「盗人猛々しいわね……」
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「さて…… 準備は?」
「大丈夫、何時でも逃げる用意済みよ」
廃鉱の奥…… フレアが見付けた〝新たな坑道〟に来ていた。
「魔力に鉱石……〝探し物〟は…… いるのか?」
フレアが感じたレア鉱石以外にも、俺には〝探し物〟がある。
準備万端で来たパーティーメンバーが、新たな坑道から魔力の反応を感じた事から……
「いると思う…… 問題は…… 通常か?変異か?ね」
「フレア、今回も悪いが調査が優先…… 採掘よりも魔力の反応源を探すからな?」
「わかってる。採掘は安全を確保してからだね?」
「そう…… 安全第一。よし、行くぞ」
パーティーメンバー達が頷くのを見て、タロウは坑道の奥へと足を踏み入れた。
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「ちゃんと掘られてる…… 巣穴では無く…… 人やドワーフの坑道に近い…… 掘ったのはモンスターでは無いの?」
新たな坑道の奥に進むタロウ達は、坑道の様子に違和感を感じた。
新たな坑道内は…… まるで採掘の知識を持つ者が掘り進んだ様に、綺麗に掘られていた。
「フレア、どうだ?」
「ダメだね…… 鉱石は採り尽くされてる」
「やはり、何かが鉱石を採る為に坑道を掘っている……」
「それが魔力の反応源?」
「その可能性が高い……」
「モンスターでは無い可能性が高い…… さらに警戒して進むぞ」
タロウ達は、明らかに整備された様な坑道を慎重に進む……
「いたわ…… 不味いわね…… 魔族がいるわ」
坑道の奥で、俺の〝探し物〟の背に乗る魔族がいた。
「魔力反応は奴か?」
「そう…… そして、気付かれたわ……」
探し物の足下にいた〝コボルト〟が騒ぎ出す!
「チッ…… 侵入者か? コボルト!」
魔族がコボルトに指示を出すと、コボルト達が俺達に向かって来た!
「おい…… 侵入者だってよ?」
「盗人猛々しいわね……」
「端から見れば、あの魔族が侵入者でしょうに……」
「とりあえず、コボルト達を倒せ!」
タロウが先頭のコボルトを狙撃すると、イーサンとカイトが前に出た!
「鬼坊主、わかってるな?」
「敵を止める!」
「そうだ。だが、あの〝岩野郎〟の攻撃は受け止めるなよ。盾が持たんし、あいつの力は殺せんからな」
「ならば、どうする?」
「こうするんだ。受けずに反らせ!」
イーサンが盾で、コボルトの振り下ろす剣を…… 横から叩いて反らした!
「受けずに相手の力の方向を変えるんだ」
コボルトの盾で殴り、カイトに巨大な相手との戦い方をイーサンが教える。
「くっ…… コボルト達ではダメか…… 仕方がない……」
順調にコボルト達を倒していると…… 魔族が乗った〝探し物〟が動き出した。
「〝探し物〟が来るぞ!〝ゴーレム〟だ!」
タロウの〝探し物〟……
それは〝ゴーレム〟だった。
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