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ミリア様の恋と兄コモン

 その日の夜遅く王宮から帰ってきた第2騎士団長をしている兄コモンが持ち帰った情報では速やかにミリア様と第2王子殿下の婚約は解消されたそうだ。破棄ではない。

 しかも第2王子はミリア様に冤罪までかぶせようとしたことも分かり慰謝料も払われることとなったようだ。


 第2王子殿下は北の塔へと1年間の幽閉、王位継承権の剥奪となったらしい。

 罪状の中には不正な横領(王子妃へのプレゼントとして購入されたエイミー嬢へプレゼント、つまり私的利用、横領も含む)も含まれている。


 噂によると幽閉の塔とされる北の塔は外へ出ることも難しい完全要塞タイプの塔ではあるが、中は自由に歩き回ることもでき、しかもいつだれが使用しても大丈夫なようにと綺麗にしてあるらしい。


 幽閉じゃないじゃない、とも思ったが王族だし、そんなものかもしれない。

 王は学生時代からの恋人である側妃とその子どもである第2王子にかなり甘い、噂通りだ。


 エイミー嬢は実質何もしていない……第2王子殿下からいただいたドレスや宝石などは没収されたらしい……ということでお咎めなし。ただ公爵令嬢を陥れようとしたという噂は王都だけでなく国中に新聞などで騒がれたこともあり知らぬ人もいない状態だ。

 そのため男爵家は事業もままならない状態で財政的にかなりきついものになったようだ。噂では服一枚買うことをためらう状態らしく使用人も今は雇っていないらしい。もちろん学園は退学となった。


 2人の中がどうなったかは興味がないので知らない。


「コモン様は昨日は夜遅くまで出仕されていたので今日はお休みと聞きましたが」

 ミリア様はなぜか毎日のようにグルーデン伯爵家へと遊びに来るようになった。


「兄ですか。アニー、コモンお兄様は起きていらっしゃるの?」

 母と同じくらいの年齢の侍女であるアニーに尋ねる。


「先ほど起きてこられていました。遅い朝食だ! とか言われて朝昼兼用で食べると言われていました」


 コモンが起きていると聞いて、ミリア様が花がほころぶように微笑む。

「まあ、コモン様とご一緒してよろしいかしら」


「もうそろそろお昼ですし、私たちも兄と一緒に昼食をいただきましょう、ミリア様」


 見ているうちに分かったこと。ミリア様は驚いたことに鈍感筋肉男であるコモンを憎からず、というか真剣に好感以上の想いを抱いているようだ。しかも積極的に行動的に目に見える形で表現されている。


 グルーデン家へ来てはコモン様の好きなものはとかコモン様の好きな食べ物とか、コモン様のお好きな場所とか、特技とか趣味とか聞いてこられる。


 まあ、好きなものは剣です。好きな食べ物は何でも。好きな場所は剣の打ち合いのできるところ、特技は剣舞も剣もだし、趣味は体を鍛えること。ちなみにそんなに好きではないのは本を読んだり、一つの場所にじっと座り続けることですかねぇとフィーネは答えた。


 まあ、コモン様ったら。と嬉しそうにミリア様は答えていらしたが。


 フルーデン家の侍女に聞いて騎士団詰め所へ行き、差し入れもしているらしい。

 兄は美しすぎるミリア様に赤面カチカチになり受け取っているという話を次兄シャープから聞いた。



いつもお読みいただきありがとうございます。

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