「貴方… 無職の御方!?」
「これが…【勇者召喚】の魔法陣と…【召喚の魔導具】… そして」
魔導具の上に在る【球体の水槽】に触れて、【中に漂う少女】を見る… アイナに瓜二つの顔立ちだった。
『この方が… この国の第一王女で、アイナさんの元の身体ですか?』
「ああ… 肉体的には生きているが魂が無い【抜け殻】だ」
この国に戻る時にアイナに頼まれた事…
「私の【骸】を土に返して…」
彼女の前世… 第一王女だった少女に真っ当な死をもたらす事…
球体状の水槽で… 魔導具の【核】にされた少女の魂だった者の願い… 魔導具を破壊しても少女の肉体が在る限り… 新たな魔導具の【核】にされる呪われた運命。
俺は、魂が無く生ける屍にされた少女に繋がる魔導具を… アイテムボックスに仕舞う。
水槽の少女がピクリと動いた後、反応が無いのを確認してアイテムボックスへ…
『!? な、何を?』
「思った通りだな… 迷惑賃代わりに魔導具は全部貰って行くぞ」
アイナは、魔導具ごと自分の前世の肉体を破壊しろって、言っていたが… せっかくだから、俺自身の復讐として… 色々と貰って行こう♪
『悪党ですね♪』
「おう、俺は悪党だ」
だから、【勇者召喚の魔法陣】も、描かれた床の石板こどアイテムボックスへ…
『どんだけ入るんですか?』
「俺にも… 判らん! じゃあ、帰りますか?」
ガッチャ…
「誰! お姉様をどうしたの!?」
ジャンヌと撤収しようとした処に… 少女が入って来た。
アイナが言っていた妹の… 第二王女だな。見覚えが有る… 俺達が会った姫様だ。
「あんたの姉さんなら… 俺が貰った」
『!?』
ジャンヌに合図して… 姫様に話し掛ける。
「この部屋に設置されていた魔法陣と魔導具は… 俺が頂いた。あんたは… どうする?」
「何を… !?」
ガッキーン!
【何者】かの斬撃を剣で弾く!
「姫、賊の言葉に惑わされては為りません!」
あ、この騎士は… 後ろから俺を刺した男だ。
「フッ… 聖騎士が不意打ちか?」
「賊を斬るのに… 騎士道は必要ない!」
斬り掛かる聖騎士を払い退け、姫様を抱き寄せた。
「きゃ!?」
「姫!」
「邪魔の入らぬ処で話すとしよう。そこの聖騎士… 動くなよ。あの異世界人の様に… 後ろから刺されたくは無いのでな!」
姫を抱き寄せたまま、ジャンヌとスノーが用意した【転移アイテム】で転移した。
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「無礼者!」バシン!
転移先に着いた直後に… 姫様の平手打ちを喰らった。
「あらあら… イーリア、ダメよ」
「え… お姉様!? それに居なくなった魔物使いさん!」
「いつぅ…」
「貴方… 無職の御方!?」
転移先で… アイナとハナちゃん… 平手打ちで覆面が取れた俺を見て、姫様は驚いていた。
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