初めての共同作業
いきなり上から落としたら普通の人途中で気絶すると思うんだ。
突如、世界が反転した。
「・・・・・ゎぁああああああ!覚えてろユピテルゥゥゥゥゥゥ!」
只今パラシュートなしでのスカイダイビングなう。
「このままじゃミンチだぞ糞!」
「そうだ、英霊全書」
手に持っていた英霊全書を開く。
「白紙じゃねーかあああああああ!騙したな、よくも騙したなぁぁぁぁ!」
「どっかに何か書かれてねーのか……!」
ペラペラとページをめくっていくとふとあるページで目がとまる。日本語で人の名前らしきものが書かれていて、文字が輝いていた。
「なんか名前っぽいの書いてあるな、一か八か…………レヴィ!」
それに呼応するように本が輝きだした。
すると頭の中で声が響く
「……あんた?、あたしを呼んだの?」
「!! ああ、そうだ!」
「ふ~ん、何がどうなってるかよくわかんないけど、私を呼び出したとなるとそれなりの何かがありそうね、それで何の用かしら。」
「落ちて死にそうなんです助けてください。」
「はあ?……まあいいわ、助けてあげる……吹き乱れし風よ我の元に集いて力を貸せ……」
クスクスと笑いながら声の主は何かを唱え始めた。
「なんか……ブツブツ言ってる……詠唱って奴か?」
突然体から何かが抜け落ちたような感覚に見舞われた。
「……他人の体だと魔力コントロールが難しいわね……でも、私にかかればこのくらいチョロいわ。」
「人の体で何してんだ!?」
「うっさいわね、このまま地面のシミになりたくなければ黙ってなさい、エアクッション」
声の主の言う通りにしていると不意に体が浮き上がるような感じがした。
「あれ、浮いてる……?」
「浮いてるんじゃなくて、落下を遅くしてるの。もうすぐ地面に付くわよ。」
下を見ると足が地面に付く所だった。
「……とっと。着陸成功、かな?」
「これでよしっと。で、聞きたい事があんだけど?」
「ふぅ……ん?なんだ?」
「なんであたしはあんたの中?に居るわけ?」
「……話すと長いぞ?」
「魔女は勉強熱心だから余裕よ。」
魔女だったんだ・・・と思いつつ、自分の置かれた状況、英霊全書の事を順を追って話した。
「てことは何?私はもう死んでいて、その本によってあんたに都合よく呼び出されたって訳?」
「そうなると……思う。」
「まぁ……死んだ時の記憶は思い出したし、なんだか面白そうな事になってるみたいだし?手伝って挙げないことも無いわよ。」
「いいのか?」
「もしかしたらそのユピテルとかいう奴にお礼貰えるかもしれないしね。面白い事は大好きだもの。」
「そうか……俺は堺 正則って言うんだよろしく」
「サカイ・マサノリ?」
「多分こっちだとマサノリ・サカイかな」
「極東の島国の連中みたいな名前なのね。あたしはレイヴェ。鴉のレイヴェよ。」
ここにも日本みたいな国があるのか・・・いつか行ってみたいな。もしかしたら英霊全書にも極東の英霊とか居るのかもしれない。陰陽師とか巫女さんみたいなの居たらいいな。
「それで、これからどうするの?」
「まずは近くに町とか都市が無いか探してみようと思う。魔物が居るかもしれない場所で野宿なんて御免だし。」
「さっき上に居た時に北の方にチラッと城壁が見えたわね。」
「マジで?」
「あんたと視覚を共有してる筈だからあんたにも見えてた筈なんだけど……」
「さっきは生と死の瀬戸際で焦ってたんだよ。」
「オチテシニソウナンデスタスケテクダサイー!」
「そこまで情けねー声出してねーよ!?」
「あら、そうだったかしら……マサは面白いわね……フフフ。」
クスクスと笑われた。どうやら俺のアダ名はマサらしい。
「さて、じゃあ都市に行くわよ。」
「さらりと流された……まあいいや、行こう。」
正則は立ち上がると北に向かって歩き出した。
というわけで鴉のレヴィの登場です。ヒロイン候補・・・かな?




