないな。”と警戒していた。

マンションの通路をアヤメと歩くのが怖く、「あっ、忘れ物した。」と部屋に戻った。

菊太郎は、母の旧姓に戻った事を知っているアヤメが何者か解らずに怖くなり、子供の頃にアヤメと遊んでいる様子を撮影した宝物のDVDを出してきて、その映像を見ながら、“助けて!お姉ちゃん!また変なのが来た!”と泣いていた。

似ているとは思っていたが、まさかアヤメがその優しいお姉ちゃんだとは年齢の関係上、気付かずに泣いていた。

その後、アヤメは透視力で菊太郎の部屋を確認したり、何かと菊太郎に声を掛けたりして気に掛けていた。

菊太郎は独身で、付き合っている女性もいませんでした。

菊太郎が一生独身を通せば、老後はどうするのか心配して、結婚して子宝に恵まれれば、子供が老後の事を考えるだろうと判断した。

アヤメは若い独身女性を紹介したり、色々と手を尽くしたりしたが、影の大ボスが菊太郎に会う女性に、「あんな化け物みたいな顔の人と付き合うと、あなたまで変な目で見られるわよ。」等と噂を広めていた為に、結局顔の怪我が原因で縁がなかった。

遂に菊太郎はアヤメに、「俺の事は放っといてくれ!どうせ皆、俺の顔の事を笑っているのだろう!態々女性を連れて来て笑いに来る事ないじゃないか!」とその場から逃げるように走った。

アヤメは、「待って!そんな事は絶対にない!菊太郎さんの事が本当に心配なのよ。」と菊太郎を呼び止めながら追い駆けた。

菊太郎は、アヤメがどこまでも追い駆けてくるので、年齢の関係上、持久力ではアヤメに敵わないと判断して立ち止り、「何故そんなに俺の事を心配してくれる!昔から皆嘘ばかりだ。嘘だと解っていても騙されなければ、殴る蹴るの虐めを受けていた。騙されると解っていて騙される人の気持ちが解るのか!そこまで言うのなら証拠を見せろ!もう二度と騙されない。証拠を見せてくれれば考え直す。」と興奮していた。

アヤメは、菊太郎が顔の怪我が原因で学生の頃から酷い虐めに遭い、人を信じられなくなってしまったのだと気付いた。

そんな菊太郎を救う為には、アヤメが直接手を差し伸べるしか方法はないと判断して、菊太郎に、「証拠は、私が菊太郎さんと結婚します!だからお願い、無茶しないで!」と説得した。

菊太郎は、“そんな証拠はある筈がない。“と思っていた為に、アヤメの言葉を聞いて、一瞬言葉に詰まった。

菊太郎は以前、結婚詐欺師に騙された事を思い出して、「そんな言葉に騙されない!」と信号か踏切で、アヤメを振り切ろうとして、再び走り出そうとした。

アヤメは、菊太郎が走り出す前に、腕を掴み、マンションまで引っ張って行った。

途中菊太郎はアヤメを引いたり、押したりと色々したが、丸で自動車に引っ張られているようで、アヤメの力には全く歯が立ちませんでした。

アヤメは空を飛べる為に、約100ton程度の体重を、半分宙に浮かしたような状態で誤魔化していた。

結婚すると口に出した時に、精神的に弱い、テレジア星人のアヤメの心はダムが決壊したように、もうどうにも押さえる事ができなくなった。

マンションの部屋に戻り、菊太郎の部屋にアヤメも強引に入ろうとした。

菊太郎は先日、学生の頃に虐められていた不良が、夕方部屋に押し掛けて来て、菊太郎の服やタオルなどを、トイレや洗面所や炊事場や風呂などに流されて、故意に詰まらせて、暖房器具のコードを引き千切り逃げた。

もう電気店などは営業を終了していて、寒さに耐えられず、布団に包まっていた。トイレは、大便は我慢できても、小便は我慢できずに、空き瓶にしていた事を思い出した。

菊太郎は、「部屋に入って何か壊すのか!それとも強盗でもするのか!」とアヤメを部屋に入れないようにしたが、アヤメの怪力に敵わず、アヤメに部屋に入られた。

アヤメは抵抗する菊太郎をベッドに押し倒し、アヤメリードで、強引にやる事をやった。

アヤメは、「これが証拠よ!」とこれで少しは信じて貰えるかなと思った。

菊太郎はしばらく呆気に取られていたが我に戻り、「子供はどうするのだ?二人で育てるのか?」と今後の事を考えていた。

アヤメは、「取り敢えず、私の故郷で出産して、今後の事は母や友人と相談して来ます。」と説明した。

アヤメは最初の一回で妊娠したが、テレジア星人の妊娠期間は地球人よりも長い為に、しばらくアヤメは菊太郎と同居して、妊娠するまで毎日のように子作りに励んでいるようにして妊娠期間を誤魔化していた。

妊娠後、しばらく菊太郎と過ごした後に、菊太郎に、「出産の為に故郷に帰ります。」と言い残してテレジア星に帰った。

勿論、菊太郎はアヤメが宇宙人である事は、まだ知りませんでした。

やがてアヤメはテレジア星で女の子を出産して、菊太郎の菊を取り、「菊子」と命名した。

菊子は地球人とテレジア星人とのハーフですので、地球人にはできない色々な事が将来できるようになる事を考慮して、菊子は海外に留学させた事にしてテレジア星で育てて、たまに地球に行き菊太郎と会う事にしていた。

しかし、逆に地球人の血も半分流れている為に医者から、「赤ちゃんの組織や細胞を調べると、今は赤ちゃんの部屋は重力制御している為に大丈夫ですが、強大なテレジア星の重力には耐えられず、数分で死にます。重力制御のできるUFOに直接転送で移動させて、地球で育てる事を勧めます。」と忠告された。

アヤメは、「テレジア星の衛星で育てる事はできませんか?」となんとかテレジア星で育てようとしていた。

医者は、「地球の環境に近い衛星は、今迄誰も住んでなかった為に何の設備もなく、もう少し体力がつかないと赤ちゃんの間は無理です。」とアヤメの要望を断った。

アヤメは止むを得ず、菊子を地球へ連れて行く事にした。

しかし、この時、医者に呪縛の血縁関係者との間に子供を作り、出産した事を警察に通報されていた事をアヤメは知りませんでした。

医者から事情を聞いた刑事は捜査会議で、「その子供は地球で育てる必要があり、地球人にテレジア星人の血を引く子供を育てる事は無理ですので、テレジア星人の母親は必要です。」と説明した為に、警察はしばらく様子を見る事にした。

アヤメは生まれた子供を地球で育てる事を考えてなかった為に困り、フジコとサクラに相談した。

フジコとサクラから散々文句を言われて、サクラから、「私との約束はどうしたのよ!このことが警察にばれると只じゃすまないわよ。医者には口止めしたのでしょうね?何故博士のお母さんに相談しなかったのよ!」とアヤメが地球に行った事を黙っていた為に、自分も巻き込まれそうで焦っているサクラから問い詰められた。

アヤメは、「大丈夫よ。医者には守秘義務があるから。博士のお母さんに相談しなかったのは影の大ボスが、“博士のお母さんに相談すれば皆にばれるから誰も知らない医者にしろ。“と言っていたので。」と説明した。

サクラは、「女神ちゃん、今、医者には守秘義務があると言ったじゃないの。何故ばれるの?可笑しくない?それに犯罪行為の場合、話は別よ。警察に通報されているかも知れないわよ。」と問い詰めた。

アヤメは、「警察にばれていれば、今頃は警察が来ているでしょう?来ていないという事は大丈夫だよ。」と呪縛ではなかった為に、呑気に構えていた。

地球人とテレジア星人とのハーフの子供はモミジが出産していて、しばらくテレジア星の重力制御のできる部屋で育てていたが、秘密にしていた為に誰も知らずに、アヤメが始めてだと思って、テレジア星人が何人か同行する事になった。

サクラは、まだ呪縛の血縁関係者が生存している為に同行するメンバーから外れた。

同行するのは、フジコ・ヴィーナスに加え、地球人とテレジア星人とのハーフを出産し育てた経験のある親友のモミジが、アヤメに頼まれて菊子に同行する事になった。

サクラが、「ちょっと待ってよ。私一人残して博士も地球に行くの?誰かさんの調査が信用できないので地球には行かないと言っていた人は誰よ!」と怒っていた。

フジコは、「軍隊を通じて秘密調査官に調査を依頼して、女神ちゃんの調査に間違いない事が判明しました。」と説明した。

アヤメは、“博士が地球に行けるように考えていたという事は、矢張り影の大ボスは博士なのかしら?”と感じていた。

フジコはモミジが秘密調査官である事を知らず、モミジはアヤメから話を聞き、調査せずにアヤメを信用して軍に報告していたとは夢にも思っていませんでした。

最初にアヤメが菊子を連れて菊太郎の元へ戻り、菊子を一緒に育てる事を提案した。

菊太郎も顔の怪我が原因で父親にはなれないと諦めていた為に、“待望の父親になれる!”と大喜びで引き受けた。まさか自分の娘が宇宙人の血を引いているとも知らずに・・・。

菊太郎は子供ができればワンルームマンションでは手狭なので、3LDKのマンションを捜して引っ越した。

菊太郎はアヤメが宇宙人である事をまだ知らなかった為に、フジコ・モミジ・ヴィーナスの三人は、同じマンションに親子として部屋を借りて、アヤメは菊太郎に、「友達がこのマンションに引っ越して来ました。」と説明して、三人のテレジア星人を、地球人の友人として紹介した。

アヤメは母の部屋で菊子に、テレジア星人にしかできない事、例えば体の形状を変える等の訓練を菊子に、「この事は、お父さんやこの部屋以外の人には内緒にしていてね。」と釘を刺して訓練していた。

その他、将来菊子がテレジア星に来ても困らないように最低限度の教育をしようと思い、フジコに頼んで教育もしていた。この教育内容も同様に内緒にするように釘を刺した。

そんな中、菊太郎を虐めていた不良達が、「おい、化け物の菊太郎が凄い美人と暮しているぜ。菊太郎には勿体ないので、襲って菊太郎の目の前でレイプしようぜ。」とアヤメ達を見張っていた。

アヤメは透視力で気付いて、モミジに意思波で知らせると、タイムマシンで調べてアヤメに、「あいつらは、菊太郎が学生の頃に虐めていた不良よ。」と知らせた。

それを聞いたアヤメは、「モミジ、菊太郎ちゃんは、未だにその不良達に虐められているらしいのよ。撃退して!」と依頼した。

モミジがやくざに変身して、菊太郎に気を取られている不良達とぶつかり因縁を付けて撃退した。

その後、不良達がアヤメの近くに現れても、モミジに連絡して、モミジがやくざに変身して、「あれで済んだと思うなよ。」と不良達に付き纏っていた。

不良達は菊太郎のマンション近くで、モミジ扮するやくざに絡まれていた為に、やくざはマンション付近を縄張りにしていると判断して、それ以外で襲う事を考えていた。

アヤメと菊太郎が休日に家族三人で散歩している事を不良達は知っていて、その散歩コースで待ち伏せしていた。

モミジに知らせたが間に合わず、止むを得ずアヤメが不良達を撃退した。

不良達はアヤメをレイプしようとしたが、骨折させられてアヤメの強さに驚き、敵わないと判断して逃げた。

不良達はアヤメから逃げると、やくざ姿のモミジが現れて、「俺の妹を襲うとはいい度胸してるじゃないか。」と凄んだ。

不良達は何故アヤメの近くでやくざがうろうろしているのか理解して、アヤメを襲う事は諦めた。

次回投稿予定日は8月6日です

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