「つまり…… 俺は、アドルフのステータスを引き継いたんだ」
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アドルフと別れてから目的の坑山に向かう途中で、夜営中に不思議な感覚を感じて……
「それ…… アドルフの弓よね? どうしたの?」
「ああ、アドルフがくれたんだが……」
アドルフに渡された弓を取り出して、見張りをしていたエルと話ながら構えてみると……
「貴方…… 何時の間に弓スキルを覚えたの?」
「弓を構えるのも初めてで、スキルも持って無いはずだが……」
アドルフの弓を構えると、しっくり来る感覚があるのを感じ、初めて剣スキルを使った時の感覚を思い出した。
「やはり、弓スキルの様だ…… でも、何故?」
「それは、キャラクタークリエイトの効果だね」
「「えっ!?」」
「やあ、こんばんは♪」
「しゅ、主神様!?」
突然現れた例の電飾人間に、エルが膝を付いて頭を下げた。
「神様、こんばんは」
「一応、聞くけど…… 神に対する態度では無いよね?」
「最近、よく会うからな…… 最初の頃に比べて、感じが違うし」
「それは、君に合わせてかな? 神は信仰が無いと力を行使する事が出来ないからね。信仰者に合わせて現れるのだよ」
(つまり、年上が苦手な俺に合わせて、気安い態度な訳か?)
「そんな感じかな」
「相変わらず…… 普通に思考を読むの止めてくれませんか?」
「あっ、ごめん♪」
「で、キャラクタークリエイトの効果って?」
「それはね…… そのユニークスキルは、君の記憶を元に作ったスキルだからだよ」
「俺の記憶…… あっ、つまり! 俺がやっていたゲームのキャラクタークリエイトシステムのいいとこ取りだと?」
「そう言う事」
「どう言う事だ?」
「つまり…… 俺は、アドルフのステータスを引き継いたんだ」
「何!?」
「そう、つまり彼は、キャラクタークリエイトで作ったキャラクターのステータスを【引き継ぐ】事が出来るのさ」
引き継ぐ…… 俺がやっていたゲームでは作ったキャラクターを転生や引退させて、キャラクターを作り直す時にステータスを引き継ぐ事が出来た。
「つまり…… 貴方は、キャラクターを作っては別れを繰り返せば…… 簡単に強くなれるって事!?」
「言うほど簡単では無いよ」
「ああ、俺の知る限り…… キャラクターが成長していないと引き継ぐ意味が無いうえに、引き継ぐステータスも…… そんなに強くないはずだしな」
「普通に育てたキャラクターを、連れて歩く方が楽だしね 」
「それに…… 今の仲間に愛着があるしな。本人が希望する以外で別れる事は無いだろうな」
「そうか……」
「良かった~…… 一応、そう言う事する気なら、忠告するつもりだったんだよね」
「まあ、あんまりキャラクターを増やす気は無いな」
「そう…… それじゃあ、戻るよ。じゃあね~♪」
神様が帰るのをエルと見送って、アドルフの弓をアイテムボックスに収納した。
「別れても、世話になったな。ありがとうよ……」
俺は、増えたステータスを確認しながら…… アドルフに礼を呟いていた。
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