16話 一人では生きていけないって台詞が嫌いなのよ
夕方、そろそろ試合が始まる。
次は風火戦。
選手の控室で、私は椅子に座ってじっとしていた。
頭をにきのこが生えているかのような感覚だった。
いや、あくまで例えであって、ホントに生えた経験はないが。
とにかく……ずっと迷ってる。
私は戦うべきか。あえて負けるべきか。それとも逃げるべきか。
合理的に考えれば、負ければいい。
徳宮テクノロジーを潰されてしまえば借金は返せないから、徳宮テクノロジーを守るべきだ。
社長もそういう考えで負けてくれと言ったのだろう。
でも感情を優先させるなら勝ちにいくべきだ。
風火には負けたくない。色々アイツには嫌な思いをさせられている。
だから確かな憎しみがある。
両立は出来ない。
どちらか捨てないといけない。
そういう選択の場所に、私はいる。
例えば、底がが見えない二つの穴から一つ選んで飛び込むような。
どちらかには槍が、どちらかには剣がしかけられている。
そんな状況。
いや、こんなたとえ話に意味は無い。
時間稼ぎだ、考えないための。
「……で、じゃあ、どうする?決めろよ」
自分にそう言ってみるも、未だに決めかねていた。
……思考は堂々巡りで無意味だ。
「……逃げちゃおっかな」
ポツリと最後の選択肢を呟く。
悩むのをやめて、この場所から逃げ出すことも別に不可能ではない。
一応サイクロンガール戦のファイトマネーがあるので、電車やタクシーといった乗り物も使える。
そもそもが私がセーフキリングで戦い続ける理由なんて、親が作った借金問題。
やりたくてここに来たわけじゃない。なし崩しにやってきた。
そりゃ多少試合自体の楽しさはあった、でもどうでもいいと思えばソレで良し。
試合も、風火も、全部捨てて過去のモノとして忘れてしまえばいい。
「……どこに逃げようか」
私の中でシュミレーションが始まる。
家族と縁を切って借金逃れする方法や、桂木達に引き止められずいなくなる方法といったいろんなもの。
だけどいまいち、現実感のある作戦が浮かび上がってこない。
こんなの現実逃避でしかないのだから、当然だ。
べつにそれが絶対に悪いとは言わない。
何もかも放り投げてしまっては、私の性格上結局は後悔するのだろうけど。
いずれ、平気になっていく。
だけど、なぜだろう。
私の中で引っかかる部分があって、ため息をついて、また悩む。
何一つとして妙案は出てこなかった。
そうやって無駄に考え時間を無為にしていると
突如、ゆっくりとドアが開く。
なんだろう、誰だろう。
桂木か?
ぼけっと、馬鹿みたいにボンヤリそっちを見ていると。
「ど――も」
と、ちょっと乾いた感じの声で入ってくる奴がいた。
誰だかわからない、とりあえず隅々まで観察してみる。
胸を見るに間違いなく女性。
白色のtシャツに青色の長ズボン、そしてバックを肩から下げた格好をしている。
なんだか攻撃的にツンツンした茶髪をしている。
穏やかな顏つきには似合ってない。
身長は女性としては高め(いやまぁ、私が視線を少し上げる程度だから175cmくらいだろう)か?
筋肉の付き具合はそこそこ、鍛えてはいるがマッチョと言うには少し足りない。
まぁでも、そこら辺の成人男性よりは筋力があるのは間違いない。
……ここまで身体的特徴をあげつらったが、私の記憶の中にこんな奴いない。
こいつ誰?
「どちら様ですか?」
座ったままでは何かあった時対応しずらいので立ち上がり聞くと、女は笑った。
「茨木 一閃 記者」
彼女は名刺を差し出してくる。
でも今言った名前と、電話番号と、職業;記者という表記だけだ。
「……どこの会社の?」
「フリー、聞いたらそこそこビックリするような成果もあげてるわよ」
正直である。たぶん。
「取材に来たんです」
思い出したかのように一閃は言う。
「取材するっつっても、徳宮テクノロジーへの許可はとったんですか?」
「また忘れた、しまった」
さらに正直。
一閃は、苦虫を食ってしまった後のように、笑うしかないといったように、苦笑した。
なんだ、その雑さ。
そういえば、サイクロンガールの言葉に許可も取らず無茶な取材をしてくる奴がいるとか言ってた。
もしかしてこいつがソレか。
桂木あたりを呼ぶべきだろう、この人が危険じゃない保証はない。
そういう冷静な判断が、私の脳みそでなされる。
だが、心が、心だけが、それを拒絶している。
今は、誰かに頼りたくなかった。
馬鹿な行いだと、自分でわかっていながら。
「取材することなんて、何かありますか?私に?」
女は頷く。
「あの不動霞の後継者が何を思うのか、ソレを聞きに来る価値はあるのよ」
また不動霞だ
まただ、あぁクソ。
いい加減鬱陶しい。
「もっとも、あなた自身にも興味はあるけど」
え。
意外な反応が来て、少しだけ驚く。私自信に興味がある奴などいないような気がしていた。
すぅ、と一閃は息を大きく吸った。
そして一気に言った。
「前のめりに見えて実は慎重派な、獣のような戦い方、極端に高い反射神経や基礎身体能力、熟達した格闘家のようなパンチやキックを打てるわりには間合いの取り方だったり立ち回りはやけに手探り、あとおまけだけど他にはなぜ髪留めが針金なのかとか?」
目を輝かせて、一閃はまくしたて続ける。
このままだと永遠に終わらないような気がした。
「あの、取材はどうしたんですか?」
そういって、話の流れをぶった切る。
「……あ、そうだった」
微妙な空気が流れる。
お互い手持無沙汰だ。
今なら自然に武器が取れる。何かあった時の準備ができる。
だから
「とりあえず、だいぶ観察力があるのはわかりました」
頭を下げながら椅子を、後ろ手で掴む。
一閃の体は明らかに強者のソレだった。
腕や足が長かったり服のサイズが大きいせいで、細身に見えるが、筋肉量は間違いなくそこら辺の一般人より多い鍛えているのは確実。
「あ、それ武器のつもり?」
え。あ。え?
彼女から見えないように掴んでいるのだが、私の行動はさも当然に見抜かれた。
やべ、バレた。
何かあってもコレじゃ不意打ちにならない。
「暴力には慣れてるから、わかる」
一閃は自分のtシャツをめくりあげ、腹を見せた。
無数の傷跡が否応なく目に入る。
銃弾やナイフ傷、大火傷といった明らかにヤバい奴の痕跡。
尋常じゃない程ある、さながら傷口の博覧会だ。
そして一つ一つの傷が、生きてるのが奇跡レベルの大怪我だ。
よく見れば、腕や脚の節々にも怪我の痕があった。
怪我をしまくるのは、弱いもしくは頭がおかしい証拠だという。
多分後者なのだろう、生命力、悪運、そういったものが彼女は強いと見れば解る。
私は手を椅子から離した。
こんな奴と、何かあっても椅子じゃどうしようもない。
ならば、諍いを生まないようにすべきだ。
手遅れかもしれないけど。
「じゃ、聞きたいことがいくつかあるわ」
許可を出していないのに、彼女は楽しそうに質問してきた。
メモ用であろう朱色の手帳とボールペンを持って。
「まず、どうしてセーフキリングに参戦しようとしたのですか?」
突如、敬語になった。
ソレがインタビュアーとして、記者としての礼儀だというかのように。
「……今より、幸せになるために?」
自分でも、なぜだか、言ってしまった。
答える必要など、無いハズなのに。
「なるほど、ふむふむ」
ペンを一閃は走らせて、そしてこっちを見た。
目を輝かせている、ヒーロショーに来た子供の様に。
「前任の不動霞さんについて、何か思うことは?答えたく無ければソレでも構いませんが」
「知り合いじゃないのでよくわからないけど、負けたくないとは思ってます」
……また、私は答えた。
さっきより、わからなくなる。
自分が何をしたいのか。
「それでは……」
一閃は、咳ばらいをした。
ソレから満を持して言う。
「悩みあるでしょう?」
へ……?
一瞬、思考が掻き乱れる。
彼女が敬語を止めている事なんて、意識の外になってしまうくらい。
彼女はハッキリ確信して言っている。
きっと、見透かされたのは風火との暴力事件の事だ。
マズイぞ、”その事”はあまり聞かれちゃマズイ。
クソ、なぜわかった?どっかで失言したか!?とにかく、誤魔化さないと。
「べつに、悩んでなんか、いませんよ」
「わかりやすいわねぇ!」
一閃が驚いていた。
「な、なにが?」
「聞かれたから答えちゃうけど、あなたがです」
え?
「あなたみたいに、感情を表に出そうとしない人とは何度か会ったことがあるけど、そういうタイプの中ではトップクラスにわかりやすい」
いや、何を言っている。
あ、記者だからか。
記者だから、そういう他人への評価に自信があるのか。
いや、そうか?
そもそも何を唐突に言うんだ。
私が何か、彼女にそういうこと言わせる空気でもかもしたか?
ああ考えるのめんどい、牛丼食べたい。ガムも。
思考が混乱していた。
「だいたい想像はつくわよ」
一閃は、私に一歩近づく。
肌は案外、綺麗だった。
「元々は素直な人間で、だけれども激しく心を傷つけられたことがあって、心を抑えこんで、その結果自分でも、自分がわからなくなるような人間、それがあなた?」
なんだか、答えをほぼ確信したかのように具体的な質問。
一閃はいつのまにか敬語が抜けている。
「ま、そうだとしてもそうじゃないとしてもいいけど、悩みがあるのは当たりでしょ?」
一閃はじっとこちらを見据える。
早く悩みの内容を知りたいと思い出したらしい。
これ以上、誤魔化してもいられない。
だから、その話題に乗ることにした。
「……悩みの内容は、言えません、秘密です」
一閃は、少し目を見開いた。ショックを受けたらしい。
でも、ちょっとがっかりした様子で手帳とボールペンをバッグにしまう。
そして一歩下がった。
「言いたくないならいいわ」
完全に敬語をやめた、記者としてはもう私と話してない。
意外である。
無茶な取材をすると聞いていたが、やめろといえばやめる。
話して見れば、意志の伝達はソコソコできる。
いやまぁ、許可も取らず控室までやって来てたり、あんな大怪我を勲章のように語るし、この人が普通だとは絶対に言えないが。
でも、だけれども。
人を好きになるのが少ない私でも、彼女になぜか親近感のようなものを抱いていた。
勝手にここに踏み入る歪さのように、私と違う点は多い。
だが、人をいちいち見定めようとすることだったり同じ部分も多い。
そんな彼女だからだろう。
「……私は、岐路にいて、どっちに行くか考えてる」
なんとなく、私と似た部分があったうえで立場も年齢も性格も全然違う彼女だからこそ、何か私の視点からじゃ見えない答えを持ってるかもなんて無駄に期待して。
遠回しで核心をつかない表現をした。
「ん?」
一閃は身を乗り出して聞くが、手帳もペンも持ってはいない。
「合理性や他人を優先するか、感情や欲望や自分を優先するか、どうすればいいんですか?」
「どうしようもなく大切なものなら、感情と欲望」
一閃は即答した。
「欲のまま生きられたら、幸せじゃない」
「そりゃ、そうですけど」
誰だって自分の欲望を満たせたら嬉しいだろう。
飯が食いたいとか、金が欲しいとか、楽しい事だけしてたいとか。
でも。それだけじゃダメだ。
「そうしたら、周りに迷惑がかかる場合はどうしますか」
例えば、私みたいに。
「私ね、一人では生きていけないって台詞が嫌いなのよ」
一閃の言葉は予想外だった。
「は?」
意味不明さに、私の体は石のように固まる。
「だって、意味を裏返したら一人でしか生きていけないような性質の人間は死ぬしかないって言ってるようなもので……そういう人にとってあんまりに残酷な言葉じゃない?」
「え、まぁそうですかね」
石の意思はおぼろげで、一閃がなぜそんなこと言い出したのかがよくわからない
「私は望みさえ果たせていれば、一人でも生きていきたい人間だと思うわ」
なんとなく思う。
この会話のキャッチボールは、ボールに5トンの鉄球を使うようなものでつまり、たぶん重すぎて私に届かなかったのだと。
おそらくは、彼女の過去に絡んでくるのだろう。人生全てを変えるほどの過去に。
それくらい思い重いだ。
ダジャレになった、わざとじゃない。
ともかくそれを知らない私には全てが伝わるワケが無い。
そんな過去が、彼女の事が、気になる。気になって仕方がない。
好奇心がいきりたつ。
でも、それほどの重たさ。すこし踏み込むのが恐ろしい。
だけど、彼女が言おうとしていることは何となくわかった。
鉄球はデカいから、見えたような気がした。
「……本当に大事なことのためならば、一人で生きることになっても、周りを捨てていくことになっても進むんですか?」
一閃は頷いた。
「世界を壊してでも貫きたいことがあるのだったら、やるべきよ」
世界、なんて大層な言葉が出てきて少しだけ驚く。
それは会社や、家族と言った小さなまとまりを世界と捉えることを私もたまにするからだ。
だからといって、一閃にべつに親近感は抱かないが。
しかし、一閃の結論は納得し難い。
「それって正しい事では無いですよね?ただの我儘じゃないですか」
「全ての行為が正しいわ」
一閃は即答した。
「人殺しや、窃盗も?裏切りや、虐待も?……記者の人とかが犯罪被害者に迫って精神的に追い詰める事例もありますよね、それも」
ついそんな事を聞いてしまう。
最後に記者の悪事というのを持って来たのは、何となくだ。
何となく、嫌がりそうな事を聞きたくなった。
私のどす黒い部分がひり出され、代わりに罪悪感の塊が体内に満ちる。
一閃はしばらく、思いつめた表情をして。
「……私はそういう行為が嫌いよ、だけど良心や倫理に従うのが絶対正しいってこともないでしょう」
絞り出すように感情が返って来た。
ソレは”正しさの否定はしない”ということだ。
もっとも一閃さんの言う“嫌い”も事実なのだろう。
感情と理屈は分けられる。
例えば、飢餓寸前のAさんが歩きまわってようやく見つけたパンのひとかけらを食べようとしていた。
パンを食べようとした瞬間に、また別の……飢餓寸前Bさんが現れた。
さて、AさんはBさんにパンをわけるだろうか?
ひとかけらなんてモノ、わけたら絶対両方死ぬ。
わけないのが、普通だ。だってわけたらAさんは死ぬんだから。
それは正しいことだと思う。
でもBさんは嫌うであろう、憎むであろう。Aさんが正しいと思っても。正しくないと感じるのだろう。
ちなみに私がAさんならばパンをわけないし、BさんだったらAさんを憎むとまではいかないものの嫌う。
私はそういう人間だ。
このたとえ話が一閃の状況や感情とかみ合うかどうかの話はともかくとする。
これは正しいと思う事と正しくないと感じる事が両立できるという話だ。
でも、一閃は”嫌い”と言うのだからべつに人殺しを肯定するのでなく、むしろ否定派なのだろう。
ともかく、こんな話は今の私の状況には刺さる話だった。
全てが正しいならば、風火と戦うのも、戦わないのも正解。
全く別の選択肢を取ってもいい、逃げてもいいのだ。
どう進んでもオッケー、どうせ何が正しいかなんて結果が出るまで、いや、結果が出てすら誰にもわかりゃしない。
そういう話。
でも、どう選んでもいいなら、結局は変わらない。
最初っから私はそのことで悩んでいた。
彼女の話のせいで余計に惑う。
全ての選択肢が等しく許されるのならば、取捨選択なんて適当にするしかない。
でも、適当にできるわけないじゃんか。
そして、余計に迷う。
だからこそ、それに気づいた。
心の内を探っていると、激しく主張してくるのだ、それは。
私の腹の底にあるどう見ても冷たいもの。
でも触ってみると火傷しそうなほど熱を帯びていて、血よりどす黒い。
きっと皆が少なからず持ってる獣のような欲望が、私の中に確かに在った。
重く、強くそこには。
コレの正体は。熱意。意地。
それらとは微妙に違う気がして、困る。
そんな私を知ってか知らずか、一閃が話を再開する。
「もっとも、そういう一般倫理に反するものに対して罰を与えるのも、また”正しい”行いよ、だかから善行や正義、法律や倫理を否定してるワケじゃないのよ?」
唐突に一閃の話は教訓的になった。
「つまり、悪い人には悪い事が起きる、好き勝手やれば、他の人に好き勝手に殺されても文句は言えない」
「文句を言うのも正しいけれど、因果応報はあるって話ね」
でも、私はソレには反論したい。
「無茶苦茶やって、色んな人に迷惑をかけて、なのに償わず余生を送った人は歴史を見てもいっぱいいますよね?」
歴史――、なんて言うけど、これまでの私の短い人生の中でもソレは幾度となく出会って来た存在だ。
例えばいじめ。
私が受けたワケでも無い。かといってやったわけでもない。
だって友達とかいないからやる相手いないし。
ただ、小学生の頃自殺者が出るまでいじめた人間が同学年にいて。
そんで、廊下でたまにすれ違うことのあったその人は今も普通に生きてるって聞いたことがあるだけだが。
確かにそれは在った。
一閃は頭をポリポリ掻いた。
「ソレは」
何か言おうとして、そして、パッと表情が変わる。それの性質を言葉で表すなら警戒。
「あの?どうかしたんですか?」
一閃は何かに気づいて黙っている。そして耳に手をあて、集中している。
「……来たか」
呟いた。
なんだろう、私も音に集中すると
凄く遠くから、こちらに近づいてくる足音がある気がした。
基本一定のリズムだが、偶に崩れる足音のテンポは多分桂木か。
取材の許可取ってないから一閃は桂木と出くわしたら間違いなく怒られる。
だから、桂木が来るのならば、彼女はココを去らねばならない。
すぐ、一閃は私に“じゃあね”と耳打ちした。
それから、部屋を出て行こうとしてるのかドアノブに手をかける。
だけど、立ち止まって顔だけこっちに向けた。
「ポニーテール、似合ってないわよ」
「……は?」
「そんなこと言うために立ち止まったんですか?」
私は聞いたが、一閃の姿は既に消えていた。
足音が遠ざかっていくのだけが聞こえるが、それもすぐに消えた。
しばらく呆然としてしまった。
それから、我に返ったのは
立ち尽くす私に
「試合始まりますよ!」
と桂木が言いながら部屋に入って来た時だった。
「銃が新装備に変わってるから、ソレは心構えをお願いします!」
そんな、ワクワク感あふれる言葉と共に。
……いつもだったら、“新装備!?アサルトライフルとか来るの?‼よっしゃ――!”なんてテンション上がってたんだろうが。
そんな気持ちになれなかった。
いまなお、私はどうするか迷っていた。
試合はもうはじまるってのに。