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対外的には誤魔化せたと思います

 なんとなく第2王子を殴ったことから話はそれた気がする。フィーネは思いもかけず追及されなかったことに扇で笑みを隠した。

 うまくいったかも、と。


 第2王子殿下を殴ったのは2回目。

 どさくさ紛れではあるが2回とも誤魔化せたような気もする。


「わたくしの本来の目的はフィーネ様に話がありましたの。ですが無理そうですわね。また明日にでも来てもよろしいでしょうか」


 ほんのりと笑ったミリア様から色気まで感じられるようでフィーネはコクコクと頷いた。

「もちろんです」


「私への対応とミリア嬢への対応に差がありすぎるのではないか」

 がっかりというふうに王太子殿下が表情を崩した。


 あったり前でしょう。フィーネは王子から視線をそらした。


「ミリア様はわたくしにとってあこがれの人なんですのよ。学園でも誰からも憧れられる素敵な人ですわ。綺麗で可憐で すてき! なんですのよ。

王太子殿下はもちろん誰からも憧れの方です。文武両道だし。令嬢は誰でも憧れているのじゃないでしょうか。兄も言っていました。付き合った人も多いって。……私もそんな素敵な王太子殿下に一臣下として仕えさせていただきますわ」


「一臣下としてね……兄というとシャープだな。……ここ数年、私は誰とも付き合っていないよ。まあ誰か隠れた素敵な令嬢はいないかと思って言い寄ってきた令嬢と付き合ったことが以前は確かにあったが。私から声をかけたことは一度もない。まあ、派閥のバランスや令嬢の気質など合わない人が多かったしね。令嬢は上手に本来の自分を隠す。……妥協も必要かと思うこともあったが長い人生を過ごすのに妥協は無理だと思ってね」


「……妥協…ですか」

 弟も弟なら兄も兄だ。

 令嬢たちも王太子殿下の前だから猫だってかぶっていただろうに、その努力を何と思っているのだろう。

 令嬢に対して妥協とかひどいと思う。どういうつもりだろう。


「うふふ。王太子殿下のそのような様子は初めて見ましたわ。フィーネ様を気に入っていらっしゃるのね」

「ミリア嬢は分かるのか」


「ミリア様、違います。王太子殿下は私を珍獣のように面白がってるだけですわ」


 だって弟、しかも王子である殿下を殴った女。しかも1回目は騎士もうっすら見てしまっている可能性が高い。蹴ったりしたことも…多分この人の事だから情報は得ているはず。

 2回目は確実に見ている。多分珍獣のように思ってからかっているのだろう。


 だが、その手には乗らない。

 いつ不敬罪が出動して私一人の打ち首どころか、我が家の没落になりでもしたら目も当てられない。


 何としても誤魔化し続ける。

 そして、もう二度と殿下を殴ったりしない!



いつもお読みいただき、ありがとうございます。

読み返してみたら9話と10話を入れ替えていました。

ちゃんと10話を9話に、9話を10話に直そうと思いましたがどうやってなおすのか分からないため時間のある時に修正したいと思います。

せっかく読んでいただいたのに本当に申し訳ありません。

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