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1章1話

この物語はフィクションです。あしからず・・・

 私が高校に入学して3ヶ月が過ぎ、もうひと頑張りで夏休みに入ろうかという時期だ。

 午後のHRが少し長引いていた。先ほどから小太り薄髪という典型的な中年男性の林担任が声を荒げていた。どうやら男子トイレでタバコの吸殻があったらしく、林先生は躍起になって犯人の男子生徒を探しているようだった。順々に男子が昨日の放課後何をしていたかを林先生が聞き出していた。この暑い中ご苦労様なことである。

 最も私はというとそんな事お構いなしにせっせと内職・・・

もとい隣の席に座る友人、京子と机の下でメールのやり取りをしていた。


―――明菜ー!今日部活終わったらカラオケいかない?  kyoko

―――いいよー!誰誘う?  akina

―――実はもう誘い済みー!男子バスケ部の面子揃えてみましたー!テヘ☆  kyoko

―――うぉー!やるじゃん!お金はモチロン?  akina

―――男子モチ!  kyoko

―――イェーイ!今月厳しかったから助かったb  akina

―――相川君も来るよ!明菜狙っちゃえよ  kyoko


 私と今日は女子バスケ部に所属している。形こそ正式な部であるが、私を含め所属する多くの部員はダイエットがてらに週3日程活動するだけのサークルみたいなものであり、また女子と違いみっちり毎日練習に勤しんでいる男子バスケ部を鑑賞するといった俗物めいた一面もある。

 相川君は隣のクラスで男子で、容姿端麗爽やかボーイにして1年生唯一の男子バスケ部レギュラーで活躍する女子に人気のある男子である。

 この内容から察するに私と相川君をくっつけようと京子が言ってるように思えるがその実、内心では京子が相川君に好意を持っている事を知っている私には照れ隠しである事を察していた。


―――ふっふっふ。私が相川君とくっついちゃうと私の隣の席に座ってる女の子が嫉妬にまみれてしまうからイヤよ★  akina


 そう返信すると京子の程よく日焼けした麦茶色の肌がほんのり赤くなり、私を横目で睨んできた。京子は周りの女子生徒より少しぽっちゃりしている事にコンプレックスを持っているせいか進んで自分から恋愛をしようとしない。むしろ私や友人にあの男子なんてどーよ?とよく婚活指導員のような発言をよくしている。

 ひとしきり京子をからかうと、教室に男子生徒の声が突然響いた。

「先生。自分これから用事あるんで帰ります」

 振り向いて教室の後ろを見ると一人の男子生徒が長いHRに痺れを切らしたのか席を立ち、まさに帰ろうとしていた。

 冴島誠、たしかそんな名前だった気がする。入学当初から絡んだことない人物の一人だ。

 むしろ冴島君が誰かとお喋りしている姿もあまりみない。どちらかというとクラスに馴染めていない印象を受ける。

「待て冴島!オマエは部活動に所属していないだろう!つまりアリバイが無いんだ!」

 林先生が大きな声で犯人は冴島君だと決め付けるかのように下衆な笑いを浮かべて言った。

 しかし彼はそんな事を気にもせずに「俺、関係無いっすから。んじゃお先に」っとそそくさと教室を出て行ってしまった。


―――ちょっと何アレ?冴島君ってあんなキャラだったの?  kyoko

―――私もビックリー!みてみて!林先生顔真っ赤だよキモ!(笑)  akina

―――ホントだwタコみたい!タコ林決定!(笑)  kyoko


 こんなやり取りをした後、林先生は犯人は冴島だと勝手決めつけ、長引いたHRもやっと終わりを迎えた。 


 

 部活で一汗かきシャワーで汗を流した後、私と京子そして相川拓哉君と津田勇気君の4人は直行で駅前のカラオケ店に向かった。津田君は私達と同じクラスでお調子者のキャラとしての地位を確立したいる生徒だ。饒舌で親しみやすく男女関係無く人気がある。

 「「「「カンパーイ!」」」」 の合図で始まった合コンもどきなカラオケはそれなりに盛り上がっていた。

 私はそんなに歌が好きという訳ではなかった。音楽の成績もまぁ普通というレベルだし、j-popもカラオケ対策で普段聴くぐらいなので、基本的には聴き役としてその場にいるという感じだった。

 それでも京子や友人と行くカラオケはいるだけで楽しい気持ちになれるから不思議だ。

 京子と津田君がデュエットをしたり、相川君が洋楽を振り付けをしながら熱唱したり、みんなで流行の曲を踊ったりと、これだけ楽しめて無料なのだからおいしいなと思った。

 さらにカラオケをしていて気づいたのだが、津田君は京子に気があるみたいな気がする。チラチラ津田君が京子を見ているのがわかりやすいくらい顕著にでていた。

 京子は相川君を津田君は京子を・・・う〜ん三角関係!っと頭を傾げていると相川君が私に喋りかけてきた。

「雛形、前から僕けっこう雛形のこと気になってたんだ。よかったら携帯番号教えてよ!」

 私はそれほど鈍感なわけではない。軽いノリで話てはいるが彼の目が真剣な男のソレだと云うことくらいは察っせた。

 少し考えたが結局断ることにした。

「ごめんねー!ウチはパパがウルサイから男子に番号教えられないんだー」

 モチロン嘘であるが、京子の事を考えるとこう断っとくのが吉かな?っと思いその場を乗り切る事にした。相川君は残念そうに、そっかーっと呟くがそこはすぐに気持ちを持ち直したのか、じゃあまたカラオケしよーぜ!と私にキラキラ爽やかな笑顔とお言葉を向けてきたので京子と津田君も一緒にねっと答えておいた。

 時刻は午後8時、歌い始めて2時間経った。そろそろ喉が疲れてきた私達はジュースを片手にすっかりお喋りムードになっていた。

「今日、HR長かったわねー!津田君半分寝てたでしょ?」

「ぶ!気づいてたか!でもそういう京子だってずっと携帯弄ってたじゃねーか!」

 なんで寝ぼけながらで京子が携帯弄ってたこと知ってるんだと突っ込みたいが、津田君の名誉の為に伏せておく。

「ソレ私とメールしてたんだよー!林の顔が真っ赤だねーってさ!」

「あぁ、もしかしてタバコの吸殻があったってやつ?」っと相川君。

「そうなんだよー拓哉!おかげでHR長引いちまって部活遅れて主将に理不尽な説教を食らったってよー」

「ハハハ津田またレギュラーへの道が遠のいたね!」っと京子が茶化す。

「だな!まぁ勇気はそんなことしなくてもレギュラーになれないけどな!」っと相川君が追い討ちをかける。

 私達が笑いに包まれたその時、時間終了の電話が鳴り、今日は解散することになった。


 私以外の3人は電車通学なので、私は自転車で一人で帰っている。

 相川君が気を使って送ろうか?っと言ってくれたが、電車の中で京子と会話をして欲しいなと思ったし、奢って貰ってさらに送らせるのはさすがに悪いので丁寧にお断りを入れておいた。

 私の住む中野区は、新宿から近く比較的栄えているほうである。カラオケ店のある中野坂上駅からの帰り道も照明が行き届いているため、両親自分共に安心できる街だといえるだろう。

 しいて苦言を呈せば、キャッチの方々が多くいるため幾度となく声をかけられて面倒くさいと云う事だろうか。

 沸いて来るキャッチをあしらいつつ、信号待ちをしていると反対の通りにある大型デパートから見覚えのある男子学生服が出てきた。

 無意識に視線を向けると、それは冴島君だった。

  彼はふくよかな体躯をした中年女性数人が彼の周りにいて、親しく楽しそうに話しているその場は少し異質なものだと思った。女性達はそれぞれに中年女性独特の派手な服装をしていてそんな人達と親しく会話する冴島君はどこか大人びた感じがする。

 そんな事を思っていると信号が青になり、私はそそくさと自転車を漕ぎ始めた。 

 


後書きです。

女子高生・・・ギャル・・・JK

いつの時代も彼女らは時代の最先端で主役だなぁっと思います。

職業上、学生の相手をする機会が多いのですが、女子高生は多感な中学生より少し精神的に落ち着きだす印象を受けます(キャラ意識なのか無意識なのか幼児化一直線の子もいますがね・・・苦笑)

モチロン、人それぞれですがねっと前置き。

女子中学生にちょこっと話かけてみると顔を背けられたり、たどたどしく言葉を紡いでなんとかコミュニケーションをとれるくらいの子が多いです(作者のせいかもしれませんがね)

それが高校生になるとどうでしょう、なんとまぁ活発的な事か!眩しいっす!

派手な風貌をしたギャルから大人しい印象の子まで気軽に「せんせい!ジュース奢ってよ!」とたかって来るではありませんか!(作者貧乏につきやや愚痴気味・・・)

同僚の女性が徹夜明けの虚ろな目で「ジュース買ってきて・・・」と言われるのと少し切ない気持ちになりますね・・・(女性の方注意ですよ!気持ちを若く!)

まぁ、作者が一番好きなのは、やはり小学生低が(危険思考につき以下省略)

長くなりましたが、こんな作者が書く物語でよければ今後もどうかお付き合いをb


黒珈琲より

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