少女の心配事、未だ起きぬ事の心配
今宵、宮と胡月は布団を並べて敷き就寝をしていた。だが、実際のところ、宮は眠れていなかった。一応は布団に入ったため、寝るということは完了していたが、ある心配事のおかげで眠ることの完了が為されずにいた。その心配事とは未の刻下がりに胡月が言ったことであった。
「ま、まさか、そんなに近くにいるなんて……」
宮はため息をして、隣でとうに寝ている胡月に顔を向けた。
……全く、自分で種を蒔いといてぐっすりですのね。
こっちはあなたのおかげで今日眠れないのかもしれませんのに。
宮は少し胡月の事を憎らしげに思うと、その心配事に思いを馳せた。
……でもどうすべきですの?そこにいると分かった以上警戒しなきゃいけないのは当然として、明日帰るとき危険はあるんですの……?謀反人の方が明日の午の刻までに捕まってしまったりはしませんの?そうなったらうれしいですの。
宮はごろんと向き直った。
「はあ、こんなことを考えても仕方ありませんわね……。さっさと寝てしまいませんと」
そういうと宮は布団を頭から被った。そして、心配事を考えないようにこれ以上考えないようにするため、お気に入りの句でも思い出していくうちに、ゆっくりと眠りに落ちていった。




