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第四十九章 丸西組の復讐

菊子と先輩がアヤメの待っている自宅へと向かっていると、先日、小学校の同級生の良子を守る為に撃退した丸西組の組員に尾行されている事を透視力で確認した。

菊子は意思波でアヤメに先日の出来事を説明して、「このまま帰宅すると、お父さんが家に一人でいる時に襲われるかもしれないわ。追い払ってから帰宅します。」と連絡した。

喧嘩が三度の飯より好きなアヤメは、「待って!菊子、私が刑務所に入っていた時に聞いたあの事か?そんな事をしても、また奴らは付いて来るわよ。自宅を確認しようとしているのは、恐らく良子さんには、モミジが付いていて、菊子にも敵わなかった為に、今度は菊子の家族をターゲットにしようとしているのではないの?」と助言した。

菊子は、「えっ?母ちゃん!良子を守っているのは私が小学生の時に親友と旅行した時に引率してくれたマーガレットさんじゃなかったの?良子の近くでマーガレットが猫に変身して隠れていたわよ。母ちゃんの勘違いじゃないの?」と確認した。

アヤメは、「あら、菊子には伝えてなかったかしら。良子さんが母親に会いに行った時に、マーガレットが母親の近くでやくざを確認して、その後良子さんの母親を守っていて、良子さんはモミジが守っているって。」と返答した。

菊子は、「聞いてないわよ。何で、よりによってモミジさんなのよ。あんなのに守らせて大丈夫なの?良子を置いてフラフラと宇宙へ出て行かない?最初から知っていれば、断って私がヴィーナス小母様に頼んだわよ。」と怒った。

アヤメは、「母親の近くにやくざがいたので離れられなくなり、良子さんは五分ほどだったけれども、護衛なしの状態になったのよ。すぐに来られるのはモミジしかいなかったのよ。心配しなくても、モミジは私の親友だから大丈夫よ。」と返答した。

菊子は、「それが心配の種よ。」と言い返した。

アヤメは、「それはどういう意味だ!まあ良いか。話が横道に逸れたけれども、私が途中で菊子と会って、菊子が私の事を奴らに聞こえるように、“お母さん”と呼べば、今度は私をどうにかしようとするのじゃないの?家族にも敵わないと思わせると、家族は狙わないと思うから、自宅とは別の方向へ歩いて行って。そこ迄行くから。」と指示した。

アヤメは菊太郎に、「出掛けて来ます。意思波で菊子とは連絡取ったので、菊子が帰って来たらゆっくりと事情は聞いてね。」と喜びながら出掛けた。

菊太郎はアヤメの様子から、何か楽しい事でもあるのかな?と感じて、まさかやくざと決闘に行くとは夢にも思いませんでした。

菊子は先輩に事情を説明して、先に菊子の自宅に向かわせた。作戦通り、途中で母と会い、菊子が“お母さん”と呼びとめて、しばらく一緒に歩いて別れた。

菊子は念の為に、角を曲がった所で持っていた荷物を、透明シールドを張って近くで待機させていた小型UFOに吸いこませた上で猫に変身して姿を晦ませた。

丸西組の組員は、人目がある為に拉致せずに、サングラスを外して身だしなみを整え、「私は先日、あなたの娘さんに大変お世話になりました。つきましては、お母さんにお礼がしたいので、一緒に来て頂けませんか?」とアヤメに紳士的に声を掛けた。

アヤメは、“ほら来た。”と思いながら、どんなお礼なのか楽しみに一緒について行った。

組事務所に連れ込まれたアヤメは組員に押さえつけられて、ナイフを頬に当てられ、「お前をなぶり殺しにして死の恐怖を味会わせてやる。肺を刺せば大量に血を吐くから胸を刺してやる。怨むんなら、血を吐きながら娘さんを怨むんだな。」と脅された。

アヤメはひと暴れしようと思ったが、地球人相手では物足りなく、丁度テレビで四谷怪談を放送していたので、それで閃いて、「いいえ、あなた方を怨みます。そして化けて出てやる!」とやくざを睨んだ。

ナイフを持っている組員は、「俺、一度も幽霊に会った事がないので、是非一度会いたいですね。」とナイフでアヤメの胸を刺そうとしていた。

アヤメは、“出血しないのでばれるかな?ばれたらひと暴れするか。”と困っていた。

組長が、「刃物を使えば出血して死体を運ぶ時にヤバイぞ!ロープで首を締めろ!」と指示した。

アヤメはロープで、死の恐怖を味合わす為に首を少しずつ締められていき、やがてアヤメは死んだ振りをした。

組員はアヤメを車のトランクに入れて山奥へ運んだ。

途中、退屈でしたのでアヤメは意思波で菊子と連絡を取り、現状と今後の作戦を説明して、「しばらく幽霊遊びができる。」と喜んでいた。

その時、菊子は、「私の家族を狙うという事は、良子の家族も狙われるんじゃないの?大丈夫?」とアヤメに確認した。

アヤメは、「大丈夫よ。先程も説明したように、良子さんの母親には、マーガレットがついているから。そんなに心配だったら、今日は皆で話をするので良子さんも呼んだら?良子さんを呼べばモミジも来るわよ。良子さんに母親とモミジの事を聞いたら?」と提案した。

一方山奥では組員達がアヤメを埋める穴を掘っている間に、アヤメは気付かれないように車のガソリンを全て抜き取った。

アヤメを埋めた組員達が帰ろうとして車のエンジンをかけようとしたが、かかりませんでした。

色々と調べると、ガソリンが空である事に気付いて、ガソリンが漏れていないか色々と確認したが、アヤメはガソリンタンクには小さな穴しか空けておらず、ガソリンは地中深く放出したので気付きませんでした。

車のガソリンは満タンである事を確認していた為に、何故空になっているのか不明でしたが、取り敢えず下り坂の所まで押して行けば、後はしばらくの間は下り坂なので、何とかなると判断して車を全員で押したが、アヤメが車の下から押さえていた為にビクともしませんでした。

組員は、ブレーキやギアやタイヤの周囲等を確認したが、問題がなかった為に原因不明でした。

組員達は、「こんな山奥では携帯のアンテナも立たない。応援を呼べないし、こんな場所から歩いて帰るのは大変だぞ。」などと相談しながら途方に暮れていた。

アヤメは体を液状にして車に乗り込みアヤメの姿に戻って、顔面蒼白の死人の顔を窓から出して、「私をどこへ連れて行くの?」と死にそうな声で聞いた。

組員達は腰を抜かして、「お化け!」と銃を発砲したがアヤメは平気で、「怨めしや~」と車から降りた。

一度幽霊に会ってみたいと言っていた組員に、「あなた、幽霊の私に会いたいと希望していましたよね。これから楽しいデートをしましょうか。」とその組員を捕まえた。

その組員は、「死ね!」とナイフでアヤメを何度も刺したが平気で、「私はもう既に死んでいるわよ。足がないでしょう?初デートはどこに行きましょうか?」とデートに誘った。

その組員は、「助けて!」と他の組員に助けを求めたが、他の組員達は、「出た~」と慌てて走って逃げた。

アヤメはその組員を捕まえて、そのまま飛び上がり、「初デートは天国にしましょうか?それともあなたなら地獄が良いですか?」と透明シールドを張った宇宙戦艦ヴィツール号のバーチャルリアリティ室に、地獄の立体映像を映し出し、組員を直接転送して、そのままそこへ閉じ込めた。

アヤメは自宅に帰り、テレジア星人の事を知っている菊子・陽子・幸枝・松田先生・アヤメ・菊太郎、バレーボール部の先輩で色々と話をした。

その後、連絡を受けた良子が真理子とモミジと来て、アヤメが今日の幽霊遊びについて説明して、恐らくもう良子の所へは、やくざは来ないと思いますと安心させた。

良子が、「有難う、菊子、モミジさんのような優しいテレジア星人を紹介してくれて感謝します。」とお礼した。

菊子は、「そんな事はない。モミジは、本当は・・・」と反論していると菊太郎が、「そうでしょう。モミジさんは素晴らしい人でしょう。私もモミジさんに助けられました。モミジさんがいなければ、私は今頃死んでいました。私は、ほんの少ししかモミジさんと一緒にいられませんでしたが、良子さんはずっと一緒なのですね。羨ましい限りです。」と羨ましそうでした。

菊子は、「二人共何を言っているの?モミジはそんな人じゃないわよ。」と主張した。

良子は、「菊子はモミジさんと暮らしてないから解らないのよ。モミジさんは天使のような綺麗な心を持った優しい人よ。」と反論した。

菊子は、モミジの事で揉めていたので、良子の母親の事を聞くのをすっかり忘れていた。

モミジは、「やくざはもう見張ってないようですが、あの住所はやくざに知られているので怖いでしょう?近くではなく、どこか遠くへ引っ越しましょうか。尾行されないように、私のUFOを使いましょう。仕事は私が捜します。引っ越しをした後、念の為に、もう少し良子さんの所にいます。それで大丈夫でしょう。」と提案した。

その後菊子が、先程の謎のUFOとの交戦について話をした。

アヤメが、「私が一度テレジア星に帰って調べてみます。無人探査機の特徴を教えて。」とどこのUFOか知ろうとした。

菊太郎が、「お姉ちゃん、もう二度と僕の傍を離れないと約束したじゃないか。」と悲しそうでした。

アヤメは、無人探査機の立体映像を菊子に見せて貰い、その特徴から、どこの無人探査機か解りましたが、知らない振りして、「地球よりテレジア星の方が、宇宙人の情報も多く、その動向も掴めます。というか、地球にはその情報は皆無だと言っても過言ではないですよね。しばらくの間だけですよ。確か地球には、里帰りという習慣があるのでしょう?これは、その里帰りだと考えて下さい。」と説明した。

その後、皆で募る話をして、戦闘艦では太陽系の外へ出ても遠くには行けない為に、ヴィツール号で銀河系を案内して貰いました。

アヤメは菊子から、母船を発見できなかったと聞いたので、帰りに土星に着陸して、無人探査機の母船を探査すると、火星に着陸していた。

その後火星に寄り道して、母船を発見したアヤメはX星の母船である事を確信した。

X星人も、火星に着陸したUFOは以前交戦した事のあるテレジア星のUFOだった為に、戦力的に勝ち目はないと判断して息をひそめて立ち去るのを待っていた。

今は特に動きもないようなので、X星人は野蛮な宇宙人なので心配させないように、菊子たちには何も説明せずに、最後はそのまま地球に乗り込んだ。

その大きさから、太平洋のど真ん中に着水させて、アヤメ以外は、菊子の戦闘艦で日本に帰った。

日本は、もう夜中でしたので、家族に、“友達の家に泊まる。”と事前に説明していた為に、そのまま戦闘艦に泊った。


次回投稿予定日は10月5日です。

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