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井戸掘りを始めたら……

「そういえばお兄様、井戸の件はどうなっていますか?」


「今職人を手配している。 明日中には集まるだろう、しかし、この荒れ地に本当に水脈があるとは思えないけどな」


「周囲は森に囲まれているので水は流れている事は確かなんです、何故ここだけ荒れ地になっているかはわかりませんが」


「一応文献で調べてみたんだが、大昔にこの辺りは魔族が支配していて魔王城があったらしい」


 魔王城っ!?


 その言葉を聞いた瞬間、私の心臓はドクンッとなった。


「……マリエラ、目がキラキラしているぞ。 昔から英雄譚が好きだったよな」


 表情に出ていましたか。


 私は本を読むのが好きなんだけどどちらかと言えば恋愛小説よりも冒険小説の方が好きだ。


 だからこそ、魔法とか開拓に魅力を感じてしまう。


 本当は剣術だってやってみたいけど両親から止められているのでそのかわり魔法を覚えた。


「ま、まぁ領地を発展、開発するのは貴族の義務ですから」


 ホホホと笑うが兄は薄笑いをしている。


「ルミナ嬢、マリエラは結構お転婆な所があるから気をつけてくれ、悪い奴では無いんだ」


「は、はぁ……」


 聞こえてますわよ。


 そして、翌日。


「マリエラ様、お仕事をいただきありがとうございます」


「いえいえ、こちらこそよろしくお願いします」


 井戸掘り職人達がやって来た。


「この辺りに掘っていただきたいのです」


「わかりました、ご期待に添えるような立派な井戸を掘りましょう。 お前達、作業にかかれ」


 リーダーの指示の下、井戸掘り用の枠組みが作られまずは手作業で穴を掘り始めた。


 水脈に当たるにはかなり深く掘らないといけないので大変である。


「マリエラ様、水が出ると良いですね」


「必ず出ますわ、心配しないで任せましょう」


 穴が深くなるにつれて土の山がどんどん大きくなっていく。


「リーダー! 地層が変わってきました。水分が出てきて粘土質になってきてます」


「粘土は取っておけよ、材料になるんだからな」


 出てきた物を無駄にしない心構え、流石です。

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