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4話 将太

 そんな事を思い出しながら、俺は台所に立っていた。冷蔵庫をあさり、ありあわせの物だけで作れるいくつかのメニューを思い浮かべる。結局、ご飯に味噌汁、サラダ、豚の細切れを塩コショウで炒めた物、それに目玉焼きをつけてやった。

 食事が出来上がった頃を見計らったように、オヤジが風呂から上がってきた。

「頼介、出来てるぞ」

「お、うまそ」

「大したものじゃねえからな」

「ありあわせの物で、それなりの物を作るのが、主婦の腕の見せ所だぞ。手の込んだ物なんて、たまに作れりゃいいんだからな」

「誰が主婦だ、誰が!俺は受験生だ!」

「そうか、そうか。んじゃ、いただきます!」

 人の話を全然聞かずに、オヤジはテーブルについて、飯を食い始めた。

 俺はなんとなく勉強する気も失せて、冷蔵庫の中からミネラルウォーターのペットボトルを取り、オヤジの正面に座った。

 目の前のとぼけた男と、先程までTVに映っていた男を比べてみる。RAISUKEは、クールさと妖艶さを売りにしていて、メイクのせいもあるが、表情が読めない。だけど、目の前の男は、犬コロのように表情豊かだ。見えない尻尾が、常に喜怒哀楽を表現している。

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