水脈を探していたら……
翌日、私は水脈探しを始めた。
地面に手を当てて魔力を通して水脈を探す。
「う〜ん、ここじゃないわね……」
家の周辺を歩き回る事数時間、漸く水の流れを確認する場所を見つけた。
そこはやはり森の近くで森から流れている水が地下に潜って流れているのだと思う。
この辺りに井戸を掘れば水は必ず出てくる。
流石に私の力ではどうにもなれないのでお父様にお願いし井戸掘り職人を手配してもらおう。
善は急げ、と私は手紙を書き魔力を込め紙飛行機にして飛ばした。
古いけどこれが領地内でしかも身内だったら確実に連絡が取れる手段なのだ。
「さて、そろそろ食材探しをしないといけないわね」
実家から数週間分のパンは持ってきたけど流石にパンだけでは飽きてくる。
私は森に籠を持って入り食材探しに出かけた。
「この野草は食べれるわね、このキノコは毒が入っているから無理ね」
森の中に入った私は食べれそうな野草やキノコを採っていった。
こういう時に野営の知識が役に立つ。
と、気づけば道の所まで出てきてしまっていた。
と、遠くから馬車の走る音が聞こえてきた。
私は思わず木の陰に隠れた。
(あれ? 途中で止まった? しかもあの馬車て犯罪者を護送する為の馬車じゃない)
この道は国境にも続いているので護送用の馬車が通るのは珍しくはない、でも途中で止まるのは珍しい。
すると、兵士が降りてきて馬車の後ろの扉を開けて乱暴に1人の少女を放り出した。
馬車は引き返しさっさと行ってしまった。
「うぅ……」
放り出された少女は泣きべそをかいている。
これは放ってはいけない。
「貴女、大丈夫?」
「え、あ、あの……」
「怪しい者じゃないわ、私はクリーター公爵家のマリエラというの」
「えっ!? 公爵令嬢様っ!? す、すいません……、わ、私は……」
「あぁ、改まらなくて良いわ、ここは社交場じゃないんだから」
「す、すいません……、私オーラズ男爵家長女のルミナと申します」
「まぁ、オーラズ男爵家といえば我が家の派閥に入っている家じゃない」
「ご、ご存知なんですか?」
「勿論よ、一応公爵令嬢ですから、それでどうして貴女は此処で降ろされたのかしら? 捨てられた様に見えたんだけど」
「実は……、その通りで私実家から勘当されてしまって」
「あら、貴女何かやったの?」
そう言うとルミナはブンブンと首を横に振った。
「私は何もしてません。 なのに婚約者は妹に奪われて……、必要無いからと追い出されたんです……」
おやおや、おだやかじゃ無いわね……。




