『で… 神頼みの結果がこれですか?』
「で… どうする?」
二人の魔導具を外した後、エルが話掛けて来た。
「教会に潜む魔族の事か?」
「ええ、このままだと… 貴方【帰れなく】なるわよ」
「勇者が死ぬからか…」
教会の魔族に娘を平気で犠牲にする召喚者の国王… このまま行くと、勇者達の行く末は… 他国を侵略する兵器扱いか魔族の奴隷か、どっちにしても… この世界には戦火の火種になるな…
「確かに不味いですね… どうにかしないと」
「勇者達に近付くにしても… おっさんの話を信じるか? 教会の支援と教育を受けてるんだろ?」
「信頼度は、教会が上ですね… 問題は魔族が、どの程度勇者達の近くにいるのかですね」
「直接の接触は避けるんじゃない? 勇者達の中には鑑定スキルを持つ者が多かったはずよ?」
「召喚の魔導具を作った奴等も怪しいな… 魔導具の腕輪も、そいつ等の作った物かもな」
「今の勇者達を逃がしても… 召喚の魔導具があの国に在る限り、新たな勇者達が喚ばれるだけね」
めんどくせぇ~! どの道… 勇者達の保護とあの国の召喚魔導具をどうにかする必要がある。
「とりあえず…」
「「「「「「とりあえず?」」」」」」
「神頼みしとくか…」
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~ 数日後… ~
『で… 神頼みの結果がこれですか?』
「悪いなジャンヌ、付き合わせて」
俺は… ジャンヌを連れて、俺達を召喚した国の城に潜入していた。
「いざとなれば、先に転移してくれ」
『了解ですが… アイナさんの前世の御体を回収してからです』
あの後、神頼みしたら…
「いいよ。勇者達は事故に見せ掛けて、まともな国に転移させるね。転移先の国に神託をしておくから… 召喚の魔導具をどうにかしてね」
と、言う訳で… 城に潜入中。
「しかし… この装備すごいな」
俺とジャンヌは… 潜入用に作られた使い捨ての装備品に身を包み進む。
『鑑定阻害に存在隠蔽を付与してますから、付与が強力過ぎて装備品の耐久力が下がりますからね』
「まぁ、戦闘をしたら即バレだからな」
身を隠しながら、スノーが作ったアイテムで魔導具の位置を探り…
「こっちだな…」
城の奥に進む… ジャンヌが手を広げ俺を制する?
『罠です』
ジャンヌが罠に反応した様だ… 俺はゴーグルを取り出し装着!?
「うわぁ~」
ゴーグルを透して見た城の中は… 罠だらけだった。
罠をすり抜けながら進んだ先に… 厳重に隠された隠し部屋を発見! 中に入ると…
「これか…」
魔法陣の上に… 舞台装置の様な魔導具と【巨大な球体の水槽】が在った。
『この娘がアイナさんの前世…』
水槽の中に少女がいた… 魂の無い魔導具として生ける死体と化した少女が… 水槽の中で眠る様に死んでいた。
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