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超訳 河口慧海「チベット旅行記」  作者: Penda
第一章 出国からラサまで
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また間道の穿鑿


 明治33年正月。皇室に祝意を表すため、慧海(えかい)は得られるだけのご馳走を買い集め、揚げ物など珍しいものをたくさんこしらえ、村人に施した。

 慧海はこの村で生まれ育ったかのように、村人から敬われるようになった。慧海の永住を希望する者もいた。村人の声を聞いたギャルツァン博士は慧海を村に引き留めておくには妻帯させるほかないと考え、村長の娘を妻にするよう策をめぐらせたが、慧海は誘惑に乗らなかった。


 村人と親しくなったため、慧海はチベットへの抜け道を探ることにした。するとダウラギリ雪峰の北を横切り、トルボへ出てから、道のない山中を3日ばかりたどると、西北原に出られる道筋があると聞いた。そこから1日ほど行くと、ゲロン・リンボチェの居る所に出られるという。この道を取ることに決めた。


 ただ雪深いため、道は6月にならなくては通れず、9月になればまた塞がってしまうらしい。

 時期がくるのを待っていたら、ツァーラン村の南にあるマルバ村の村長が訪れた。村長は西北原へ商いに出ており、西北原でヤクを放ち、テントを張っているそうで、今回も見回りに行くらしい。

 慧海が村長に法話をしたところ、村長は「チベットから求めた一切経を読んでもらえないか」と持ちかけられた。慧海は訪問を約束した。



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