職業:調合師
調合師とは
傷や病気を治す薬から料理のスパイスなんてものまで、幅広く作り出すことが出来る職業である。
様々な業種、色んな場面、身近な生活で重宝され、まさに花形職業であった。
……それも今は昔。
現在では「無職とあまり変わらない職業」
と呼ばれている。
なぜそうなってしまったのか?
調合師はあまりにも有用で生活に無くてはならないものだったからだ。
需要に対して供給が全く追い付いていない状況が続く事となり、色々な問題が起こった。
やがて需要を満たすために
知識は本となり、スキルは道具となり、
作業は簡略化、省力化が進み、マニュアル化されていった。
昔は調合師しか作り出せなかった物も、今ではそのほとんどを手軽に誰でも入手出来る。そんな時代になった。
年頃になると皆、職業判定を受ける。
地域によって様々だが12〜14歳くらい。
そこで人生の大筋が決まる。
喜びに満ち溢れる者もいれば、ガックリとうなだれる者も、喜びも悲しみもしない者と、様々ではあるが、こと調合師の判定が出れば、皆、肩を落とし、悲しみに暮れる。
しかし、ここに調合師の判定が出たことに最上級の喜びと、これからの人生に希望を膨らませる者がいる。
名を「リゼル」という。
後の世で「奇跡を作り出す者」と呼ばれ、ついには「伝説の秘薬」を作り出し、伝説となる男である。




