涼しさ
「いってて…」
頭が痛い。
昨日、変な夢を見た。
場所は川沿いの下、空を眺める俺とぼやぼやとした女性二人。
そしてしらない男性、そして三人とも同じ制服を着ていた。
なんとも言えない感情だ。でも、悪いわけじゃない。
俺はその夢の余韻に浸りながら、学校へ向かった。
今日からテスト一週間前だ。
特に頭がいいわけでもないので、
勉強する必要があるな。
俺にとっての勉強は苦である。
運動もできないし、勉強も苦手だ。
テスト期間に入れば、昼前に帰るので屋上には上がれない。
少し寂しい気がするな
テスト期間は基本一人でやるが、たまに妹の優奈に勉強を教えていることもある。
いくら勉強が苦手な俺でも中二の勉強ぐらいは教えれる。
そういえば、楓さん…
誘ってみるか、、、
どこにいるだろうか、屋上か、、、
「楓さん?」
「水卜?どうしたの?ってかさん付けで呼ばないでって」
「ああ、ごめん、楓って勉強できる?」
「まあ、人並みにはね。」
「そうなんだ!それなら勉強僕に教えてくれない?」
「いいけど、どこでするの?」
この学校にはいくつか空いている教室がある。そこを使うのもいいかもな。
「いくつか空いてる教室があるみたいだし、そこ使ってみない?なんか青春って感じするし!」
「ありかも、、、」
「だよね!さっそく今日数学を教えてほしいんだけど、、、?」
「今日は無理ね。予定があるから明日からならいいわよ。」
「今日何があるの?」
「秘密よ、秘密。女の子に対してずいずい来るところ。キモいよ。」
「ああ、ご、ごめん」
心にくる!キモいは心に来る!楓さん!それはだめ!それは心に、、、
雨が降るこの町ですこし雨が止んだ気がした。
「フフ、そんな真に受けないで。冗談よ、でもそういうところが友達のできないところかもね。」
「キモいは普通に心に来るよ、、、楓さん。」
「だから”さん”ってやめて。」
雨がまた強くなった気がする。
「あ、ごめん、でもなんかこの町に降る雨ってなんだか楓の感情を表してるみたいだよね。」
「そ、そうかな?」
「なんか怪しいね楓。」
「そんなことないわよ。そもそもわ、わたしの感情を雨が体現してるなんて、そんな漫画みたいなこと、、ね?ありえないでしょ?」
なんか冗談で言ったつもりだったけど、ほんとにそうっぽいな、、、
「そんな都市伝説みたいなことってあるんだね。」
「だ、だから違うって!もう!この話は終わり!明日から勉強ね!」
「わ、わかったよ。」
今日はそうして家に帰った。
にしても、楓の感情で雨の強弱が変わるって面白いな。
そもそもこんな嘘みたいな話あるんだな。
てか、まだ確定したわけじゃないか。
楓がとんでもなく怪しい風に振舞っただけって説も、、、
ないな。
明日から面白くなりそうだ。