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第四十一章 菊子、UFOライセンス取得

菊子は毎日親友と学校生活を楽しんでいると、同居しているフジコが夕食時に、「今日、テレジア星から連絡があり、“去年の夏休みにテレジア星での近距離用小型UFOの訓練成績が良かった為に、今回機長ライセンスのテストを実施します。”と連絡がありました。夏休みには頑張ってね。」と菊子を励ました。

菊太郎が、「おっ、菊子がUFOを操縦するのか?凄いな。」と感心していた。

菊子は、「まだフラフラして、あまり自信ないわ。」と緊張していた。

菊子が緊張している様子でしたのでフジコは、「確かにフラフラしていると、教育関係者から聞きましたが、最近安定してきたと感心していたわよ。大丈夫よ、菊子ちゃん。地球でいえば自転車の補助輪を外して、一人で自転車に乗れるかどうかのテストなので、落ち着いてテストを受ければ必ず合格するわよ。」と安心させようとした。

菊子は、「小型UFOのテストはそんなに簡単なの?」と一人で小型UFOを操縦した事がなく、テストの事を心配していた。

フジコは、「テレジア星では、小型UFOのテストはないのよ。親が認めれば誰でも乗れるのよ。ただ、菊子ちゃんは地球人とのハーフで、テレジア星から遠く離れた銀河系に住んでいるので、菊子ちゃんが近距離用小型UFOを上手く操れるかどうかの確認をするだけで、難しいテストも何もないので大丈夫よ。」とテストは確認だけなので大丈夫だと励ました。

やがて夏休みになり菊太郎が、「菊子、小型UFOのテスト頑張れよ。」と励ますなか、菊子はフジコとヴィーナスとともに、テレジア星に向かった。

各種訓練やテストの結果、今回は光線銃の使用が許可されて、近距離用小型UFOの機長ライセンスが取得できた。

菊子には半分地球人の血が流れている為に、テレジア星人に比べて意思波は弱く、UFOを安定して操縦できませんでしたが、声を出せば意思波が強まり、安定して操縦できる事が確認できた為に今回機長ライセンスが取得できた。

テレジア星での教育・テストが終了して、フジコ達と地球に戻ると、菊子はヴィーナスから意外な事を宣告された。

ヴィーナスは、「オプションとして、長距離用通信機を搭載した小型UFOを菊子ちゃんに渡します。菊子ちゃん一人でテレジア星と通信可能な為、私もフジコ小母さんもテレジア星に帰ります。お母さんが出所するまで親子二人で暮らしてね。」と宣告した。

菊子は、「そんなに急に言われても心配だわ。小型UFOが故障すればどうすれば良いの?」と心配そうに確認した。

ヴィーナスは、「菊子ちゃんに渡す小型UFOは、子供向けの常時信号がテレジア星に入るタイプで、発信場所の確認も可能です。小型UFOが故障したり、遭難したりすれば、テレジア星で確認可能です。」と返答して安心させた。

菊子は、「テレジア星にも、そのタイプの小型UFOは沢山あるのでしょう?そんなに沢山の通信が同時に入れば、ホストコンピューターがダウンしないの?」と確認した。

ヴィーナスは、「菊子ちゃん、難しい事を知っているのね。心配しなくても、受信先は設定可能です。通常、親元に通信が入るように設定していますが、アヤメは服役中なので、私のアイアック号で受信するように設定しておきます。」と菊子を安心させた。

菊子は、「お父さんは知っているの?説明しておかないと、突然いなくなると驚くわよ。」と確認した。

ヴィーナスは、「今晩、菊子ちゃんが小型UFOの機長ライセンスを取得したお祝いとお別れパーティーを開いて、その時に説明して明日の朝帰ります。黙って帰らないから安心して。帰る事を伝えると、動揺して仕事に影響がでると困るので伝えていませんが、お祝いの事は、菊太郎さんにも伝えていますので、今日は早く帰ってくると思います。」と返答した。

菊子は、「それでは光線銃は、どこにあるの?小型UFOの中に置いているの?」と聞いた。

ヴィーナスは、「光線銃は使用許可が出ただけです。これは、菊子ちゃんがテレジア星から遠く離れた銀河系で暮らしている為に、特別に許可されました。通常菊子ちゃんの歳では許可されません。自動車の運転免許を取得しても自動車はプレゼントされないでしょう?子供用小型UFOには光線砲は装備されていないので、オプションとして装備できるように特別に許可されただけです。そんなに光線銃が欲しければ、UFOを、もっと上手く操れるようになって戦闘艦の艦長ライセンスを取得すれば、戦闘艦には光線銃を装備しているわよ。」と説明した。

その夜はモミジも来て皆で盛大にパーティーを開いた。

フジコは、「私達は明日からいなくなり、菊子ちゃんと菊太郎さんだけになるので、テレジア星人の事で何か解らない事があれば、何でも聞いてね。」と今後の事を考えていた。

菊太郎は、「それでは一つ聞きます。地球に住む生命は色んな進化を経て今のようになりました。テレジア星人は、どのような進化で、体の形や大きさが変わるように進化してきたのですか?」と聞いた。

フジコは、「突然難しい質問ですね。それは重力の関係です。私達は地球の大型恐竜ほどの大きさがあります。と言ってもピンときませんか?ゴジラと言ったほうがわかりやすいですか?テレジア星の重力は強大で、力を入れておかなければその形を維持できません。要は力を抜けば潰れてしまいます。だから歩く時にも体の形が変わります。それで体の形が変わったりするように進化してきました。」と返答した。

菊太郎は、「少し変わるだけでしょう?」と確認した。

フジコは、「例えば、人間の形をして歩くと、前に進む為に左足を上げて前に出せば、右足だけで体を支えています。この時、右足の長さが半分になり、体も右に傾きます。前に出す左足は、外側に円弧を描くように出して、バランスを取っています。」と返答した。

菊太郎は、「えっ?体の形がそんなに変わるほど重力は大きいのですか?そんなに大きいと、体の形以外にも何か影響があるのではないですか?」とフジコの予想外の返答に、驚いている様子でした。

フジコは、「重力の関係では、視覚も光ではなく、意思波で確認できるようになっているのは、光はテレジア星の強大な重力で目に見えて曲がるので、光では正確に物事を把握できないからです。また体に負担が掛らないように、体を半分宙に浮かす事もできるようになり、やがて空を飛ぶ事も可能になりました。」と説明した。

菊太郎は驚いて、「えっ!?光は重力で、曲がるのですか?」と信じられない様子でした。

フジコは、「ええ、地球でもアインシュタイン博士が思考実験でそれを証明しています。ブラックホールという言葉を聞いた事はないですか?それは光でも抜け出せない強大な重力なので、地球人には真っ黒に見えるのです。」と説明した。

菊太郎は、「ホールという事なので、穴が空いているのだと思いましたが、そういう事だったのですね。」と納得していた。

フジコは、「ええ、そうよ。穴が空いているのでしたら、その穴はどこに繋がっているのですか?何でも吸いこんでしまうので、そのように思えるのかもしれませんね。テレジア星も重力の関係で隕石などが多かったのですが、危険な為に、今はテレジア軍の警備隊が衛星の外で隕石の軌道を変えたり破壊したりしています。」と補足説明した。

その夜、パーティーも無事に終わり、翌朝、皆一緒にマンションを出て、菊太郎は会社に出社し、菊子は学校に登校し、モミジは宇宙旅行だと説明して秘密調査官の任務に戻り、フジコとヴィーナスはテレジア星に帰った。

フジコとヴィーナスは、アヤメが秘密調査官だとも知らずに刑務所に面会に行き、菊子の現状を説明した。

アヤメは、「菊子にはテレジア星人の血が半分流れているのよ!誰かテレジア星人が傍にいないと、菊太郎さんにはテレジア星人の事は解らないので問題が発生したらどうするのよ!菊子が転校したのもテレジア星人の問題でしょう!」と驚いていた。

ヴィーナスは、「そう思うのなら、アヤメも、もっと真面目に服役したらどうなの?聞いたわよ!服役中、色々と問題を起こしているらしいじゃないの!このままだと、いつになっても出所できないわよ!菊子の問題が発生する前に出所できるように、もっと真面目に服役しなさい!」と怒った。

どうやらヴィーナスは、アヤメをもっと真面目に服役させる為に、態とフジコ共々地球を離れたようでした。

アヤメは、“母ちゃんが時々面会に来るから問題を起こした事になったんじゃないの。”と思っていた。

ヴィーナスが、「菊太郎さんが昔の玩具を見てアヤメの事を思い出し、玩具を抱きしめて泣いていたわよ。地球に帰れば昔のように、一度その玩具で菊太郎さんと遊んであげてね。」と依頼した。

アヤメは、「何で私が、いい年をした人と玩具で遊ばなければならないのよ。」と乗り気ではありませんでした。

ヴィーナスは、「当時の玩具を見て、子供の頃の記憶が甦ったのよ。アヤメが当時のようにその玩具で遊んであげれば、菊太郎さんは子供に戻るわよ。アヤメもその当時の事が忘れられなかったので、玩具や童話の本などをいつまでも大切に保管していたのでしょう?」と聞いた。

アヤメは、「そんな玩具の事など、すっかり忘れていたわよ。保管していたのではなく、忘れていただけよ。」と惚けた。

フジコが、「忘れていたにしては、私が聞いた時にどこにあるか直ぐに解ったじゃないの。それに玩具は、普通子供に渡さない?何故女神ちゃんが持って来たのよ。菊太郎さんの事が忘れられなかったからでしょう?」と追及した。

アヤメは、「先日も博士に説明したように、菊太郎ちゃんに前向いて生きて行って欲しかったので、私の思い出になるものは持ってきたのよ。」と反論した。

ヴィーナスは、「まあ良いわ、そういう事にしておきましょう。菊子ちゃんの為にも早く出所できるように、今後大人しくしているのよ。」と追及を諦めてフジコと帰った。

ヴィーナスは、アヤメが呪縛になっていないと気付いていた為に、“アヤメは呪縛になっていない筈なので、確認の為に定期的に刑務所に面会に行っていたが、最近、実戦慣れしている秘密調査官の事を良く聞くが、その実戦の癖がアヤメにそっくりだわ。その秘密調査官が強敵と戦っている時は、アヤメに面会に行っても独房に入れられていて面会できなかったわ。秘密調査官の仕事をする為に服役した事にしたと考えると辻褄が合うわね。しかし私もいつまでも地球に滞在できないから、菊子の小型UFOライセンス取得が、テレジア星に帰るチャンスね。今回を逃すと、当分テレジア星に帰れそうにもないわ。しばらく主人とも会ってないし・・”と考えていた。

一方、地球では、菊太郎と菊子の二人だけになり、夕方二人がマンションに帰ると急に淋しくなり、気が抜けたように黙っていた。

しばらくして菊太郎が、「菊子、小型UFOの機長ライセンスを取得したのだって?そのUFOはどこ迄行ける?地球の近くだけ?太陽系内部?銀河系内部?」と聞いた。

菊子は、「私のUFOの最高速度は、光速の十倍で、太陽系内部迄です。銀河系では、一番近い恒星のアルファ星まで、約5ケ月も掛かります。」と返答した。

菊太郎は、「まだ夕食の準備もできてないので、今日は出前にして、太陽系内部の惑星を回らないか?たまには宇宙で夕食を摂るのも悪くないよ。」と提案した。

菊子は、「そうしようか。」と二人共出前を注文して、届いた出前を持って、通常地球からは見えない月の裏側に着陸させているUFOを呼び寄せて出掛ける事にした。

UFOに乗り込んだ後に菊子は、「私のUFOは、加速Gの吸収は可能ですが、重力発生装置は搭載されていません。どこかに捕まっていないと体が宙に浮くわよ!出前の中身も出て来るわよ!」と忠告してUFOを発進させた。

口に出す必要があった為に菊子は、「光速の0.八倍で大気圏離脱!」と言うと、あっという間に、人口衛星よりも高い高度にまで上昇した。

菊子は、その後UFOを月に着陸させて、「お父さん、月から地球を眺めながら夕食摂りましょうか。月だと重力があるので、宇宙空間よりかは食べやすいと思います。」と提案した。

菊太郎は、「そうしようか。」とUFOの壁を透明にして、月から地球を眺めながら夕食を摂った。

その後、母のアヤメから聞いた、宇宙特急電車のコースで太陽系の惑星を次々と訪れて、土星の衛星タイタンから土星を眺めながらデザートを食べた。

菊太郎は、「タイタンはSF映画などにも出てくるが、重力は月よりも大きく感じるのは、月より大きいのか?」と聞いた。

菊子は、「月は地球の1/6で、タイタンは地球の2/3ほどの大きさです。ここは、以前母が落ちていた一円玉を見付けて大騒ぎになったところよ。」などと雑談して、その後地球に戻り、明日から二人で頑張ろうとお互いに励ましあって、その日はそのまま寝た。


次回投稿予定日は9月3日です。

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