表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Saga of Quinary Elements  作者: 灰色
prologue
1/6

prologue Ⅰ あたしが見る世界は

残酷だったりはまだまだしません。

プロローグのうちは全く無いと思います。


夢を見た。

優しい顔した女の人が、「お帰りなさい」と微笑む夢を。

見知らぬ大きな樹の下で、女の人と話した夢を。

その日…

「あたし」の日常は、終わりを告げた。


//////////


「…レイ!」


「うはぁっ!?」びっくりした!というか変な声が出た!


「な、何?春乃」


「何、じゃなぁい!」耳が痛い…


あたしの唯一の親友、野坂春乃(のさかはるの)が仁王立ちで見下ろしていた。

「何回呼んだと思ってんの~。

 レイ、今日なんかぼ~っとしてるよ?大丈夫?」


「ああ、うん。大丈夫だよ」

また、あの夢のことを考えてしまった。

本当に彼女(、、)の言うとおりなら、考えても仕方ないことだと、今朝結論付けたばかりなのに。

まぁ、気になるんだけどね。アレが本当だとしたら…


「うりゃ」


「うおわっ」目の前に拳を突き出すのはやめていただきたい!


「またぼ~っとしてる!なんかあったんじゃないの?」


「いや~。特に何も無いよ」

「うそ~?」

驚くほどの即答で否定された…


「ホントに。なんにもないよ」


「ふ~ん?まぁ、いいけど。じゃあ、本題なんだけどさ。

 今回のテスト、親の反応どうだったの?」


その事か。出来れば聞かないで欲しかった。


「平均以上は取ってるけど…いい加減嫌になってきたよ」


「そっか。大変だね。あんな母親もってさ」

「……」


あたしの母は、学生時代(小でも中でも高でも大でも)の頃、物凄い成績優秀者だった。

そのせいもあるのか、性格はまるでいやみな教師のようだ。

父はとっくに離婚している。母に呆れたのなら、あたしも連れて行ってくれればよかったのに。

今回の点数に、あたし自身は満足している。でも、優秀者だった母には納得がいかないらしい。


今あたしは中3で、受験にうんざりする年だ。

母はあたしに、名門私立高に入ることを選ばせようとしている。そんなことは知ってるんだ。

知ってるのに、母は何かある度にあたしに高校の話をして、もっと成績を上げろという。

いい加減やめて欲しい。あたしが行きたいのはもっと普通のところだし。

昨日も、母は延々とその話をしてきた。

もしかしたら昨日の夢は、そのことを原因に訪れたモノなのかもしれないと思う。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ