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Saga of Quinary Elements  作者: 灰色
prologue
2/6

prologue Ⅱ 現実問題と最初の夢

まだ書き溜めの範囲内です。意外に早く書き終わりました。

昨日。母はあたしのテスト結果を見て、溜息をついて話し出した。


「アンタ…そんなんで桐葉(きりば)高に入れると思ってんの?」

桐葉というのは、件の名門校である。


「もう6月なんだから、本気でやんないと入れないわよ?」


「…やってるよ。ちゃんと」

「そうは見えないから言ってるの。どうしてこんな点数しか取れないの」


「お母さんが思うほど、あたしは頭良いわけじゃないって言ったじゃない」


「そんなわけ無いでしょう。そんな事言って、サボっていたいだけなんじゃないの?」

「違うよ」

「違うように見えないから言ってるのよ。桐葉に入るんだったら、もっと…」


「あたしは桐葉に入りたいなんて言ってないじゃない!」

思わず叫んでいた。爆発していた。日ごろのいろいろが一気に噴火した。


「お母さんが言ってるだけでしょ?

 あたしは、入りたいなんて言ってないしむしろ入りたくない!」

「入ってくれなきゃ困るのよ!」


何度も繰り返されて来たやり取り。いつもと違うのは、今回はあたしの大声で始まったってことだけ。


「鈴香。何度も言ってるでしょう?高いレベルのところに入って損は無いって。

 低いレベルのところに入ったら、鈴香も私も困るのよ」

「なんでお母さんが困るの?」

「馬鹿な子の親なんていうレッテルを貼られかねないからよ」


「…もういいよ。何でも。」


嫌になったあたしは背を向けて部屋を出る。これも、いつもとは違うこと。

お母さんが後ろで何か言っている。もう聞いてやるもんか。

自分の部屋に戻って、枕に顔からダイブする。涙があふれてきた。

そのままの勢いで泣いているうちに、気づけば眠ってしまっていた。


//////

夢を見た。

天を覆いつくしそうな程大きな樹を前に、自分が立っている。

その太い幹の向こうから、すらっとした綺麗な女性が顔を出した。


「あ、もう起きてたんですね」


そして女性が、優しく微笑む…

次の瞬間、視界が暗転し、夢は終わった。

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