皆月出走とお断り
うーんҨ(´-ω-`)
困った困った困った。
音楽詳しくないからアイドル書けない(´;ω;`)
でももう引き返す事も出来ない。
このまま突き進めー!!
①
午後16時59分(日曜日) アスファルト2500m 天候は晴
先程まで大きな赤外線を送っていた太陽も、ただならぬ空気を感じたのか、西の観客席に沈まろうとしている。
ゲートの方も見てみましょう。今回の出走者は1人。
何やら屈伸運動を見せつけ、やる気は十分と言った所。
さぁ、17時を知らせる町内会のファンファーレです。割れてばかりの音声です。皆月由太は私達にどんなドラマを見せてくれるのでしょうか!
それではスタートです。
1人、ひょっこりスタートしました。
スタートはまずまずと言った所。鍵を締めるのに手間取った様子も見れない。
しかしここからが大変だ。ここのコースはゲートを出て僅か1mで右に90度も曲がる足首泣かせのコーナーが待っている。
おおっと! ここでそのコーナーを華麗なステップで曲がっていく!!
コーナーを抜けた先は2499mからなる長いロングストレートだ。
スタミナは十分。車のエンジン音が車道を駆け抜けていく!
10分、20分、このまま独走状態で突き進むのか?
見えてきました。ゴールの改札です。
おおっと、しかしゴール前100mで僅かに失速した!!
脳内Bさんはこの失速をどう捉えますか?
やるべくしてやった、寧ろさっきの失速でいいタイム出るんじゃないですか?
失速していいタイムと言いますと?
簡単な事です。競馬でもそうですが、ゴール前の熾烈な1位争いで重要になってくるのは首の上下運動です。
一流の騎手にもなってくると、最終コーナーを曲がった段階でゴール前の馬が首を伸ばした状態に調整するらしいですよ。同じ事をやっただけです。
馬の例えは分かりにくそうなので、人で例えますね。
走り幅跳びの歩幅を合わせるように、皆月選手も腕の伸びを合わせただけです。
なるほど、それはタイムに期待出来ます。
前方には人群なし。そのまま腕を振って、振って、振って!! 『ピッ!』ゴールイン!!
勝ち時計は【30:12.6】レコードまで僅か2秒届きませんでした。
――閑話休題――
何事も無く電車に乗り、待ち合わせ場所には15分前に着いた。
まだ15分前にも関わらず、天瀬さんは既に到着していた。
「すみません、またせましたか?」
「あっ! 皆月さんこんばんは。私も今来た所です」
もう聞き飽きたであろう台詞を息を吸う様に終わらせた。
「皆月さん、今日は改めてご馳走様です☆ 因みにお店とか決まってるんですか?」
「お礼だし気にしないでください。店は18時30分に予約しているんですけど、やる事もないしもう向かいましょうか」
そうして俺達は目的地に向かった。
歩き出して僅か5分。天瀬さんが質問してきた。
「あの、道合ってますか? 皆月さんが探してるような赤提灯と暖簾のセットはこちら側にはないと思いますが……」
ふっふっふ、今から天瀬さんの目玉が飛び出るのが目に浮かぶぜ、いつまでも同じステージに立つ訳が無かろう。
暖簾から自動ドアに、赤提灯から壺にステージが変わったのだ。
「合ってますよ。ほら見えてきました。あれです」
俺が指差した方を見た天瀬さんは歩みを止めた。
そこには立派としか言いようがないホテルが鎮座していた。
ある意味が分からない噴水や、ハリウッド辺に植えてありそうなパイナップルの先っぽみたいな木。この良く分からない所まで手をかける。これが高級感である。
高級感と言うスパイスを振りかけられた天瀬さんは絶対満足するに違いない。
「皆月! 早く着いたからってドッキリとか止めてくださいよ。で、実際はどこのハラミですか? もしかしてホルモンですか?」
「えっ!? まじでここですよ。ここの16階です。肉は確かハラミじゃなくてサーロインで、ホルモンじゃなくてフィレだったと思います」
戦隊モノの変身時間ぐらい沈黙し
「まじです?」
「まじです」
そのまま華麗にエスコートして入店しようとしたが、そうは問屋が卸さない。
「お客様、要件を伺ってもよろしいでしょうか?」
ここで登場ホテルの守護兵。この守護兵が居るからホテルの治安が守られるのである。
ホテルの守護兵は偉大だ。
誰よりも多くお客様と接する。だれよりもホテル内を理解している。所謂ホテルの最高戦力なのである。
ホテル内が弱くても関係ない。敵を中に入れなければ戦闘が起きないのだから。
また、最高戦力を見える形で置くことで、戦闘する前に外敵が諦めてくれる。
ここは強すぎる。自分のレベルに合っていないと。
その品定めを今されているのである。
「ここの16階で予約している皆月です」
「皆月様ですね。少々お待ちください」
ホテルの守護兵がこちらをチラチラ見ながら無線で確認している。
話が着いたのか再び話しかけてきた。
「すみませんお客様。当レストランはフォーマル指定となっております。お手数ですが、お召し替えしてから再度ご来店下さい」
そう守護者に言われて天瀬さんを見ると、牛がプリントされたTシャツに下はハーフパンツ、スニーカーといった何処ぞの量産型みたいな格好をしている。
「天瀬さん、その量産……その服装だったらご飯食べられないって」
俺の言葉に天瀬さんはみるみる顔を赤くしていった。
「皆月さん! 合ってます……合ってますけど、何かその言い方深く刺さります……私もですけど、皆月さんもその服装ダメですからね! 豚のプリントされたTシャツ、ジーパン、スニーカー。私と変わらないじゃないですか! どうするんですか?」
確かにどうしたものか。飯食うだけで服の指定あるのか。どうせエリマキトカゲで服なんか見えないんだしどうでもいいと思うが、俺は選ぶ立場ではなく選ばれる立場だ。
こんな服がどうとかでフィレイーンステーキを捨てる訳にはいかない。
「予約の時間まで40分もあるじゃんないですか。まだ慌てるような時間じゃない」
「何カッコつけてるんですか! 40分しか無いんですよ! 慌てるような時間ですよ!」
天瀬さんが『今から家に戻っても……』とか何とか行ってるが、結局は着替えればいいだけじゃん。何も難しくない。
天瀬さんをエスコートするように俺は目的地に向け歩き出した。
読んで頂きありがとうございます。
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