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王太子殿下とベットの上の私

何度も繰り返し思い返して、やはりやってしまったのは間違いなさそうだ。

ともかく誤魔化しながら生きていこう、そう考える。

冷静になろう。心を落ち着かせるようにベットに座ったまま胸に手を置いた。


「失礼」

顔を上げると思いもかけない大物が部屋に入ってきた。

中に入ってきたのはバイウエル王太子殿下だった。


学園内ではみな平等と言われながらも誰もが礼を取らずにいられない威厳と頭脳をお持ちの実力 を兼ね備えた生徒会長であり馬鹿の第2王子の兄である王太子殿下だ。


「王太子殿下のお前で恥ずかしい格好をいたしまして申し訳ありません」

そそくさとベットの上から降りろうとする。


「いや、かまわないからそのままで。聞きたいことがあってきたんだ」


きたきた~!

「なんでもお聞きください」


「弟に暴力をふるったと聞いたのだが」

フィーネの体がブルリと震える


ひえ~~。

「そ、それは違います。たまたま倒れこんだのです。その時勢い余って手が当たったのでございますわ。ですが勢い余って王子殿下に強く当たってしまったのであるなら申し訳ないことでございます」


「手が当たった……そのようだね。その手はひどい状態だ」

王太子殿下の視線を追って自分の手を見下ろす。

ひえ~~。いつの間にか血が。


「ちゃんとした治療は家に帰ってからしてもらうといい。グルーデン伯爵令嬢。今は消毒だけでもしておこう」

王太子殿下に消毒してもらうとかありえないし。


「消毒ぐらい自分でできますわ」

おほほと笑いつつ、王太子殿下が差し出した消毒薬をビチャアと手に振りかける。


「いっだあ~~~」

激痛が走り、消毒薬を床に投げ捨てて手を振りながら痛みを誤魔化す。

床には消毒液がまき散らされた。


消毒液で濡れた部分を避けながら王太子殿下は近づいてくる。


「消毒液を傷口に直接振りかけたら痛いに決まっているだろう。それにしてもグルーデン伯爵令嬢と言えば大人しい淑女と言われていたが思っていたより雑な性格だな」


投げ捨てられた消毒の瓶を拾いながら王太子殿下が笑う。

「……雑とは言いすぎですわ」

消毒液の痛みで涙が出てきたよ。


「ははっ。では話を続けよう。弟が…」


誤魔化そう。いや、誤魔化せるだろうか? ほんのちょっと当たっただけで手は血まみれにはならないだろう。

にしても手が痛い。ヒリヒリヒリヒリ。

不敬と分かりつつも、王太子殿下の言葉に大きな言葉をかぶせていく。


「たまたま王子殿下の飾りボタンが手に当たったのですわ。殴ったのではありません。わたくしがよろよろしていたのが悪いのです。なにとぞ、なにとぞ打ち首だけはご容赦を」

ハハ~とベットの上で礼をする。


「打ち首は考えていない。まあ弟が悪いのだろう。ミリア嬢に婚約破棄を言い出したらしいな。しかも自分に落ち度があるにもかかわらず、ミリア嬢に冤罪をかぶせようとしたらしい。私も同じ学園にいるのだ。どちらが本当のことを言っているのかぐらいはわかる。ましてや男爵令嬢に入れ上げるなどありえん話だ。弟のけがに関してはグルーデン伯爵令嬢からの暴力と言っているらしいが、君はミリア嬢とは何の関係もないらしいし、見ていた者たちも君から弟への暴力などはなかったと言っている」


「はは~。王太子殿下が本当に素晴らしい人で良かったです。わが伯爵家にもお咎めなしということでよろしくお願いします」

ベットの上で土下座をし、神に礼拝するかのように礼をした。



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