「見たか! これが、俺の力だ!」
ダビィさんと別れて、馬車で教会に急ぐ!
大きな街だからか? この街には、教会が2つ有った。
「ここじゃあ……」
おやっさんの案内で、着いた教会は…… 街外れの古ぼけた。小さなボロい教会だった。
「ヤバイな…… 静かすぎるぜ…… 旦那」
「おやっさん!? この臭いは…… 奴等じゃないか?」
「何!? な、何故、街中に…… ゴブリンが!」
夕飯時にも関わらず、子供達が居るはずの教会は静まりかえていた。
ボロい教会の建物から、不快な…… 森で初めて嗅いだ臭いがする。ゴブリンの臭いだ!
「まずいぞ! おやっさんは、この事を報せてくれ。俺とアドルフが警戒する」
「わかった! 直ぐに人を連れてくる。頼むぞ!」
「ああ、急いでくれ」
おやっさん達を送り出し、俺とアドルフは教会に向かう!
「アドルフ、索敵を頼む」
アドルフは頷き、俺達はアドルフの指示で教会の建物に近付く……
「ギ…… ボス、ドウスル?」
「ガキ共を探せ! あいつの妹を捕まえろ!」
「ガキヲ、サガス!」「ガキヲ、サガス!」「ガキヲ、……」
壊れかけた窓から、中の様子を伺うと…… ゴブリン共に指示をする男が!?
見覚えがある…… 冒険者ギルドの停留所で、おやっさんと揉めた。デニスに因縁がある男…… ザコスだ。
(旦那、あいつ1人に、ゴブリンが5匹だ…… 後、人の気配がするなぁ…… たぶん、地下に隠れて居るな)
地下室か…… どうする…… おやっさん達を待つか?
「ボス! トビラ、ミツケタ!」
祭壇の床に隠し扉が有ったらしい。あ~! めんどくせぇ!
「アドルフ、殺るぞ!」
「了解だ。旦那!」シュ…… ドス!
返事と同時に、アドルフが扉を見付けたゴブリンの頭を射抜く!
「ギ、ギャア! テキ、テキダ!」「ボス! ボス!」「ドコダ! テキ、ドコダ!」
ゴブリン共が騒ぎ出す、俺は、その隙に教会内の椅子の陰に移動する……
「お、落ち着け、俺を守れ!」
ザコスがゴブリン共に指示を出し、教会の壁沿いに移動した。
「何処のどいつか知らねえが、俺を殺せると思うなよ! ゴブリン共は、まだまだ喚べるんだよ!」
ザコスが錆びたナイフを床に刺す!? 魔法陣! 召喚アイテムか?
「見たか! これが、俺の力だ!」
勝ち誇るザコス…… イラつくが…… この調子でゴブリン共を喚ばれるとヤバイな。
アドルフの矢が尽きるのも、時間の問題だし…… ザコスとゴブリン共が5匹……
うん……? ゴブリン共が5匹?
ザコスは死んだゴブリンの数しか召喚してない…… 何故だ?
アドルフの矢がゴブリンを仕留める…… やはり、死んだ分しか召喚されない…… 5匹が限界なのか?
俺はアドルフに合図を送り、ザコスに奇襲をかけた!
「ギ、ギャア……」
ゴブリンを切り殺す!
「てめえ! 殺れ! ゴブリン共!」
ザコスからゴブリン共が離れる。シュ…… ドス!
「ぐっ! チキショーが! ゴブリン共、俺を守れぃ~!」
「ボ……」「ギャア!」「ニンゲン!」
ゴブリン共が離れた隙に、アドルフがザコスを狙撃する。
左肩を射抜かれたザコスが焦り、ゴブリン共を呼び戻す。
ザコスの指示に戻るゴブリン共。隙だらけのゴブリン共を俺は切り殺す!
やはり、5匹以上召喚されない!
後は…… これの繰り返し……
俺とアドルフで、ゴブリン共を30匹ぐらい殺した頃に、おやっさんが騎士と冒険者を連れて来た。
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