『ならば、アーリアさんの身体を… 私に下さい!』
「お姉様… 違う? 貴女は…」
「今の私は… アイナ。前世でアーリアだった者よ」
「前世!? そんな訳ない! お姉様は生きています!」
「魔導具のパーツとしてな…」
「!……」
俺の言葉に… 悔しげに第二王女【イーリア】が黙ると… アイナがやさしくイーリアに語りかける。
「魔導具を動かす為に身体が生かされていたけど…【魂】が… アーリアだった心が死んでしまったの」
「では… 貴女は!?」
「アーリアの魂… 心と記憶を持って生まれた… アイナよ」
「お姉様の魂… 心と記憶…」
アイナがイーリアの頬をやさしく触れて…
「イーリア… 貴女には辛い事だったでしょうね… でも、私の事で悲しまないで、私はやっと自由になれたの」
「お姉様」
「これからは、死んだ私よりも自分の心配をなさい。私が使えないなら、あのお父様の事… 貴女も無事に過ごせるとは思えないわ」
「ならば、無職の御方! お願いです。私も… 私も、連れて行って下さい!」
「え~!? ちょっと待って、余計に追手が来るだろう…」
『拐われた姫が… 普通に戻る方が怪しいですよ』
「魔導家に匿って見ては?」
「私よりも賢い子ですから… アリスちゃん達の教育係に持ってこいですよ、旦那様」
「だ、旦那様!?」
「深い意味は無いからな。解った… とりあえず、連れて行く事にする」
確かに、俺達じゃあ… この世界の常識や礼儀を知らない。だから、教える事が出来ないからな…
『それで、アイナさんの前世… アーリアさんの身体ですが… どうしますか?』
「強い力を宿しているからな… 下手に埋葬出来ないよな…」
「森の奥に埋葬して、モンスター化したら大変ですし…」
「火葬しても… 遺骨が狙われる可能性がな…」
「私の前世がご迷惑を…」
『ならば、アーリアさんの身体を… 私に下さい!』
「私は構いませんが…」
アイナの了解の元… アーリアの身体をジャンヌに渡す。
『すいませんが… 私をアーリアさんの身体に着せて下さい』
ガッシャン…
そう言って、バラバラになったジャンヌをアーリアに着せていく…
「これで… 最後だな?」
付け忘れたパーツが無いのを確認しながら、フルフェイス型の兜を被せると!?
「「「「!?」」」」
漆黒に銀の縁取の黒騎士風のジャンヌの甲冑が光輝くと…
「思った通り… 魂の定着に成功です」
純白に金の縁取のドレスアーマーを着た… アイナに瓜二つの姫騎士が立っていた。
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