デスライフ計画
けたたましく鳴るケータイのアラームが、俺の寝るだけの部屋を慌ただしい空気に包ませていた。
時刻は七時九分。丁度スヌーズ機能が働いて、本日二度目のアラームを発信し始めた時だった。
最新型スマートフォン。俺の持っている携帯電話は、某大手携帯メーカーから新発売されたばかりの最新機種で、まあ大抵の人はこのスマートフォンの兄弟機種を使っている。その最大の理由というのが、音声付きライフヘルパーという最新機能が搭載されているからである。このライフヘルパー機能は、スマートフォン自体が生活のあらゆる事象に関して全自動で判断し、最善を尽くしてくれる、というありがたいものである。今止めたアラームも、この端末が単独で俺の生活リズムを観測しデータ化して、一番最適な時間に俺を起こしてくれるようになっている。
その機能を搭載した前代の発売から一年後の今、つい最近発売されたばかりの兄機種を俺は持っているわけである。
がしかし、前代の携帯業界を震撼させるほどの影響力が裏目に出たのか、昨今発売されたこの新型機種はあまり良い評判を聞くことがない。期待されすぎるのも怖いなとつくづく思う。
そんな最新スマートフォンのホーム画面に目を疑うニュース記事がテロップに流れていた。
『死後世界解放後、初の帰還者』
この言葉だけでも、俺にはピンとくる節があった。