表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR

比較的最近更新した短編のまとめ場所

お嬢様学校に通っている幼馴染が猫をかぶっている

作者: 斎藤由希
掲載日:2026/07/09



 俺の幼馴染の少女は、表と裏の差が激しい。


 その差はちょっとやそっとの変化じゃない。


 猫かぶりってレべルじゃねぇんだよな。





 幼馴染と通っている塾で一緒に勉強した帰り道、息抜きのためにゲーセンにいく。


 幼馴染は表向き真面目な優等生で学校に通っているから、変装をかかさずに。


 声や歩き方、ちょっとしたしぐさも変えているという、念の入れようだ。


 知り合いに会ったら、体格や性別でわかるんじゃないかって?


 それが分からないんだよね。


「ああ? 何ガンつけてんだよ。視界に入んじゃねーよゴミカスが!」


 このセリフ言った人、誰かわかる?


 俺の幼馴染。


 いま、目の前でゲームをやりながら、周りで見てる野次馬にメンチきってる。


 極道のゲームでバイクのりながら不良をひき倒したり、メリケンサックを使いこなして殴り倒したりしてる。


「みせもんじゃねーんだぞ。ぶっとばすぞ」


 お、ハイスコア更新。


 さすが何度もやってるだけあるな。


 でも、こんなこと言う幼馴染が学校では「ごきげんよう」だなんて言ってるの、想像できる?


 俺には無理だったよ。


 実際、最初見た時はどちら様?状態だったし。


 幼馴染だと分かった時は、どうしたお前状態だったし。


 俺とこいつは幼馴染なんだけど、俺は普通の学校で、相手はお嬢様学校に通ってる。


 昔は家が近くだったんだけど、今は引っ越して互いの家がちょっと離れたところにあるから。


 数か月顔を合わせないなんてことは珍しくないわけで。


 ちょっと知らない間に、幼馴染がこんな事になってるなんて思えるわけないし!





 塾の帰りにスカッとした幼馴染と一緒に、それぞれの分かれ道まで隣り合って歩く。


 通ってる学校は違うのに、俺たち塾は一緒なんだよね。


 幼馴染はいつの間に買ったのか、たい焼きをほおばりながら、今日あった出来事を報告してくる。


 学校の連中が堅苦しいだとか、決まりを守るのが面倒だとか。


 ストレスたまってそうだな。


 小さいころは俺と一緒に近所の公園を走り回って、擦り傷とかたんこぶとか作っていたくらいだからな。


 お嬢様学校でお嬢様するのなんて向いてなかったんだろう。


 なのになんで、普通の学校じゃなくて、お嬢様学校に入ったんだろな。


 なんて考えながら歩いていると、道端で泣いている小さな女の子発見。


 どうやら両親とはぐれてしまったようだ。


「おかあさん、どこ……」


 なんて言いながら悲し気に泣いていたもんだから、何が起こったのか一目瞭然だ。


 ここで人のできた幼馴染は即座に行動。


「大丈夫だよ。お母さんとはぐれたの? お姉ちゃんたちが一緒に探してあげるね」といって、小さな女の子を励まし始めた。


 俺だったら、数分くらいまよったあげく、声かけパターンを脳内で10通りは作って、なおかつ笑顔の練習を三回くらいしてから、善行しにいく。


 即座に行動なんて絶対むりむり。


 言動がちょっとあれで距離を置きたくなるのは事実だけど、いい奴なのも事実なんだよな。


 だから、つい一緒に行動しちまう。


 しかしさっきの言動とは偉い違いだな。


 俺の幼馴染、中の人変わってたりしません?







「ばいばい、お姉ちゃんたちありがとー」


 数分後。無事両親を見つけた女の子と、手を振ってお別れ。


 警察のお世話になるまでじゃなくて本当に良かった。


 知らない大人に囲まれる経験はなるべく少ない方がいいもんな。


 いやあ、いい事すると気持ちが温かくなりますなあ。


 やったのほぼ幼馴染だけど。


 さて、あんまり道くさ食ってると、母ちゃんに怒られるから今度こそまっすぐ帰るか。

 

 てくてく歩いて幼馴染と別れ、俺の家のある方角へ足を向ける。


 幼馴染と手を振ってさよならして、分岐路から数メートル歩いたところで、背後から声が聞こえた。


「は? もう帰るっつってんだろ? いちいち電話かけてくんじゃねーよ」


 幼馴染おこ。


 どうやら家族から電話がかかってきて、その内容にキレたらしい。


「危ないから日が暮れる前に帰ってこいだあ? はっ、襲ってくるやつがいても、血祭りにしてやんよ!」


 物騒だなあ。


 人間だれしも多少猫かぶる生き物だけど、かぶった皮と地の差が大きすぎて、ちょっと心配だよ。


「わーってるって、学校じゃこんなしゃべり方してねーから。豪に入れば豪に従え、そういったのは父ちゃんじゃねーか」


 しかも何とか組の一員だなんて、こんな設定を信じ込んじゃうなんて、おいたわしや。

 この間見せてもらった写真じゃ、家の中なんて武器のレプリカだらけになっちゃってて、中二病も発病しちゃってるし。


「へいへい。うちの組の名前に泥を乗ったやつを突き止めて、きっちりお仕置きしてやんよ。ちゃんとボロ出さずに潜入してっから心配すんなっての」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ