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第四十四章 菊子の正体、親友にばれる

ある日、三人で登山しようという事になり、一泊二日の予定で出発した。

携帯はアンテナが立たない為に、逸れた時の事を考慮して予め周波数を合わしていた為に、山の麓に到着した時に三人ともトランシーバーモードにして、通話可能かどうか確認の上、登山を開始した。

テント等の重たい荷物は、「私は体力的には陸上部の陽子より自信があるから大丈夫よ。」と全て菊子が持った。

陽子は、“いざという時には菊子が助けてくれる。”と思うと安心して、陸上部で体力のある陽子は、どんどんと進んで行った。

休憩を取りながら、体力が陽子ほどない幸枝は菊子に助けられながら、やっと頂上まで辿り着いた。

頂上で三人は、お菓子を食べたり写真を撮ったり、“ヤッホー”と山彦を楽しんだり、三人の名前やイラストを描いたA3紙をラップしたものを予め用意していたので、打ち込んだ杭に確りと固定したりして色々と遊んでいると遅くなってしまい、早く帰ろうという事になり、下山の途中で一泊する予定の三人は、泊まる場所を捜しながら下山を始めた。

下山の時も陽子は、菊子がいれば安心してどんどんと進んで行った。

そのような陽子の様子を見て幸枝が、「陽子、帰りは疲れている上に下りで薄暗くなってきだから、ゆっくりと歩かないと危ないわよ。」と忠告した。

結局菊子を真ん中にして、三人で幸枝が山側、陽子が谷側を歩いていた。

三人仲良く歩いていると、突然大きな蜘蛛が陽子と菊子の間に降りて来た。

驚いた陽子が、足元も確認せずに思わず蜘蛛から逃げた拍子に、足を滑らせて崖から落ちた。

菊子が陽子を捕まえ様としたが間に合わず、何とか陽子を捕まえたものの、無理をした菊子も一緒に崖から落ちてしまい、幸枝は大変な事になったと思いながら崖から下を覗いていた。

菊子は落下途中で確りと掴んだ陽子の腕を引っ張り、陽子を抱えて飛び上がろうとした。

飛行能力も、テレジア星人ほど力がない菊子は、一人で飛行するのがやっとできる程度でしたので、とても重たい荷物と陽子を抱えての飛行は不可能でした。

落下速度を小さくしてフワッと着地する事が精一杯でした。

その様子を見て驚いた陽子から、「菊子、あなた一体何者なの?スーパーマン?」と聞かれた。

菊子は、「御免ね。驚かせちゃったわね。実は私、地球人と空を飛べる宇宙人とのハーフなの。」と説明していると、心配した幸枝から二人の携帯に着信があった。

二人とも無事な事を知ると安心するとともに、何故無事なのか聞いた次の瞬間、幸枝の体が宙に浮き、菊子が呼び寄せたUFOに吸い込まれた。

UFOは菊子達の所に着陸した。

幸枝は、UFOの扉が開いてタラップが出たので、どこに着陸したのか恐る恐る開かれたドアから外を見ると、陽子と菊子がUFOに乗り込もうとしていた。

やがて陽子と菊子がドアからUFOに乗りこんで来た為に、幸枝は何がどうなっているのか理解できませんでした。

幸枝が驚いている様子を見て陽子が、「菊子は空を飛べる宇宙人で、菊子に助けられました。」と説明した。

幸枝が、「えっ?宇宙人?菊子、どういう事なの?」と陽子の予想外の言葉に自分の耳を疑い確認した。

菊子は、「今陽子が説明したように、私は半分宇宙人です。しかも母は肉食です。今迄黙っていて御免ね。」と説明してから聞いた。

「陽子、幸枝、私の事、怖い?トラやライオンのような肉食の血が、私の体の中にも流れていて、素手で不良だけでなくライオンも倒せます。私は今迄通り陽子や幸枝の親友でいたいけれども、怖ければ無理にとは言わないわ。でも、これだけは覚えておいてね。陽子や幸枝が私から離れても、私はいつまでも陽子と幸枝の親友で影ながら見守り、困っている時にはいつでも助けに来ます。」と補足説明した。

幸枝が、「今、母親は肉食だと言っていたけれども、菊子の母親が宇宙人で、それで地球にいないの?海外旅行だなんて言いながら一度も会った事ないけれども・・・」と聞いた。

菊子は、「御免ね。母が宇宙人だと言えば、二人共私から離れていくような気がして怖かったのよ。母は昔、地球に住んでいました。母の星では、他の宇宙人との間に子供を作る事は法律で禁止されている為に、警察に捕まって刑務所で服役しています。出所したら地球に来ると思うので、その時は紹介するわね。肉食だと言っても怖くないから大丈夫よ。以前私のマンションで紹介したヴィーナス小母様とフジコ小母様も母と同じで肉食の宇宙人よ。」と説明して、“本当は呪縛の関係なのだが、私も詳しくなく上手く説明できないのでこれで良いか。”と思っていた。

陽子が、「菊子は、てっきり潜水艇を持っているような大富豪の令嬢だと思っていましたが、宇宙人だったのね。」と確認した。

菊子は、「大富豪の令嬢が、あんなチンケなマンションに住んでないわよ。」と陽子の疑問に答えた。

陽子は、「だからやくざも簡単に撃退できたのね。先ほど肉食だと説明していましたが、まさか食べちゃったの?」と聞いた。

菊子は、「食べた訳ではないけれども、以前図鑑で見た、最強恐竜のティラノサウルスに変身して、一人に噛み付いたら、腕が切断されて、他の人が驚いて、直ぐに証文を渡してくれたわよ。」と説明した。

陽子が、「そりゃティラノサウルスが突然目の前に現れて腕を噛み切れば、誰でも驚くわよ。」と真実を知り驚いていた。

幸枝が、「しかし菊子のお父様も、宇宙人に惚れられるとは余程魅力があったのね。」と感心していた。

菊子は、「私の父が、子供の頃からの付き合いで、事故であんな顔になる前の父を良く知っていたらしいわよ。」と返答した。

菊子の説明を色々と聞いて、陽子は驚いて、「突然なので頭が混乱しています。宇宙人と遭遇したのは初めてなので少し考えさせて貰っても良い?」と聞いた。

菊子は、「幸枝も同じ考えなの?」と確認した。

幸枝もそうだと言った。

菊子は、「解りました。取り敢えず、ここから脱出しましょう。UFOは目立つので地球の外に出るけれども驚かないでね。」と説明して月まで行き、月面から一メートルの高さで停止させて、床を透明にして、月面着陸した宇宙飛行士の足跡など月面を観察した。

最後に菊子は、「今回は泊まりで登山の予定が泊まりで宇宙旅行になっちゃったわね。太陽系の惑星ならどこにでも行けるわよ。取り敢えず、私が子供の頃に使っていた、月面で自由に動かせる補助操縦装置を貸してあげるわね。意思波がまだうまく使えない子供用だから、意思波を使用しなくても操作可能になっています。陽子や幸枝でも使えるわよ。」と説明した。

菊子が準備した補助操縦装置は、丸で自動車の運転席のようでした。

菊子は陽子と幸枝に、「これは、高度を変える事はできませんが、ゴーカートを運転する要領で、このUFOの操縦が可能です。ゴーカートと違うのは、前進と後退を切り替えスイッチで選べる事です。自由に好きな所へ行っても良いのよ。最高速度は光速の半分です。加速Gの吸収ができるので、岩に激突しても転覆しても大丈夫だから、安心して走らせれば良いよ。怖ければゆっくり走らせれば良いからね。私はその間に、部屋を準備しておきますからね。」と説明して、部屋の準備に行った。

陽子と幸枝は交互にUFOを自由に操り、「月のうさぎやかぐや姫はどこにいるのだ?」等と遊んでいた。

その夜はUFOに宿泊したが、設備が地球のものとは全く異なり、例えば風呂はバーチャルリアリティが凄く、スイッチ一つで、恰も太平洋のど真ん中で入浴しているかのようになります。オプションスイッチで、サメやイルカなどの魚と一緒に入浴も可能です。部屋の設備も凄く、結局それらで遊んでしまい、更に陽子達は菊子に、「宇宙遊泳はできるの?」と聞いた。

菊子は、「先程、地球の外に出た時に体が宙に浮いたでしょう?それは、このUFOには重力発生装置が搭載されていないからなのよ。宇宙空間に出て壁を透明にすれば、宇宙服なしで宇宙遊泳しているようになるわよ。」と説明した。

二人共是非宇宙遊泳したいと希望したので、宇宙遊泳等をしていると寝不足になった。

次の日、土星や金星など太陽系の惑星に行こうとしていたが、寝坊した為に、土星の輪を一目見て他の惑星は次回にする事にして、そのまま地球に帰った。

地球に帰った陽子は菊子の事を色々と考えていると、先日絡まれたスケバングループに会い、陽子は胸倉を掴まれて、「先日はよくもやってくれたわね。たっぷりとお礼させて貰うわよ。」と脅された。

陽子は咄嗟に、「私に手出しすれば、菊子が黙ってないわよ!」と対抗した。

スケバングループに、「その菊子に用がある。」と人気のない場所に連れて行かれて、「携帯で菊子をここに呼び出せ!」と強要された。

スケバングループと不良少年達は、何か準備しているのだと思いましたが、菊子はライオンでも素手で倒してしまうので大丈夫だと判断して、携帯で事情を説明して助けを求めた。

菊子も、そこまで強気になるのは何か準備しているのだと判断して、UFOに透明シールドを張り、陽子の近くを調べると、以前陽子を大富豪の所へ連れ去ろうとしたやくざの組員が数人いた。陽子を追い駆けていた組員とは違うので、陽子を見ても気付きませんでした。

やくざはスケバングループから、「菊子を私達の目の前で袋叩きにして半殺しにすれば、今後私達の体を自由にさせてあげるわ。菊子の苦しんでいる様子を見れば、思い残す事は何もないわ。私達に飽きれば、風俗でも海外でも売り飛ばしてもいいわよ。」と依頼を受けて、車二台で来ていた。

スケバングループや不良少年達にも、宇宙人だとばれるかもしれませんが、親友の陽子をどうしても助けたかったので、近くに着陸して、助けに行った。

スケバングループは菊子が来るとやくざに、「あっ!来た!あいつです!」と菊子を指差した。

やくざは振り返り、「あっ!手前は!」と驚いた。

菊子は、「また会ったわね。まだやる気?」とやくざを睨んだ。

やくざの組員は、「貴様、轢殺してやる!」と車のスピードを上げて轢殺そうとしたが、菊子のパンチでボンネットが完全に潰れた。

菊子は驚いている組員に、「私の体重、地球人と同じだと思わないでね。単位は、kgではなく、tonよ。どうする?まだやる気?」とやくざに迫った。

組員は拳銃を陽子に突き付けて、「来るな!殺すぞ!」と言った瞬間に、菊子の腕が槍の様に伸びて、一瞬の間に、組員の胸を突き刺し、血が噴出した。

菊子は、「心臓と肺の間を突き刺しました。今直ぐ病院に連れて行けば助かるわよ。但し、先日も言ったように、宇宙人や女子中学生に襲われたなんて誰も信用しないので、理由は考えておいた方が良いわよ。どうするの?まだやる気?先日も警告したように、今度は死ぬわよ。」と脅かした。

陽子は菊子の後に逃げてやくざに、「ティラノサウルス、ティラノサウルス。」と連呼した。

その言葉で先日の恐怖が蘇えり、組員は菊子に胸を刺された組員を連れて、「今度は腕じゃなく、足を噛み切られるぞ。」と慌てて逃げた。

菊子はスケバングループに、「私に何か用があるって聞いたけれども、何?」と聞いた。

スケバングループは、「ティラノサウルスとは何だ!お前は何者だ!」と菊子は人間ではないと知り驚いて確認した。

菊子は、「あなた方には関係ないでしょう!そんな詰まらない事を聞く為に、わざわざ私を呼び出したのか?」と睨みながら迫ると不良達は、「化け物だ!」と慌てて逃げ出した。

このような事があり、陽子は菊子と一緒だと、いざという時に助けて貰えるので、幸枝とも相談して、これからも親友として付き合っていく事にした。


次回投稿予定日は9月14日です。

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