朝、少女たち、語るは内輪話
雀の鳴き声が聞こえる。宮はゆっくりと目を開けた。すると、碧い光りが目の前の天井を経て目の中へと入ってきた。それは、覚醒したての宮にとっては眩しすぎない丁度良い加減の物だった。
……つまるところ朝である。
宮が身体を起こすと、胡月が二人の侍女たちに寝間着から着物へと服を着替えさせてもらっていた。
「……おはよう、ですわ」
宮ははっきりとしない意識の基挨拶をした。
「あら、起きたの。おはよう」
胡月は宮にそういうと、自分を手伝っている二人の内一人の侍女に宮の着替えさせるように頼んだ。
「それにしても、今日は不思議な日ね。宮が遅く起きるなんて。何かあったの?」
宮はその言葉に少々膨れると、少しながら大仰に答えた。
「ええ、昨日はとても嫌なことがあったんですの」
胡月はそのわざとらしい振る舞いに何か感じた。
「……!ああ、あれね」
「そう、あれですわ」
宮は胡月に恨みがましそうに話し始めた。
「あなたが話したあれのおかげでこっちはあんまり眠れなかったんですわ」
「あら、そんなに怖かったのね。あれ」
宮はその言葉に即座に反応した。
「違いますわ!心配で眠れなかっただけですの!だ、だれが怖いなんて……」
胡月は口の端ににんまりとした笑みを表した。
「まあ、いいわ。そういうことにしといてあげるわ」
「ちょっと、誤解したまま話を終わらせないでいただけますの!?」
宮は胡月の誤解を必死に解こうと頑張ったが胡月は、
「心配で眠れなかったのよねー。わかってるわよー」
の一点張りだったため、宮は諦めた。
……全く、この娘は……!
宮はとにかく布団からでようと身体をずらすと、そのまま立ち上がった。
立ち上がった宮を胡月は見ると、
「全く、余計な話をしていたおかげで割と時間を喰ってしまったわ。宮も早く着替えてらっしゃい。」
そう胡月は言うと、侍女たちに目くばせをして、外の廊下へと歩いて行った。
その後、取り残された宮は二人の侍女にてきぱきと着替えさせられると、胡月の後を追ってぱたぱたと廊下を走って行った。




