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8話 将太

 俺はようやく自分の部屋に希美を連れて、移動する事が出来た。


「あ~あ。お兄さん、追い出しちゃったの?私、結構、お兄さん好きなんだけどな」

「何言ってんだよ」

「まあいいわ。早く聴きましょ」

 希美はCDをかけた。


 激しい曲調。限界ギリギリの高音は、それでも聞き苦しくなく、聴く者を恍惚とさせる。ライヴでは、失神するファンが続出するらしく、毎回、救急車が出動する騒ぎとなる。

 一部、英語になっている歌詞の意味がわからないのは、発音が悪いからではない。単に俺の英語力の問題だ。R-GUNの曲は、ギター担当のGINJIが作曲し、RAISUKEが作詞している。真面に学校には行っていなかったらしい頼介が、どこで英語を覚えたのかは全くの謎だが、海外に行っても困らない程度の英語力はあるらしい。俺は苦労して英単語を覚えているってのに、本当に謎なヤツだ。

「やっぱりRAISUKEの声はいいわね!最高よ!」

「そーだねー」

「台詞が棒読みよ、将太。」

「だって、俺は興味ないって言ったじゃん」

 そもそも、RAISUKEの声なら、さっき聞いたばかりだろ…肉声で。

「RAISUKEはそこらのアイドルなんかとは、全然、違うのよ。歌は最高に上手いし、目力があるでしょ?」

「目力ねえ。化粧のせいじゃね?」

「違うわよ!私なら、RAISUKEがスッピンだって、絶対にわかるわ!」

 なら、気付けよ…イヤ、気付いたら困るんだけどね。

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