「うるさい! ギルドの前で騒ぐな! バカ共が…!?」
「ここが… 冒険者ギルドですか?」
ハナちゃんが… 冒険者達を見てちょっと怯える。
「気持ちは解るが… 慣れてくれ。じゃないと余計なヤツが絡んで来るぞ」
「… テンプレですか」
「解ってるじゃないか。行くぞ」
俺達が冒険者ギルドの入り口向かうと…
「ちょいと待ちな」
入り口付近に居た冒険者達が前を塞ぐ。
「ここはガキが来る処じゃねぇ。冒険者になりたきゃ、俺達が教えてやるぜ」
「色々な事をな」
「手取り足取り丁寧にな。ギャハハハ」
バカが絡んで来た… おやっさんと俺達が見えないのか…
「いいから退いてくれ。依頼の報告ができん」
「何だジジイ!」
「やめて下さい!」
バカがおやっさんに絡んで、ハナちゃんが止めに入る。
「じゃあ、てめぇが来い」
「きゃ!?」
「危ないな」
バカがハナちゃんに掴み掛かろうとしたので、ハナちゃんを俺の方に引き寄せる…
ハナちゃんがバランスを崩したので、抱き締める様な体勢になった。
「この~、邪魔「危ないぞ、お前が」なにを!?」
ハナちゃんを抱き寄せた俺に向かって、バカが掴み掛かろうとした瞬間!
「グワァウ!!」
大口を開いた狼ちゃん?が、俺とバカの間に入り噛み付く素振りをする。
「ヒイィィィィ!」
バカが恐れて尻餅を突いて倒れた。
バカの仲間も騒ぎ出した。
ダァン!
「うるさい! ギルドの前で騒ぐな! バカ共が…!?」
騒ぎを聞き付けたのか? 冒険者ギルドのドアを蹴り開けて、出て来た女性が狼ちゃん?を見て止まった。
「… 使い魔か? 魔物使いは初めて見るね…」
急な事に俺が抱き抱えたままのハナちゃんと、ハナちゃんを守る様に俺の回りに貼り付いてる狼ちゃん?を見て、女性が言った…
鑑定スキルか?
「あの~… そろそろ降ろして下さい…」
「あ、ごめん」
腕の中のハナちゃんから言われて思い出した。
低身長のハナちゃんがちょっと恥ずかしがりながら、浮いた足を控え目に動かしてるので… ゆっくりと降ろした。
「ありがとうございます…」
抱えた時に崩れた服装を直しながら、ハナちゃんがお礼を言った。
「あ、うん、急に抱えてごめんね」
「いいえ… 庇ってくれて、ありがとうございます」
「入り口で喋ってないで、用が有るなら入りなさい」
ギルドから出て来た女性に促されて、俺達はギルドの中へ…
「ギルドマスター! またですか?」
「「「「「ギルドマスター!?」」」」」
「おう、私がこのパンドラタウン冒険者ギルドマスターの、【カタギリ】だ!」
ドアを蹴り開けて怒鳴って居た女性は… 冒険者ギルドのギルドマスターでした。
誤字脱字報告と文章とストーリーの評価して貰えると、助かります。




