「次の町で俺は、あの子等を連れてパーティーを抜け様と思う」
何時も、誤字脱字報告ありがとうございます。
「で… また、女の子ですか…」
仁王立ちのハナちゃんに睨まれながら、何故にこうなったかを思い出す……
その日の俺達は、新たな目的地の鉱山地帯の町を目指して、改良を繰り返した魔導馬車を山道で走らせていると……
山賊に会った。
「女子供と金と荷物を奪え!」
「男は皆殺しだ!」
「よくある……」
「パターン?」
「頭は…… アイツか?」
「さあ? 討てば解るんじゃない?」
「何を……「そうだな」!?」
盗賊の頭を狙撃すると、蜘蛛の子を散らす様に盗賊達が逃げ出したので、後を付けると……
「盗賊のアジトを発見して制圧したら…… 捕まっていたこの子達がいたと?」
「そうです……」
「ハナさん、人助けですよ」
「わかってます。けど! その状態は、何ですか!?」
「これには…… 事情が……」
盗賊のアジトから救出した女の子達は…… タロウが縄で縛り上げていた。
「おじさんは悪くない! コイツらは何かを飲まされて、おかしくなってるんだ!」
一緒に救出された少年達が、事情を話始めると……
どうやら…… 頭の留守を狙って、盗賊の手下が捕らえた女の子を襲ったらしい。
その時に、抵抗されない様に男を求める薬を飲まされた様だ。
「抱き付いて来て、危険だから…… 縛ったと?」
「ああ…… 一人くらいなら、何とかなるが…… 6人は…… ちょっとなぁ……」
盗賊のアジトに捕まっていた子供達は、少年が5人の少女が6人に幼女1人いた。
「で、どうしようか?」
「この数の子供を連れての旅は…… 危険だよな?」
「正直したくないわね」
「だよな…… 近くの孤児院は……」
「ダメよ。孤児院は大きい街にしかないし、このまま連れて行けば奴隷にされるわ」
「う~ん……」
「旦那…… その事で、話があるんだが……」
「アドルフ?」
「次の町で俺は、あの子等を連れてパーティーを抜け様と思う」
「何故!?」
「気付いているだろ? 俺のステータス成長が止まったのを……」
「それは…… だけど!」
「あの双子なら…… すぐに俺を超えるだろ? それに、エル様の言うには…… 旦那から離れても大丈夫らしいからな」
「アドルフ……」
「俺は狩人だからな。冒険よりも森で獲物を追う生活に戻るだけさぁ…… ついでに、暇な時に弟子として、子供等に狩りを仕込むけどな」
「ああ…… なら、盗賊の報酬を全部やる!」
「旦那!?」
「俺からの退職金だ。子供等がちゃんと寝れる場所を確保しろよ」
「ああ…… 当たり前だ!」
その後、盗賊の荷物をまとめて町に向かい、冒険者ギルドに報告して報酬を得た。
「やはり…… 身内は殺されていたか……」
冒険者ギルドで、子供達の身内を捜して貰ったが…… 旅の行商人の子供達だと判り、盗賊に殺された後だった。
「それじゃあ…… 元気でな」
「ああ…… 旅の無事を祈ってるぜ」
報酬で町外れに一軒家を買ったアドルフに子供達を預けて…… 俺達は目的地を目指した。
誤字脱字報告と評価の星を付けて貰えると、助かります。