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ミリア様の恋と兄コモン 2

 目の前にゆったりと座るミリア様は世俗とはかけ離れた雰囲気で上品にお茶を飲んでいる。


「ミリア様。コモン兄は目の前に妖艶な女性と剣が置いてあったら、それが錆びたものであろうと折れた剣であろうと絶対に剣を選ぶ男です。間違っても女は選びません。今までそういう風に生きてきました。ですので第2王子みたいなことは起きません。安心してください」


「まあフィーネ様ったら」

 うふふと笑うミリア様も綺麗です。


「そんな兄が初めてほめて絶賛した女性がミリア様なんです。うちの兄をよろしくお願いします」


「まあ。それは私の言葉だわ。コモン様のような誠実な人と出会うことができて今は婚約解消してくれた第2王子殿下にも感謝の気持ちが出てきたくらいですもの。フィーネ様のような強くて優しい女性と姉妹になれたらどれだけ……」

 そこまで言ってミリア様を見ると、顔から耳まで真っ赤に染めたミリア様が口元を押さえていた。


 可愛らしすぎないかな、この人。

 ミリア様を見ていてフィーネは自分まで顔が赤くなってしまった。


 父にこのことをこっそり教えると、プレスト公爵からコモン兄を公爵家へ婿として迎え入れたいと申し入れもあったらしい。内内だが話は進んでいる。 


「コモンは領地経営なども教えていたから、今後公爵家のことを教えてもらっているうちにいずれはそつなく出来るようになるだろう。だが、これからシャープに領地経営とか教えなければならんのが一番の課題だよ」


 頭を抱えている父だが長兄が次期公爵になるというのは思いもかけず嬉しい話らしい。コモン兄は想像以上に頭が筋肉質で固く、不誠実なことは絶対にしない男なのでフィーネとしてもミリア様を預けるにはなっとくできる男だ。


 コモンも高嶺の花のミリア様のことを直視できないらしく、頑張って平常心を保とうとしているのだがミリア様の前だと右手と右足を一緒に出し、直立不動にカチンコチンと歩いたりしている。


 それでも、そういった真面目な性質をプレスト公爵も嬉しく思っていらっしゃるようで「ミリアの目も確かだな」とよく我が家で笑っていらっしゃる。

 いいことばかりだ。




お読みいただき、ありがとうございます。

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