表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
54/114

レポート51:『君がいないと、私は窒息死してしまいそうです』

春乃瑠璃視点。

 彼が可愛い寝息を立てる頃、ゆっくりと部屋を後にして、リビングへと戻ると、ミーが心配そうに座っていた。


 鏡夜の様子がおかしかったことに気づいていたのか、今日は同じベッドで寝ようとはせず。


 きっと、私の心配をしてくれているのではないかと、そう思った。


「大丈夫だよ」


 ミーをそっと抱き寄せ、顔を覗く。


「鏡夜がいなくたって……」


 鏡夜がいない。


 ただそれだけを考えるだけで、胸が締め付けられる。


 この世で一番、大好きな人なのだから、仕方のないこと。


「いや、ちょっと寂しいけど……今は君がいるから」


 暴れる様子もなく、呑気に『ミー』と笑むように鳴くミーに苦笑する。

 たった1匹の家族が増えただけで、鏡夜がいない時の心細さが和らぐ。


 もしかしたら、私が鏡夜離れするために鏡夜はミーを拾ってきたのかもしれない。

 鏡夜は策士だから、それを含めていてもおかしくはないと思える。


「ほんと、妬けちゃうなぁ……」


 それが誰かのためかと聞かれれば、鏡夜は私のためだと言うのだろう。


 でも突き詰めれば、それはきっと、彼女のため。


 鏡夜の意中の女の子への一途な想い。


 それを向けられているのが私ではなくて嫉妬して、羨ましくて仕方がない。


 その寂しさを埋めるためにミーをそっと胸へ抱き寄せていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ