「なぁ……〝黒い雷〟って言われてる戦士を知ってるか?」
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「その口元を隠した長いマフラー…… 昭和の覆面ヒーロー見たいですね♪」
「まあ…… 昭和のおっさんだからなぁ」
長いマフラーを靡かせて、口元を隠したタロウを見て……
特撮好きのハナは、嬉しそうだ。
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~ 初めて〝シャドーを装着した〟後…… ~
「がぁ…… い、き…… 息が…… 出来ない!?」
タロウは…… 窒息で倒れた。
特撮ヒーローを参考にタロウだったのだが……
見た目を重視したデザインのシャドーの全身鎧モードは…… 空気穴等の換気機構を内蔵していなかったのだ。
「このデザインでは…… 呼吸と視界を疎外してるなぁ。覆面マスク…… 必要?」
「ヒーローに仮面は…… 絶対必要です!!!」
「「「!?」」」
「うん、ちょっとハナは落ち着こうか?」
急に力説し出したハナに…… アリス以外のチビっ娘達が驚いたので、スノーがハナをなだめて止めた。
「改良するにしても…… 強度の問題から、更なるレア金属じゃないと…… タロ兄が怪我だらけになる」
「それは…… それで昭和の改造人ヒーロー見たいで……」
「う、うん…… 私的にも見たいけど……」
「金属のタロ兄…… 格好いいかも❤」
「「「「「えっ!?」」」」」
「ダメぇぇぇ!!」
「アリスちゃん!?」
「おいちゃんを…… ヒック、かいぞうするの…… ヒック、ダメぇぇぇ!!」
ハナ、スノー、フレアのやりとりを聞いて、アリスがガン泣きしたので、とりあえず錬金術の技術とフレアが頑張り……
特殊な金属素材の布地を作り、口元を覆う様に長いマフラーをマントみたいに着ける事になった。
「特殊な染料で染め上げてるから…… 魔力を流して見て」
「こうか……!? く、黒くなった……」
「その状態ならば、ある程度の衝撃を弾く効果があるから、そうねぇ…… 革系ぐらいの防具の代わりくらいになるかしら」
「それなら、シャドー装着時の時には魔力を流して正体を隠せますね♪」
「いや、別に正体を隠して無いが……」
「タロウ…… シャドーはヤバイわ。端から見たら、誰もが欲しがる魔導具よ」
「ああ、獣から鎧になるゴーレム…… 王公貴族が、ぜったいに欲しがるな」
「それこそ目立つ原因になるわよ」
「「うんうん」」
「かっこいいけど……」
「面倒事になるか?」
「「「「「「「まちがえなく」」」」」」」
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~ とある酒場 ~
「ちっきしょ~が!」
「おいおいどうした?」
「ああ…… こいつなぁ」
「知ってるのか?」
「最近、魔物の数が増えたり群れになったりしてるだろ?」
「ああ…… 何かと物騒になって来たよなぁ……」
「で、その魔物の討伐で……「失敗して、仲間を殺られたのか?」いや、違う」
「じゃあ、何だ?」
「なぁ……〝黒い雷〟って言われてる戦士を知ってるか?」
「ああ、魔物や盗賊を倒してるって、噂の黒い鎧の戦士の事だろ?」
「そいつのパーティーが魔物に囲まれた時に、黒い雷に助けられたんだが……」
「「「「「だが?」」」」」
「狙われたパーティーの女達が…… 黒い雷に惚れて抜けたんだよ。しかも、そいつが惚れてた女も一緒に……」
「「「「「うわぁ……」」」」」
「ちきしょ~…… ちきしょ~……」
シャドーの性能を試すタロウのせいで、一人の冒険者の恋が散ったのだった。
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