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マリエラ、新天地へ

「そろそろ到着すると思うんだけど……」


 私は地図を見ながら道を歩いていた。


 田舎暮らしをする決意をした私はお父様に『領土内で未開拓の土地を譲ってほしい』とお願いした。


 お父様はいくつかの候補を見繕ってくれてその中から森の奥にある開けた場所を選んだ。


「まぁマリエラが良いならこちらも止める事はしないが……、何故未開拓地なんだ?」


「お父様、我が領地は資源が豊富なんです。 まだまだ宝の山は埋もれていますわ」


 クリーター家が公爵としていられるのは鉱山や材木等の自然資源が豊富なのだ。


 ただ豊富なだけではなく質が良いのも理由で高値で取引されている。


 そして領地には未開拓地が多い。


 つまり開拓すればまだまだ資源が採れるという事になる。


 私はそこに魅力を感じていた。


 きっと未開拓地だったら私の力が発揮できるかもしれない。


 そんな事をお父様に言った。


「まぁマリエラが言うなら私は何も言わないよ、そのかわり責任を持って行動する様に」


「勿論、公爵家の名に恥じない様にしますわ」


 ……王太子の婚約者を辞退する事が既に貴族としてどうか、と思うが今更である。


 そんなやり取りをして私は新天地となる場所に向かっているのだ。


「あぁ、この森を抜けた先みたいね」


 道の脇にある森へと私は足を踏み入れた。


 枯れ葉のサクサクという音が気持ちいい。


 森を歩く事数分、急に開けた土地が出てきた。


「ここが目的地ね」


 見渡す限りの荒野である、草木も生えてない。


 土も乾いていて割れている、水が無い証拠だ。


 周囲は森なのに何故かポッカリと穴が空いている様にこの土地だけ何も無い。


 ただ、何も無いという事はなんでも出来る、という事だ。


 ある意味理想郷と言っても過言でもない。


「時間は十分あるしのんびりとやりますか」


 私はカバンを降ろし早速テントの設営を始めた。


 まずは家造りからのスタートだ。

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