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超訳 河口慧海「チベット旅行記」  作者: Penda
第二章 知識編
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奇怪なる妙薬


 慧海(えかい)が葬儀を終えて戻ると、家でもお経が読まれていた。肉粥や卵うどんをこしらえてごちそうが出され、在家には酒が振る舞われた。


 ちなみに尊いラマが亡くなった時は大きな箱で棺を作り、読経や鳴り物の響く中、その中に湖塩を入れ、遺体を置く。

 その周囲にも塩を詰め、そのまま堂の中で3カ月ほど置く。参拝者は生きていた時と同じように礼式を行い、弟子たちは途切れなくお経を読む。

 棺の前には純金の灯明台がありバターの灯明、銀の水器などを供え、参詣者は銭を添える。

 三月ほどたてば遺体は塩に水分を吸い取られてカラカラになり、まるで木彫のように硬くなる。そこで泥と白檀粉をこねて遺体に肉付けし、元通りに顔をこしらえ、立派な木造のようにして、金箔を貼る。それは像として堂の中か、塔に厨子をこしらえてまつる。

 こうした堂はシカチェのタシ・ルフンプー寺には五つあって、金メッキの屋根だ。こうしておくと、いつでもお参りにいけるというのだ。

 中国人は笑って、「乾いた死体に泥を塗るのは土葬ではないか。チベット人は土葬を嫌うくせに、法王を土葬にしている」などという。

 棺の中に入っていた塩は貴族や僧官に分けられる。ラマの有り難い汁が吸い込まれているから尊い薬なのだそうだ。

 チベットの薬といえば、法王のような高等なラマの大小便でこしらえたツァ・チェン・ノルプー(宝玉)という薬がある。一般の人民はその薬が有り難いものであることは知っていても、材料が何かは知らない。


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