「【コレ】だわ…」
たぶん、今年最後の更新です。
「盗賊の類いか?」
「いや、旦那… どうやら追っ手の様だ」
マントに革鎧の奴等の中… ローブ姿の人物の首に教会のロザリオが有った。
「教会の関係者…【聖女派】か?」
「たぶんな… 盗賊に扮して、アニア達を襲うつもりだったんだろう」
「やはり… 監視されてるか…」
待ち伏せされたって事は… 何処かで俺達を見てると言う事か?
「旦那… コイツ…【魔族】だ」
「!?」
ローブ姿の人物の姿が変わる!?
その姿は… 頭に角を持つ紫の肌をした男だった。
「魔法で姿を装ったのか?」
「教会に魔族が居る? どう言う事だ」
盗賊の死体をアイテムボックスに仕舞い… 魔導車に戻り、エルに魔族見せる。
「ロザリオを持った魔族ね… これは不味いわね」
「不味いか?」
「魔物の転移転生者食い信仰と同じよ… 魔族の中にも、とある信仰が在る」
「信仰?」
「転移転生者に魔族の子供を【産ませる】事よ」
「「!?」」
「特に転移者の【特殊な職】持ちが狙われるの… スキルを持った強力な魔族が産まれると信じられてるわ…」
「ちょっと待て! 教会の聖女派に魔族が居るって事は…」
「魔族が聖女派を利用してる… 可能性が出てきたわ」
「転移者を使って、強力な魔族を産み出そうとしている!?」
「シオンとハナちゃんの持ち物を調べるぞ! 奴等… 俺達を待ち伏せていた… 居場所を報せる【何か】が在るはずだ!」
ハナちゃんとシオンの持ち物を調べ直すと…
「【コレ】だわ…」
スノーが… 二人の着けた【腕輪】を見付ける。
「腕輪!? 何時の間に?」
「自分で着けたんじゃないのか?」
「着けた覚えがないの」
「魔導具の一種ね… 強力な認識阻害が掛けられてるわ」
「装着者も分からない程のやつか… 外せるのか?」
「強力な呪いが在るわ… 普通なら外せない程の」
「どうしたら…」
「大丈夫よ。私と…」
「私の出番ね」
スノーとエルが立ち上がる。
「直ぐに済むので、【コレ】を着けて下さい」
スノーがハナちゃんに首飾りを着けると… ハナちゃんの身体が、ガクンと崩れ落ちる!?
「おい!?」
「大丈夫。眠っただけです」
「さぁ… 始めましょう」
エルがナイフを持っている… まさか!
「腕輪で良かったですね」
取った腕輪を持って… スノーが言う…
「首輪だと、ヤバかったわね」
2つ目の腕輪を持った… エルが言う…
コイツ等… 恐ぇ~!
腕輪が、呪いで外せないとなると… ハナちゃんとシオンを魔導具で眠らせて… ハナちゃんとシオンの腕を切り落とした!?
切り落とした腕から腕輪を取ると… エルの神聖魔法で、切り落とした腕を元通りにくっ付けた。
その様子に… アドルフと俺は… なるべく逆らわない様にしようと… 誓うのだった。
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