「不思議な奴等だな……」
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~ 廃鉱の中…… ~
「どうやら…… まだ、コボルト達の住みかには、なってないみたいだ…… 鉱石の匂いがする♪」
ドワーフの血が騒ぐのか? フレアが楽しそうに笑う。
「なら、目当ての鉱石を掘りに行くぞ。フレア、案内を頼む」
「あいよ♪」
フレアの案内で、廃鉱の奥へ……
「うん?」
「どうした?」
「この横穴…… まだ新しい…… 誰かが掘ってる?」
「街で聞いた時には…… 廃鉱になってから、三月は経ってるはずだぞ?」
「鉱山の出入りは管理されてるからな…… モンスターが掘ったか?」
「で、この横穴が気になるのか?」
「鉱石の匂いが…… この先からするんだよ……」
フレアが指差す横穴を見て…… タロウ達の背筋が寒くなった。
「嫌な感じが…… するな?」
「俺も同感だ……」
「強敵がいる…… 気がする」
「でも、すごい鉱石の匂いがするの!」
「フレア、焦ってはダメよ」
「エル?」
「この先に…… 魔力を感じるわ。何らかの魔法か…… 魔法生物がいるわね…… タロウ、どうする?」
「退くぞ。今日は調査とカイトの特訓だからな…… フレア、明日も来るからな」
「わかった! この場所は覚えてるよ♪」
「よし、宿に戻って対策を練るぞ!」
タロウの言葉に、パーティーの全員が頷き廃鉱を後にし、宿に戻ると……
「「おかえりなさい」」
「ただいま。良い子にしていたか?」
元気に飛び付くアリスと戸惑いながら近付くルルを、一緒に抱き上げて宿に入ると……
「「あるじさま♪」」
猫なハーフエルフの〝サナとラナ〟も、出迎えてくれたので、アリスとルルを下ろし双子の頭を撫でる。
「ただいま。採取はどうだった?」
「ゴブリンが出た」
「アーチャーとマジシャンが出た」
「〝職持ち〟が出たのか…… 大丈夫だったか?」
「大丈夫♪」
「ハナさまが守ってくれた♪」
「「すごかった♪」」
「ハナちゃんが…… 守った?」
「我の〝力〟でな」
口元を扇子で隠したシズカが現れた。
「なるほどな……」
「タロウさん? 戻ったのですか?」
「ああ、ただいま」
「お帰りなさい。廃鉱は、どうでした?」
「それなんだが……」
「おいちゃん…… おなかすいた……」
「フフ…… 先ずは、食事ですね?」
「そうだな、飯にするとしよう」
皆で宿の飯を食いながら、それぞれの報告するタロウ達を見て……
「不思議な奴等だな……」
魔物系と子供等を連れた旅の冒険者達…… 家族の様な雰囲気に、何時の間にか笑っているイーサンだった。
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