自覚する気持ち
「ガロナス将軍、それでは。」
「まて、死にたがり姫、お主また死のうとして。わしの部隊では一人も死人はださんと決めているの」
飛び去ろうとする天使を止めて、説教する。
「ティオラです。ここでは姫ではありません。
ガロナス将軍。あなたを支援しながら修行のためにここにいるんです。この身を捧げてでも支援しろと父様に言われているんです。」
そう言って、天使もといティオラは嬉しそうに空を飛んでいた。
「空から降りろ。飛んでると余計エネルギー消費する。」
「手足折れてるから歩けない。」
「背負うから」
「ガロナス将軍を煩わせるわけには」
「死にたがり姫を煩わしいダメな部下だと王に最後の報告しておく」
「降ります。ありがとうございます」
そうしてわしの目の前に降りてきてくれた。
「弟子を労るのも師匠の仕事だからな」
手負いのティオラ姫を背負い。
ワシは今までのことに思いを馳せた。
この任務が終わったら、ティオラ姫はワシと別任務が与えられる。
寂しいけど仕方ない。
「ガロナス将軍、バニの殲滅を確認しました。」
街を襲おうとした巨大バニの集団もワシの部隊と協力して、自分の飛行部隊を指揮し、撃退していた。
無表情で淡々としてモンスターサイボーグを狩っていた。
なぜかティオラ姫は、危険な任務に割り当てられることが多い。
二年前にワシの部隊から自立したあと、顔を合わせるたびに機械の部分が増えていった。
そして、笑顔が消えて機械的になって言った。
危険な任務にも何食わぬ顔で言って、四肢がもげようが顔色ひとつ変えない。
ティオラ姫がゆっくりとこのまま死んでしまう。
手放さなければよかった。
そばにいてほしかった。
何故、王は自分の子を危険な目に合わせる。